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がんばりすぎずにあるこうや。

つくばFCの2017シーズンが終わりました (1/3)

男子「ジョイフル本田つくばFC」は3月末に、女子「つくばFCレディース」は4月中旬にそれぞれスタートしたつくばFCトップチームの公式戦も、12月をもって2017シーズンの全日程を終了しました。男女とも激戦が続き、長い長いシーズンになりました。
例年のように、個人的な視点にはなりますが、つくばFCの今シーズンを振り返り、来季2018シーズンを展望してみます。

飛躍的な"成長"を見せつけた【ジョイフル】

ジョイフル本田つくばFC
第51回関東サッカーリーグ1部 2位(勝点41、13勝2分3敗、得失点差+27)
第53回全国社会人サッカー選手権東予選2回戦敗退
第20回茨城県サッカー選手権 1回戦敗退
第10回KSL市原カップ ベスト8

昨シーズンの5位という成績から巻き返しを狙ったジョイフルは、開幕4連勝・後期7連勝と大躍進。リーグ戦最終盤までVONDS市原との優勝争いを繰り広げ、最終的にはわずか1ポイント届かなかったものの、激戦の関東を立派に戦い抜きました。

41ポイントは2位チームとしては史上最多で、43得点はリーグ2位、17失点はリーグ最少。これまでのジョイフルの特徴である高い攻撃力に、今年は堅守が融合して、地域リーグ屈指のハイレベルリーグである関東1部でここまでの成績を残せるようになった。高い緊張感とプレッシャーの中でのリーグ戦は、選手たちにとって精神的にも肉体的にも消耗の激しいものになったと思いますが、同時にチームも個人も著しく成長することにもなりました。ベストイレブンに2人が選出されたように、今年は「ジョイフル本田つくばFC」というチームが大きく飛躍する年となりました。

シーズン中盤に、ケガ人の発生やコンディション調整不足などで苦戦することになり、それが結果に響いてしまったことは否めません。ただ、「誰かが抜けても、他の誰かがしっかり仕事を果たしてくれる」というのが、今までのジョイフルになかった今年の強みでした。池田が得点王、川村がベストイレブンに選出されましたが、この2人が突出していたわけでは決してない。ポテンシャルの高い選手たちが集まり、クオリティの高いサッカーを続けたからこそ、ここまでの結果を残せたのだと思います。

全社の出場権を逃し、リーグ優勝も叶わなかったことで、最終的にJFLへの昇格権利を断たれてしまったことは、残念でなりません。この強いチームで全国リーグへの道を切り開きたかったというのは本音ではあるけども、この経験は、チームに、クラブに、選手たちにも、決して揺らぐことのない自信と誇りを植え付けたと思います。

価値のある4つの勝利をつかんだ【レディース】

つくばFCレディース
2017 プレナスチャレンジリーグEAST 6位(勝点7、1勝4分10敗、得失点差-24)
2017 プレナスチャレンジリーグ総合 12位(勝点0、0勝0分3敗、得失点差-8)
2017 プレナスチャレンジリーグ入替戦 1勝1敗 残留決定(2戦合計2-2、アウェイゴール数により)
第39回関東女子サッカー選手権 第7位
第39回皇后杯 全日本女子サッカー選手権 1回戦敗退

全国リーグ3年目となった今年、かつてないほどの苦戦を強いられたレディース。4月の開幕以降ひとつも勝てないシーズンが続き、引き分けでポツポツと勝ち点を積んだものの、結果の出ない試合の連続でした。プレーオフでも勝利できずに3年連続の入替戦となり、チーム状況も苦しい中、それでもなんとか残留戦に勝利。来年もチャレンジリーグで戦う権利を手にしました。

今季の公式戦は全部で25試合。そのうち、PK勝ちを含めても4つしか勝利を挙げることができませんでした。数字を見れば「結果が出なかった」と言わざるを得ませんが、それでもその4つの勝利はどれもたいへんに価値のあるものだったと思います。長いトンネルを抜けた先のレギュラーシーズン最終節での初勝利。惨敗のプレーオフから一夜明けた連戦の皇后杯予選で勝ち取った復活の勝利。初めての皇后杯本選出場を決めたPK戦。そして来季のチャレンジリーグ残留を勝ち取った渾身のウノ・ゼロ。数少ない勝利だからこそ、その時の光景がありありと思いだされますし、その感動と興奮も鮮明に覚えています。

今季も昨年同様、ケガによる主力の長期離脱に苦しめられたのが、低迷の原因といっていいと思います。各ポジションにポテンシャルの高い選手を配置してシーズンをスタートしたものの、チーム戦術の骨格が出来上がる前に離脱者が続出してしまった。特に最終ラインのメンバーがごっそり抜けてしまったのは本当に痛手で、シーズン終盤はアンカーやサイドが本職の選手をコンバートしてどうにか形を保っているような状況でした。ホームゲームに行くたびに松葉杖をついている選手がひとつずつ増えているような状態は、見ているこちらも本当につらくて、もう少しどうにかならないのかと思ったものです。

一方で、昨年ケガでレギュラーシーズンを棒に振った豊嶋が、今季はフル稼働。リーグ戦で6ゴール、入替戦でも貴重なアウェイゴールを含む2得点を挙げ、名実ともにつくばのエースとして君臨しました。「豊嶋の単騎突破しかチャンスがなかった」という見方もできますが、強みを活かした得点を量産できたのは、今後に向けても好材料です。低迷したチーム状況の中で、数少ない明るい話題となりました。

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新潟またしても飲んだくれ旅

今年最後の三連休となった先週末、年に一度の社員旅行に行ってきました。今年は新潟・月岡温泉新潟県は日本で6番目という広大な面積を誇る地域ですが、今回は周遊範囲が絞られていたので、バス移動の負担も大きくなく、ゆっくり観光することができました。

1日目はまず新潟ふるさと村からスタート。お昼を食べた後に、バザール館で開催中だった「あられ・おせんべい祭り」を巡りました。せんべいばっかりよくもまぁあんなにたくさん集まるもんだ。試食も大盤振る舞いで、いろんな味のいろんなお菓子をポクポクといただいてしまいましたよ。ご飯食べたばっかなのにね(笑) ただ、屋台で売られていたぽっぽ焼きまでは手が出ず。残念。その後は北方文化博物館をまわって、お宿に入りました。

2日目は酒どころ巡り。市島酒造カーブドッチとまわって、もう飲みすぎってくらいお酒を飲みました。昨年もそんなんだった(笑) ああいうところの試飲って、なんであんなに羽振りがいいのかね。カーブドッチの試飲は有料(とはいえ100円ぽっち)なんですけど、普通のワイングラスやシャンパングラスに、レストランで出すくらいのごく普通の量を注いでくれちゃうので、これでおつまみでもあったらただのカウンターバーですね。どのお酒も美味しかったですよ。さすが新潟。

夜の宴会は、新潟名産の品がどっさり。活きのいいアワビや脂ののったのどぐろ、村上牛のしゃぶしゃぶ、松茸とエビの土瓶蒸し、そしてご飯はもちろん新米のコシヒカリ。他にも海の幸山の幸がたくさん。サイコーだね。堪能しました。
部屋に戻ってからは恒例の同期飲み。同期が宴会で「ちょっと高級なポテチ」を当てたので、それをアテにしてまた飲んでました。もともと人数が少ないうえに今年はついに退職者が出て、だんだんと寂しくなってきたこのごろ。でもみんな仲がいいことには変わりないからね、楽しくしゃべって飲んで過ごしました。僕は今の事業所には同期がいないので、こういう機会は貴重です。

来年はどこに行けるかな。今から楽しみです。

皇后杯1回戦 はじめの一歩

第39回皇后杯 全日本女子サッカー選手権大会
1回戦 つくばFCレディース●2(0 PK 3)2○福岡J・アンクラス
2017/10/28(Sat.) 14:10 四日市中央緑地公園陸上競技

強豪ひしめく関東の予選を勝ち抜いて、つくばFCレディースが初の皇后杯本大会に出場しました。リーグ戦で結果が出せず、予選でも大変な苦戦を強いられながら、それを潜り抜けてたどり着いた晴れの舞台。残念ながら天気まで「晴れ」というわけにはいきませんでしたが、気持ちも新たにクラブの歴史に新たな一歩を刻む一戦です。当日はJFA-TVでライブ配信もされ、緊張しつつ会場に入りました。

では、栄えあるスターターに選ばれたメンバーを振り返ります。
GKは青柳麻理鈴(#1/岡山湯郷Belle)。
最終ラインは4人。右から、三間睦美(#6/スフィーダ世田谷)、衣奈知鶴(#8/武蔵丘短大)、水島久美(#15/岡山湯郷Belle)、藤井志保(#4/神戸親和女子大)。
菊地さやか(#21/東京情報大)と、今回は大木汐(#13/日体大)のダブルボランチ。右ワイドに藤原優未(#24/東京国際大)、左には井上藍(#11/日体大)。
シャドーの位置に牛玖真保(#23/FC.VIDAレディース)が入って、最前線に豊嶋舞子(#18/関東学園大)が構えます。

東予選のあとに内田前監督からチームを引き継いだ奥監督(ヘッドコーチから昇格)は、これまでスタメンに固定されてきた原島未季(#7/関東学園大)をベンチに下げ、また攻撃のタクトを振る亀井祐美(#10/聖和学園高)をメンバー外にするという、大変思い切った策に出ました。負傷明けから間がなくコンディションが上がっていない遠藤れい良(#19/大和シルフィード)もメンバー外。奥監督のコンセプトが如実に表れるメンバー構成でスタートしました。

前週に大雨の田んぼ状態でJFLを開催し、この日も2試合をこなすハードスケジュールが組まれた四日市のピッチは、ところどころ芝がめくれてしまうほど難しい状態。ただ、雨の量は多くはなく、水が浮いてしまうようなことはありませんでした。

試合序盤から福岡がグッと前に圧力をかけてきて、つくばはそれをまともに受けてしまい、全体的にプレーがリアクションベースになってしまいました。特にサイドでの攻防はかなりバタついていて、常に数的不利を強いられるような状況に。守備時の最終ラインと2列目の距離感も中途半端になってしまって、押し込まれる場面が多くなりました。それでも、ゴール前では人数をしっかりかけてボールを跳ね返したし、ピンチをちゃんと潰せていました。

失点は、クロスだか狙ったんだかよく分からないふわっとしたボールが、絶妙の弧を描いてゴールに吸い込まれてしまったもの。こちらも呆気にとられてしまいました。

ハーフタイムに「セットプレーから一発で取りたい」と思っていたところ、後半開始早々にCKからミズのヘッド弾で同点。目論み通りですね(笑)。後半のつくばは、平面でパスをつなぎながらなるべく早いテンポで相手陣地までビルドアップするスタイルを徹底。濡れて早くなったピッチ状態はむしろこのスタイルには好都合で、ボール捌きを得意とする知鶴さんとミズのセンターバックに、本来は左サイドバックが本職の大木ちゃんが巧くハマって、平面サッカーでは中盤を完全に制圧しました。意思疎通の難やパス精度そのものの低さでボールをロストしてしまうことはあったものの、つくばの「やりたいサッカー」がやれていると、勝ち越しもできるぞと期待していたし、実際チャンスも作ったんですが、残念ながらそのまま延長戦になってしまいました。

前半をお互いゴールレスで折り返した延長戦の後半。相手のCKからのカウンターで相手バックラインの裏を取った豊嶋が、スピードに乗って一気にドリブル突破。GKとの1対1を華麗なチップキックでかわして、起死回生の逆転ゴール!舞子はリーグのレギュラーシーズン最終戦以来、実に3か月ぶりのゴールです。つくばFC随一のスピードスター。僕は密かに「舞子プラズマ」と呼んでいるんですが、類稀なスピードで今シーズン何度も相手DFをぶち抜いてきました。GKとの1対1も多くありましたが、正面に当ててしまったり枠外に飛んだりと、決定率は高くなかった。それを、今回は緩やかに上を抜くという新しいやり方で覆しました。

リードを保って終盤に入って、勝利を目指して必死を声を出して。遅々として進まない時計を何度も見て、残り50秒を切ったのを確認して「勝てる!」と思って目を上げた刹那、アンクラスの7番がミドルレンジから放ったハーフボレーが、無情にもゴール右上隅に突き刺さってしまいました。

勝つというのは、これほどにも難しいものかと。ここまで来てこれほどがんばっても、それでも勝利の女神はこちらについてくれないのかと。

なんとか気持ちを上げて、残り時間とPK戦に臨みましたが、想いも虚しく初戦敗退となってしまいました。

悔しい。本当に悔しいです。相手はチャレンジリーグプレーオフで残留を争ったチームで、決して簡単な相手ではありませんでした。でも、つくばFCも関東予選を通じてチームの実力を上げ、第7代表とはいえ激戦の関東を勝ち抜いた力はフロックではないはずです。この試合も後半からペースを握り、チームとしての強みを発揮して逆転ゴールを奪った。このまま勝ち切れるはずだった。それが目前で消えてしまったのは、本当に悔しくて悲しかった。

でも、リーグ戦と比べてチームの状態が飛躍的に向上しているのは確かに実感できました。アンクラスプレーオフで対戦したときは、同じような豪雨の中で0-3と惨敗した。それが、ここまで拮抗した試合をできるようになったのです。自信をもっていい。勝てなかったのは悔しいけど、実力は発揮できていました。

初挑戦の皇后杯は、悔し涙で終わりました。でも、これで「全国で一勝」という新たな目標ができた。来年もまたこの舞台に帰ってきて、次こそは勝てるように。またがんばるだけです。

12月にはチャレンジリーグ残留をかけての入替戦があります。この経験を無駄にせず、今度こそ必ずみんなで笑えるように。1か月間良い準備をして、大一番に臨みましょう!


JFA TVによるフルサイズの録画配信はこちら。

同点ゴール(#15水島、51分)

逆転ゴール(#18豊嶋、109分)

なでしこ1部第18節 迫力不足

2017 プレナスなでしこリーグ1部
第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース●0 - 1○マイナビベガルタ仙台レディース
2017/10/07(Sat.) 13:00 ユアテックスタジアム仙台
7位(勝点22)→7位(勝点22)

3月に始まったなでしこリーグも、早いものでこれがラストゲーム。今年はホーム/アウェイ問わず観に行けない試合も多かったので、思い切って仙台まで行ってきました。仙台はこれまでも何度か来ていますが、ここで勝ったことないんですよね。そろそろ良い思い出を持って帰りたいところでしたが、残念ながら今回も適いませんでした。

北国の冷たい雨が降りしきる生憎のコンディション。ピッチ状態は決して劣悪ではありませんでしたが、ある意味季節外れの寒さと雨でみな一様に苦労していたようでした。守備陣はある程度安定していて、仙台のコンパクトな攻撃にバックラインがしっかりプレスをかけて対応し、大きく崩される場面はそう多くなかったと思います。仙台はインサイドハーフの安本と佐々木がバイタルエリアを自由に動く戦術で、捕まえづらい反面攻め手の範囲が限られているので、スペースをケアしておけば決定機は作られない。そういった部分は、試合を通じてうまくいっていたと思います。

失点はセットプレーの流れから。中途半端なクリアを浜田遥に拾われて、見事な反転ループでネットを揺らされました。あれはしょうがない、浜田が巧かったです。マークが外れていたわけではありませんが、ボックス内で強く体をぶつけにいくのも躊躇われただろうし、船田さんにはノーチャンスでした。

むしろ問題は攻撃の組み立てのほうで、ポゼッションをとったあとにゆっくりに攻め上がるにしろショートカウンターを狙うにしろ、最初の1本目、2本目のパスがミスになって、あっけなくボールをロストしてしまうというシーンが非常に多かった。そのせいでチャンスの数そのものが減ってしまったし、上下動が異常に増えていたずらに運動量を消費してしまって、終盤にスパートをかけることもできませんでした。後半アタマからアンカーに礒金さんを入れてボールの流れを整理しようとしましたが、その礒金さんが"B面"だったこと、サイドに出た鴨ちゃんが思うように強みを活かせなかったことも誤算でした。

後半になって前線のポジションを入れ替え、フォアチェックの意識を高めたことで、前半の2本に比べて後半は5本と、シュートの数そのものは増えました。が、ゴールエリア近くまで接近してから狙うか、あるいはボックス外からミドルシュートかという感じになって、チャンスらしいチャンスには見えなかったのが残念でした。アタッキングサードで細かくつなぐのが悪いわけじゃないんですけど、狙ってるパスじゃないんですよね。なんとなく"あの辺"に向けて蹴ってる、という感じで、ちょっと意識が薄弱だったように思いました。あれじゃ相手はコワくないよな。

前節・浦和戦よりは攻め手は増えましたが、もっと強烈にゴールを意識するべきです。アウェイ新潟戦(5失点)のような暴発があるにせよ、18試合で23失点という数字は決して悪くない。守れてはいるわけですから、アタッカー陣はもっとゴールを目指して怖さを出して、貪欲に狙っていってほしい。負けることはもとより、無得点で終わるのって結構堪えるんですよね。喜ぶ場面が一度もなく終わっちゃうわけだから。その部分は、このチームにとってはシーズンを通じての課題ではありました。

さて、ごひいきの上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。カップ戦に続き、リーグ戦でも18試合/1620分をフル出場となりました。リーグ戦のフルタイム出場は、加入5年目ではじめてですね。リーグカップの2度のBYEウィークを除いて毎週稼働していますが、ケガもコンディション不良もなく立派に走りきってくれました。

全体的にパスミスが目立ち、それぞれが強みを活かしきれなかった試合で、上野ちゃんも例外ではなくほとんど守備に忙殺されました。左サイドの守備では仙台をよく抑え込んでいましたが、ビルドアップの流れでポジションをあげようとした刹那にボールロストして裏を狙われたりもして、翻弄されることが多かったです。なので、取り立てて特筆するような働きはできなかったかな。キャプテンとしては、こういう場面でチームを上向かせる"何か"を欲しいというところでしょうけど、そのへんはまだ経験値が足りないかなという感じもしました。

チームキャプテンに就任して初めてのリーグシーズン。左腕の赤バンドもだいぶサマになってきました。キャプテンマークは第3節の伊賀戦から今のデザインに変わった(トップチームと同じになった)んですが、使い込んでビッグオミニもだいぶ擦り切れてきましたね。1年間の激闘の証でしょう。大きなプレッシャーと闘い続けたシーズンも、あとわずかです。

3週のブレイクを経て、いよいよ皇后杯が始まります。今年の初戦は新潟・新発田開催。一発勝負のプレッシャーは相当のものだし、出場チームはどこも強豪ぞろいですから、厳しい戦いになります。が、このチームで戦えるのもあとわずかです。悔いのない戦いとして、楽しんでシーズンを終えてほしいと思います。"二冠"を目指して、がんばりましょう!

つくばFCのシーズンも残りわずかです

長いようであっという間だったリーグ戦が終わり、つくばFCの男女トップチームは束の間の落ち着いたオフ期間になりました。シーズンそのものはまだ終わっていませんが、リーグ終盤戦を簡単に振り返ろうと思います。

初の優勝争いを見事に闘い抜いた【ジョイフル】

ジョイフル本田つくばFC
第51回関東サッカーリーグ1部 全日程終了 2位(勝点41、13勝2分3敗、得失点差+27)

VONDS市原との優勝争いを繰り広げ、高い緊張感の中でリーグ終盤戦を戦ったジョイフル。第6節で市原が流経大FCに敗れて自力優勝が復活し、1ポイント差で第8節にアウェイでの直接対決に挑みましたが、痛恨の逆転負け。リーグ優勝の可能性は潰え、同時に今季のJFL昇格の可能性も消滅しました。

負傷離脱していたボランチの小黒が復帰しで攻撃に厚みが増し、終盤6試合中5試合で複数得点をマーク。橋本に代わってコンビを組んだ塚本は攻守のバランス感覚が非常に優れていて、堅牢な最終ラインと活発な攻撃陣とを結ぶリンカーとして大活躍しました。守備陣は6試合中4試合を完封。攻守が噛み合ったチームは後期7連勝を果たし、首位を走る市原に強烈なプレッシャーを与え続けました。

シーズン通算43得点は、市原(44得点)に次いで2位。エース池田は最終節にPKによる2ゴールを積み増して通算14ゴールとし、リーグの単独トップスコアラーを獲得しました。アシストも6つ記録し、名実ともにジョイフルの高い攻撃力をけん引してくれました。また17失点はリーグトップで、センターバックにコンバートされた深澤とボランチの塚本のセンターラインがハマッた形。平均失点も1.0を下回り、チームの躍進を支えました。

最終的に優勝することができず、昇格の望みがなくなってしまったことは本当に残念で悔しいですが、選手たちからも「今年はチームが大きく変わった。みんな自信をもってやれている」という声が聞こえてくるとおり、シーズンを通して「強いつくば」を強烈に印象付けたのは間違いありません。なにより「今年はサッカーをやっていて本当に楽しかった」という選手が、出場機会の多寡にかからわずとても多かった。アマチュアとはいえ非常に高いレベルと緊張感の中でリーグ戦を戦い、チーム全体で気持ちを切らすことなく最後まで闘い抜いた。その気持ちの強さやモチベーションの高さは、スタンドから見ていてもひしひしと伝わってきました。

このチームで全国大会を戦えないのが本当に残念で仕方ありませんが、来年につながるシーズン終盤戦であったことは間違いないし、来季に向けて決意を新たし、さらに戦力と環境を充実させて、また1年しっかり戦ってくれるものと信じています。

残留決定とならずも成長の兆しを見せる【レディース】

つくばFCレディース
2017 プレナスチャレンジリーグ プレーオフ 全日程終了 12位(勝点0、0勝0分3敗、得失点差-8)
第39回関東女子サッカー選手権 第7位 皇后杯本大会出場権獲得

プレーオフで下位グループにまわったレディースは、短期決戦の3試合でよもやの3連敗。3年連続で入替戦にまわることになってしまいました。JFAアカデミー福島との初戦で0-4の大敗を喫した時点でかなり不利な状況になってしまいましたが、その後も勝ち点を詰めずに総合順位で最下位に。厳しい残留争いが続きます。

プレーオフの3試合はすべて現地で応援してきましたが、8失点という守備もさることながら、ひとつも得点を奪えなかったことがショックでした。初戦の福島戦はショートカウンターから決定機もあり、さらに北海道戦では丁寧なビルドアップからのチャンスシーンやサイドを広く使った攻撃バリエーションも見せて、得点の気配や決定機はそのものは作れていました。いましたが、結局はラストパスやシュートの精度、ボックス内での一瞬の判断などの差で相手を上回れなかった。最後の福岡戦は激しい雨と寒さの中での厳しい試合だったとはいえ、チャンスシーンそのものが少なく、3失点という結果もあってショッキングなゲームになりました。大変に苦しい3週間になってしまいましたね。

一方で、プレーオフの翌日からはじまった皇后杯の関東予選では、ベスト8に進出しながらも昨年の続き第7代表決定戦までもつれました。延長戦からPK戦まで戦う「フル残業」となりましたが、しぶとく粘り強く戦い続けて競り勝ち。昨年は逃してしまった皇后杯本大会への最後を切符を、今年はしっかりと掴み取りました。

プレーオフ3試合ではゼロだった得点が、皇后杯予選4試合では毎試合の合計6ゴール。PK戦が3回あって記録上は「3分1敗」ではありますが、得点が獲れるようになったこと、そして何よりビハインドの状況でも気落ちすることなくひたむきにゴールを目指して闘い抜いたことは、目に見える大きな変化でした。遠藤や藤井など負傷離脱していた選手も復帰してきてメンバーも揃いつつあり、守備が徐々に安定するとともに攻撃陣も活性化されてきました。試合内容としてはいまだ苦しいものがあるにせよ、本大会と入替戦に向けて非常に期待を抱かせてくれる状況になっていることは間違いありません。

ジョイフルもレディースも、このあとはしばらくオフシーズンになります。激闘が続きましたから、まずは疲れた体をしっかり休め、心身ともにリフレッシュしてもらえればと思います。そして、この中断期間を有効に使って、チームとしての結束を再度高めて、最後の戦いに臨んでほしいと思います。

ジョイフルの公式戦はKSL市原カップを残すのみとなりました。関東リーグ1部と2部に所属する20チームが参加するカップ戦。その後につながる大会ではありませんが、来季に向けての準備がすでに始まっているのを考えれば、特に若手にとっては実力をアピールする重要な大会ということになります。特にアタッカー陣には、今季はなかなか出場機会をつかめなかったプレイヤーが多くいるし、そのいずれもポテンシャルは高いものを持っています。来年3月の天皇杯予選、来季の関東1部リーグに向けて、気持ちを新たにして臨みたいところです。

レディースは、まずは10月末からの皇后杯本大会に挑みます。全国各地域の予選を勝ち抜いてきた強豪が集う一発勝負のノックアウトトーナメント。出場チームはどこも強いですが、しかしハイレベルな関東を闘い抜いてこの場にたどり着いたつくばFCにだって、互角以上の戦いができるチャンスはあると思います。実力をしっかり出し切って、そして何よりせっかくの全国大会を存分に楽しんでもらいたいと思います。ジョイフルは残念ながら全国大会進出を逃しましたが、代わりにレディースが全国に連れて行ってくれるのいうのが本当に嬉しい。僕としても、1回戦を戦う機会はなかなかありませんから、しっかり楽しんでこようと思います。

そして12月には、チャレンジリーグ残留をかけた入替戦を戦います。これがラストチャンス。崖っぷちですが、前述のとおり僕自身は全く悲観していません。入替戦まではまだ2か月ありますし、さらに離脱者も復帰して戦力を充実するでしょう。ポテンシャルの高い選手がそろっていることは分かっているので、ケガなくメンバーがそろえば十分に勝機はあります。やれることをやりきって、シーズンの最後、ホーム・チャレスタで笑顔で終えるだけです。

遠征クライマックス

つくばFCの男女トップチームのリーグ戦が終わり、ジェフレディースもリーグ戦は残り1試合。ようやく忙しかったシーズンも少し落ち着いてきました。ジェフのトップチームは、残り7試合の時点で6位横浜FCまで10ポイント差と、プレーオフ進出は今年も厳しそうな状況。ジョイフルの市原カップはその名の通り市原市での開催なので近場。となると、遠方への遠征は女子チームの数試合のみということになります。

ただ、どれも現時点で試合会場がはっきりしていないのがコワいところですね。皇后杯は今週中にも組み合わせが発表されると思いますが、「負けたら終わり」なので先走って手配してしまうわけにもいかないし。またつくばFCの入替戦は12/9(もしくは10)にアウェイゲームがありますが、対戦相手が決まるのがなんと11/26なんです。試合の2週間前なんですよ。交通の手配が間に合わなかったらどうしてくれるんだ。

各チームとも公式戦は残りわずか。今年のチームを見られる機会も少なくなってきました。それぞれに目標があって、上を目指したり来年につながるよう精いっぱい戦っています。たくさんのチームを追いかけるのは大変だけど、言わずもがなどれも真剣勝負。気力と体力を振り絞って、残り少ないシーズンを走り抜けようと思います。

小さいiPhoneがほしいのに

毎年秋の恒例になったAppleの新製品発表会が今年も行われ、新製品「iPhone8/8Plus」と「iPhone X」、それに「Apple TV 4K」「Apple Watch Series 3」が発表されました。事前に多くのリーク(という名の単なる情報漏洩)が出回っていていろいろと予測はされていましたが、あらためて公式情報を眺めると、よくもまぁ毎年これだけの新機能/性能を詰め込んでこれるものだなと。テクノロジーの進化やエンジニアの探求心には舌を巻きますね。 

[Gizmodo]今日アップルが発表したものすべて
[LifeHacker]iPhone 8/iPhone 8 Plus、知っておくべきことすべて
[Engadget]iPhone 8/Plus発表。「いつも通りの使い勝手」を保ちつつ最新世代の性能を備えた新主力機
[Engadget]iPhone X正式発表。次世代感満載の超狭額縁デザインに5.8型有機EL画面と最新技術を結集
[Engadget]Apple Watch Series 3発表。音声通話も可能なLTE通信対応で実用度アップ、処理速度は70%強化

前世代との比較を見てみると、機能面では魅力的な進化が多いです。プロセッサの高速化はもちろん、ディスプレイとカメラの進化、バッテリーもやや長寿命になっています。ワイヤレス充電も対応していますが、僕の生活スタイルではワイヤード充電のほうが合ってる気がしますね。ただこれも使い方次第で、車内で使うときなんかは便利かも。

とはいえ、僕はこれらの新iPhoneを買う気はそれほどありません。理由のひとつは単純に「高いから」。8万とか12万とか、ポンと出すレベルの値段ではないなーっていう。普段からいろいろと切り詰め切り詰めして生活していますが、その切り詰めたお金は別にiPhoneのためのものではないしねって思うので。

もうひとつの理由は、本体サイズが大きいからです。僕は2年ほど前に格安SIMに変えて、そのタイミングで中古のiPhone5sにしたんですけど、iPhone7が発表されたタイミングにもかかわらずわざわざ5sにしたのは、4.0inchサイズのモデルが欲しかったから。4.7inchサイズだと大きすぎて片手で操作できないので、ちょっとシンドイのよね。機能的にはまぁ十分で、5年落ちになった今でも元気に動いてくれています。

新しいiPhoneの発表と合わせて、4.0inchモデルが出てくれないかなーと毎年期待しているんですけど、まるっきりその気配はないのですよね。いうほど需要がないんだろうな。僕のiPhone5sも、だんだんバッテリー寿命に近づいている気がするし、iOSもいよいよ来年あたり更新打ち止めになりそうだし、Appのサイズが年々大型化してストレージもキツキツに(なんせ16GB)なってるので、そろそろ買い替えないととは思うのです。現状では唯一の4.0inchモデルである「iPhone SE」が値下げしていよいよ3万円台になるということなので、結局はこれしかないのかな。

Appleさん、小さいiPhone出してくれませんかね。

なでしこ1部第11節 初ゴール記念日

2017 プレナスなでしこリーグ1部
第11節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース〇1 - 0●AC長野パルセイロ・レディース
2017/08/19(Sat.) 17:00 長野Uスタジアム
6位(勝点15)→5位(勝点18)

歓喜の優勝から1週間が経ち、早速リーグ戦が再開しました。10試合を経過した時点でジェフレディースは5勝5敗の6位。目標に掲げた「シーズン10勝」を達成するにはなかなか大変な状況ですが、大きな成果をあげた勢いをもって、残り8試合を一気に駆け抜け、上位進出を狙います。再開初戦は長野とのアウェイゲーム。僕自身はじめての南長野ということで、真新しいスタジアムを楽しみに行ってきました。

昨シーズン1部に昇格した長野とは、今季のカップ戦を含めてここまで5回対戦。そしてその全てでジェフが勝っています。日本代表選手を擁し、ベレーザINACにも引けを取らないサッカーで昇格初年度で3位と大躍進したチームですが、ジェフはなぜか勝てている。果たしてその流れがこの試合でも続くことになりました。

前半は圧倒的にジェフ優位の試合展開。大心臓の瀬戸口さんを中心にして、前線と両サイド、さらに両サイドバックまでが攻撃参加し、面白いようにボールがつながる理想的な展開でした。コーナー5本、直接FKが8本という数字が、いかにゲームを支配していたかを物語っています。それでもシュート自体は4本とフィニッシュチャンスまで持ち込むのには苦労したし、流れからの得点は奪えずじまい。頼れるフィニッシャーがいないというのは、全員がゴールを意識できる反面、決定機をモノにできないことが多いという側面もあって、なんとも難しいものです。

この試合、昨年からずっとボランチで起用されてきた"鴨ちゃん"こと鴨川実歩が、ひさしぶりにツートップの一角で起用されました。元々はアタッカーとして"次世代のエース"を期待されていただけあって、ゴールに向かう積極性と得点感覚・嗅覚は健在。前半から何度も長野の最終ラインの背後を取り、決定的なチャンスを数多く演出しました。後半にはゴールまで2mの位置で絶好のパスを受けて、あとは押し込むだけ!というシーンまであったものの、残念ながらゴールはならず。ただ、ボランチで培ったバランス感覚も相まってプレーが非常に洗練されていて、大きな存在感を示したことは確かです。

この日のジェフレディースの選手たちは、みんな自信をもってプレーしていました。カップ戦で優勝し、ブレずに続けてきたサッカーで大きな成果を挙げたこと、強豪チームを相手にしてもロースコアでも勝ち切ってきたことが、「自分たちはやれる」という自信につながっているんでしょう。ボールを持つと迷うことなくルックアップしてゴールを目指すし、周りも仲間を信じて果敢にオーバーラップを仕掛けています。勝つことが、選手とチームを強くしてきたということですね。

さて、ごひいきの上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。休みなく毎週稼働していますが、しっかりコンディションを維持してフルタイム出場を続けています。今年は最終ラインに負傷離脱がほとんどなくて、同じメンバーで守備を安定させることができています。一番後ろがしっかりしているというのは、チームにとってのはとても大事なことですね。

左サイドの相方が深澤さんになったり成宮になったりと状況がいろいろ変わりますが、基本的にはラインをしっかり保って、ミドルサードから後ろのディフェンスを安定させるのが最優先事項になっています。攻撃参加は、前が成宮になったときのほうがやりやすいみたいですね。今回はジェフがポゼッションを多くとれたので、普段より積極的に前に出て左サイドのアクセントになっていました。

後半40分、左からのCKがグラウンダーで流れてくると、ファーサイドから一気に距離を詰めて左脚でハードヒット。中野の左足に当てられましたが、そのままゴール右隅に吸い込まれていきました。

なんというか、ちょっと信じられなかったですね。CKのときに、今までより1列前にいてセカンドボールに備えているのは分かってたんですけど、そんなオプションがあるとは思ってなかったので。一瞬遅れて、シュートしたのが見慣れたポニーテールだと気づいたときには、もうボールはゴールに入ってました。なので、ゴールそのものの喜びと少しの混乱とがダダッときちゃって、ちょっとしたパニックにw

とはいえ、言うまでもなくすっごく嬉しかったです。せっかくカメラ持ってってたのに、すっかり忘れてわーわーはしゃいでしまったw 上野ちゃんの個人チャントもようやく初披露!ちょうどこの日の試合前に、集まったサポで個人チャントを練習してたんですが、それが通じたのかね。

だって、ずーっと待ってたんですよ。あれはもう3年も前のことですけど、臨海でのナイトゲームのあとに力強く「チャンスは少ないかもしれないけど、でもゴールは常に狙ってるんで!」って言ってくれたんですよね。今でもはっきりと覚えてます。昨年はダンマクにも「点を獲る!」って書いてくれました。変なプレッシャーをかけても良くないと思って、本人と話すときはあまり話題にしませんでしたけど、やっぱりずっと期待してた。それがアウェイの、しかも反対側のゴールっていうのはなんとも"らしい"ですね。待ちに待った瞬間をこの目で見られて、本当に嬉しいです。

今年は昨年ほど試合を見に行けてなくて、ホームゲームすら欠席することもあって、太鼓のおねーさんに「来ないと上野が点決めちゃうよー?」って脅されまくってますけど(笑)、でも一生に一度の「初ゴール」をちゃんと見られて良かったです。本人も嬉しそうでしたね。

この上野ちゃんのゴールが決勝点。リーグ後半戦を幸先よく勝利でスタートできました。シーズン10勝という目標を達成し、ひとつでも上の順位で終わるために、これからもみんなでしっかり戦っていきましょう。

なでしこL杯1部決勝 どこまでもジェフレディースらしく

2017 プレナスなでしこリーグカップ1部
決勝 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース〇1 - 0●浦和レッドダイヤモンズレディース
2017/08/12(Sat.) 19:00 味の素フィールド西が丘

あの悔しさから1年。ジェフレディースが再び決勝戦の舞台に戻ってきました。日本女子サッカー三大タイトルのひとつ「プレナスなでしこリーグカップ」を賭けて、西が丘での頂上決戦。昨年ベレーザに敗れて準優勝に終わった雪辱を果たすために、強い気持ちで臨むファイナルです。トップチームの試合が前日金曜日だったこともあり、いつもより多くのサポーターがゴール裏に集まりました。

決勝の相手レッズレディースには、今季リーグ戦第2節のアウェイゲームで2-3で惜敗しています。チームとしての彼我の差をそれほど大きく感じる試合ではなかったものの、スペシャリティと高いクオリティを持つ選手をそろえるレッズレディースの攻撃を抑えきるのは容易ではない。かといってボールポゼッションを多く取れるわけでもない。ならばどうするか。

簡単なことでした。「技術の差を、運動量の差で埋める」。それは、前任のジャンボ上村監督の時代から現在の三上監督まで、脈々と受け継がれているジェフレディースのDNA。労を惜しまないフォアチェックと、ライン際までボールを追い続ける粘りと、身体をぶつけ脚を出し相手に楽をさせないしつこさ。そうやってジェフレディースのサッカーはできているのです。

ポゼッションも技術的なアドバンテージも、やはりレッズのほうが圧倒的に上でした。猶本も柴田も筏井さんも、塩越も菅澤さんも、みんなめちゃめちゃ巧いです。パスやキックの精度も、ポジショニングとカバーも一級品ばかり。それでも、にっしーは我慢強く菅澤さんに張り付いて決して自由にさせなかった。サクさんは的確なカバーと見事なスライディングでピンチを芽を摘んだ。美里さんと上野ちゃんも両サイドでボールをかき出しつづけたし、根本さんは終始安定したプレーを見せてゴールを守り抜きました。

前線でも、成宮が前半から前線で走り続け、深澤さんがいつもように頑張り、後半は安ちゃんがダイナモぶりを見せ付けてレッズの中盤とバックスにプレスをかけまくりました。これが最終盤になって大いに効きました。残り15分を切って、レッズの選手たちの脚が明らかに止まりましたからね。

延長も見えた後半追加タイムに、中央をドリブルでスルスルと上がった瀬戸口さんが、満を持しての左脚一閃。平尾の左手をかすめてゴールポストの内側にヒットしたボールは、そのままネットを揺らしました。ゴール裏は大爆発でした。あの瞬間の景色と興奮は、いま思い出してもゾクゾクします。

それから1分半の時間をきっちりクローズして、待ちに待った「優勝」の瞬間へ。嬉しかった。本当に嬉しかったです。チームとしてはじめてのタイトル獲得を、その真ん中で体験できて、みんなで喜ぶことができた。選手とコーチ陣とスタッフと、大勢のサポーターの必死のがんばりが報われて、本当に良かったです。
僕はジェフレディースの試合に通うようになってまだ5年目と浅いし、普段はメインスタンド見ているようなぬるいサポーターですけど、それでも想いを込めて応援してきたチームの選手たちが喜びを爆発させているのを見られたのが嬉しかった。おめでとうジェフレディース!悲願の日本一だ!!

思えば、一番大事だったのは「いつもと変わらない」ことだったんだなと思います。決勝だからといって、変に気合を入れすぎない。普段どおりに準備をして、いつものように試合に入り、ずっと積み上げてきたサッカーをする。選手全員が共有する「走る、闘う」の哲学を貫いて、ホイッスルが鳴るその瞬間までひたすら走ってひたすらファイトをし続けた。サポーターも、これまでと同じように横断幕を準備してアメグレを歌い、変わらず熱く応援する。みんながいつもどおりに「らしさ」を出し切ったことが、一番の勝因だったんだろうと思いました。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんです。

サイドバックでフル出場。これで今季のカップ戦は、10試合を900分フルタイム出場ということになりました。アタッカーが比較的充実したことと同じポジションにバックアップが見込めないことで、昨季のように試合途中にポジションを前に上げることはありませんでしたが、それでも攻守の両面で存在感を発揮し続けた大会になりました。

勝戦でも、レッズレディースの強力な攻撃陣を前にして一歩も引かず、終始冷静な対人守備とカバーリングを貫徹。準決勝と決勝を通じて左サイドを決定的に崩されることはありませんでした。大舞台での2試合連続完封は本当に見事です。
守備に重きを置いた分攻撃の強みを発揮する場面はそれほど多くはありませんでしたが、それでも後半にショートカウンターから中央のボックス手前までオーバーラップするシーンもあって、隙あらば狙っているぞという積極性を見せてくれて嬉しかった。

後半AT、中盤でのプレスから奪ったボールが瀬戸口さんに渡るのを見るや否や、左サイド奥のスペース目掛けておよそ50mの激走フリーラン。これに木崎が釣られてシュートコースが空き、瀬戸口さんの決勝ゴールを呼び込みました。90分を超えてもあれだけのロングスプリントができる。これこそが上野ちゃんの真骨頂です。その強みが、最高の形で結実しました。

今シーズンのはじめ、自身の環境が変わる最中に並々ならぬ決意で身に着けた、左腕のキャプテンマーク。ジェフレディースの初めての優勝カップを、最初に高く掲げる権利を、ずっと応援してきた選手が手にできたというのが、何よりも本当に嬉しかった。ゴール裏でのセレブレーションで、両手でカップを高々と突き上げる上野ちゃんのはじけるような笑顔が、とっても印象的でした。でんぐりのときの「せぇーの!」の掛け声も、いつもよりハイトーンでしたね。「私たち!ジェフ!」も目の前で見られて、最高の時間でした。

長らく勝てていなかったレッズに勝って、優勝カップを勝ち取ることができて、本当に良かったです。リーグカップはこれで終わりますが、すぐにリーグ戦が再開します。リーグ戦は残り8試合。ひとつでも上の順位でフィニッシュできるよう、変わらず応援していこうと思います。


つくばFCも夏休みです

梅雨もとうに明け、学生はもう夏休み。会社勤めの人たちもお盆休みが近づいています。つくばFCの男女トップチームが所属する関東サッカーリーグプレナスチャレンジリーグも、夏の中断期間に入りました。シーズン中盤を振り返ると共に、終盤戦の戦いを展望してみます。

苦難に耐え優勝争いを続ける【ジョイフル】

ジョイフル本田つくばFC
第51回関東サッカーリーグ1部 後期第3節終了 2位(勝点26、8勝2分2敗、得失点差+15)
第53回全国社会人サッカー選手権東予選 2回戦敗退

ジョイフルはリーグ戦の3分の2を消化して夏の中断期間に入りました。後述する全社予選での大敗後に2分1敗とやや失速しましたが、後期に入って3連勝と復調。首位のVONDS市原との直接対決で敗れたのは痛手でしたが、しかし未だ4ポイント差で2位を快走しています。残り6試合となった現時点で、3位の那須とは4ポイント差(市原と8差)、4位横浜とはさらに2ポイント差(同10差)で、得失点差も市原に次ぐ2番手に位置しているので、優勝戦線では2チームがやや抜け出している形です。

前回の中断後すぐの失速は、ボランチの小黒とセンターバックの山崎が離脱したことが大きく影響していました。強固なディフェンスラインを形成する核となっていた山崎に加え、攻守両面でチームの大心臓である小黒が同時に抜けてしまったことで、ジョイフルの最大の強みである中央の硬いと迫力が失われてしまいました。失点数が暴発することこそなかったものの、チーム全体でカバーした結果として攻撃力にも影響が出てしまい、支配率とスコアの面で相手を圧倒することが難しくなってしまいました。

後期に入って、中央にコンバートされた深澤が持ち味のカバー精度を発揮し始め、また中盤では塚本や平賀が躍動するようになり、相手関係もあって勝ち点を順調に積み重ねています。先発を獲得したGK西尾もしっかりと本領を見せて勝利に貢献しています。ただ、「強い攻撃と堅い守備」の両立を取り戻すには至っておらず、上位との対戦を前にして不安要素があることも事実。
ですが、ジョイフルが優勝争いに絡んだまま夏を迎えるのは初めてのこと。現状では首位市原を射程圏におさめている唯一のチームです。これを起爆剤にして地域を盛り上げ、より多くのサポーターを集めて追撃体制を強めたいところです。

一方で、JFL昇格へのもうひとつの道である全国社会人サッカー選手権の出場を逃したことは、非常に大きな衝撃でした。市原のセカンドチームに対して、立ち上がりに大量失点を喫しての大敗。悪い夢でも見ているかのような感覚で、悔しいというか、試合後にはしばらく呆然としてしまいました。前日にJ1鹿島との練習試合をこなしていてその疲労が色濃く出てしまったのか、1週のブランクが悪いほうに作用してしまったのか。昨年躍進を遂げた大会への切符を手にすることはできませんでした。

小さな希望を見出した【レディース】

つくばFCレディース
2017プレナスチャレンジリーグEAST 全日程終了 6位(勝点7、1勝4分10敗、得失点差-24)

レディースのトップチームはレギュラーシーズンの全日程を終了しました。チャンスも作り得点もそれなりに奪いながらも勝ち星に恵まれず、大変に苦しいシーズンになりましたが、最終節のホーム大和戦で待望の今季初勝利。はじけるような笑顔と嬉し泣きのあふれる中でバンザイ三唱して、いい形で区切りを迎えることができました。ひとつの光明を見出して、1か月半の中断期間に入りました。

15試合で7ポイントという成績は一昨年と同じですが、34失点という数字が示す通り、守備の安定性を著しく欠いたことが低迷の原因であることは、言うまでもありません。今季就任した内田監督は、どちらかというと中盤と最終ラインでブロックをきちんとセットして、ポジションとビルドアップを確立するところからサッカーを始めるタイプの指導者でした。そういうタイプのサッカーを指向しているのに、肝心の守備が巧くいかないのでは、そもそもサッカーにならない。主力級の長期離脱が重なったことも影響して、内田監督の得意とするサッカーを表現できたことは、残念ながらただの一度もありませんでした。

ただ、悪いことばかりだったわけではありません。エース豊嶋の絶対的なスピードは健在で、その強みを活かした得点を6つも獲得しました。シーズン6得点は、つくばFCレディースの個人記録としてはCL昇格後最多です。またゲームメイカーの亀井は、守備面での不安が拭えず先発出場の機会を減らしましたが、それでもその攻撃センスはチームのリズムを大きく変えましたし、やはり必要不可欠な戦力です。他にも、攻守で懸命にファイトし続ける三間、スランプと脱しつつある井上藍、ようやくコンディションが上がってきた水島など、今後に向けての好材料は多いと思います。

観客動員のおはなし

男女ともホームゲームは9月の1試合ずつを残すのみとなりました。ここまでの観客動員を軽くまとめてみたところ、有料試合ベースでは男女とも昨シーズンから大幅な動員増となっています。チャレスタに通っていても徐々にファンが増えているような感覚はなんとなくありましたが、数字の上でもそれが裏付けられた形。いわゆる「固定客」もけっこう増えたんじゃないですかね。

今季はつくば駅周辺で街頭PRを実施したり、マッチデースポンサーも多く付けて、いろんな方面から「地域に名前を売る」ためのアプローチを展開しています。筑波大学筑波学院大学などの近隣大学とも協業して、多方面にPRをしているし、街中でつくばFCのフラッグを見る機会も増えてきました。今季は特に女子の競技成績が上向かず苦戦しましたが、それでも有料入場が増加しているのは、こうした施策が奏功したことの証左に他なりません。

9月の2試合は、男女ともシーズン佳境の重要な試合になります。ここでいま一度しっかり地域にPRして、できるだけ大勢の観客を迎えてシーズンを締めくくりたいところですね。

いざ、『クライマックス・セプテンバー』へ

男女ともいよいよシーズンの最終盤を迎えます。何よりも『結果』の求められる9月決戦は、ホーム開催が少なく地の利が活かしづらい難しい環境。それでも、なりふり構わずに勝ち星をあげていくしかありません。

2週間のサマーブレイクを挟むジョイフルは、残り6試合をノンストップで戦い抜きます。終盤になるに従って1試合ごとの価値もグイグイ上がっていきますが、勝負どころの6節・8節・9節に上位との対戦が組まれているというタフなスケジュールです。重要でない試合などひとつもありませんが、まず中断明けの2試合、下位の日立ビルとさいたま相手にきっちり6ポイントを獲ることが大事。続く2試合をしぶとく戦って首位に食らいつき、満を持した状態で首位・VONDS市原とのアウェイゲームに臨みたい。

このチームがJFLに昇格するには、強豪ひしめく関東1部で優勝するしか道がありません。優勝できなければ、2位も6位もかわらない。強い気持ちと力を結集して、唯一無二の目標を達成できるよう戦い続けましょう。

レディースは全国リーグ残留をかけて、3試合の超短期決戦に挑みます。プレーオフで残留の権利を勝ち取れるのは、4チーム中上位2チーム。そのためには、2勝か、得失点差を稼いでの1勝1分が必要です。今季これまでの戦績を考えると相当ハードルが高そうに見えますが、しかしレギュラーシーズンの結果はもはや関係ありません。数字の上では完全に横一線から再スタートするサバイバルです。夏の中断期間に技術とチーム力を蓄え、前を向きゴールを奪い勝利を目指して、全力で戦うのみです。

また9月下旬からの皇后杯の関東予選がスタートします。一昨年・昨年と「あとひとつ」が勝てずに本大会出場を逃してきました。今年こそその壁を打ち破りたいところです。

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J2第18節/なでしこL杯1部第3節 "普通"のための、普通じゃない努力

2017 明治安田生命J2リーグ
第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△アビスパ福岡
2017/06/10(Sat.) 13:00 フクダ電子アリーナ
14位(勝点23)→13位(勝点24)

2017 プレナスなでしこリーグカップ1部Aグループ
第3節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース〇2 - 1●AC長野パルセイロ・レディース
2017/06/10(Sat.) 17:30 フクダ電子アリーナ
1位(勝点3)→1位(勝点6)

共にトップリーグで活動する男女のチームを保有するジェフが、はじめて男女のダブルヘッダーを開催することになりました。ダブルヘッダーというのは、同じ日・同じ会場で2試合を開催するということで、この日は13時から男子トップチームのJ2の試合を、そのあと17時半からレディースのなでしこリーグカップの試合を開催するというスケジュール。男女同時開催は過去にアルビレックス新潟が何度か実施していたり、つくばFCはもう何度も経験しているので、それ自体は僕にはなじみのあるもの。ですが、ジェフがそれをやったら何が起きるのか、どうしても時間が空いてしまう試合と試合の間はどう手当てするのか、スタンドは、ゴール裏はどんな雰囲気になるのか、とても興味がありました。ワクワクと若干のドキドキを抱えて、フクアリに向かったのです。

J2の試合が終わる15時までは、まったくいつも通りのジェフのホームゲームでした。この日はヤックス・マッチデーでしたので、大量のサンプリングが詰め込まれてパンパンに膨らんだ買い物袋がそこかしこに見られるのはある種"異様"でしたけど、毎年のことなので見慣れたものです。ヤックスの日は屋台村に人が減って行きやすくなるので、グルメを楽しむにはいい機会なんですよね。ちょうどお昼どきでもあったので、いつもより余計にお金を使ってしまいました(笑)

試合はゴールレスでのドロー。初先発の山本海人がビッグセーブを連発したり、ウェリントンとポッピの強力なツートップにしっかり組織的に対応できたことで無失点。攻撃陣も何度も相手ゴールを脅かしたし、終了間際には大変に惜しいシーンも複数ありましたが、結局は得点を奪えずじまいでした。それでも首位から勝点を獲れたこと、ホームでは変わらず無敗を継続していることは、とても素晴らしいことです。選手が多少入れ替わってもサッカーのクオリティは大きく変わらないというのは大事なことで、エスナイデル監督のコンセプトが少しずつ"チーム全体に"浸透しつつあることの証左でもあります。焦らず、ブレずに続けていくことが、今は大事なんじゃないかな。

ここからレディースの試合開始までは2時間半空いていたわけですが、12JEFでちょっと買い物をし、フクスクとフクアリビジョンでのイベントをちょっとずつ見て、おやつ的にサマナラのカレーを食べたりしてたらあっという間に時間は過ぎちゃいました。16時にはレディースの横断幕を張るお手伝いを始めたし、選手がアップを始めればあとはいつもの「レディースのホームゲーム」。サインボール投げ、選手紹介、選手コール、アメグレ。
違ったのは、MCをJ2から引き続いて蒲田さんと道代さんが勤めてくれたことと、選手紹介が男子トップチームと同じメロディとエフェクトを使って派手になっていたこと。レディースの試合によく行っている僕は、いつもと違う演出にちょっと興奮しましたけど、逆にあまりレディースの試合を見ないという人たちに「いつもの」演出も見てもらいたかったかなという思いもあったりして。まぁわがままなものですね。

試合は前半をビハインドで折り返したものの、後半の2ゴールで逆転勝利。3ゴールすべてが反対側だったので、落胆も歓喜もなんともふわっとしたものになってしまいました。安斎さんはここのところ出場機会を減らしていましたが、大事な試合での途中出場で、ファーストタッチで値千金の逆転ゴール。ヒロインインタビューでは涙ぐむ場面もありました。ホッとしたんでしょうねぇ。長野は昨年1部に昇格していきなり3位に躍進するなど力のあるチームですが、ジェフレディースはなぜか相性が良い。これで通算4度目の対戦ですが、なんと全勝なのです。いつもきまって泊志穂にやられるんですが、最終的にはきちっと勝って終われる。不思議なものです。
僕は珍しくゴールの真裏3列目にいたんですけど、あの位置ってまぁー見づらいですね!慣れてないのもあるでしょうけど、遠近感を奪われてしまってうまく状況をつかめないままでした。ゴール裏はいつもの3倍くらい人がいましたね。公式記録では2181人。男子トップの10497人と比べると見劣りしてしまいますが、それだけに勝って終われて本当に良かったです。

ご贔屓の上野紗稀ちゃんは、左サイドバックでフル出場。リーグ戦、カップ戦ともフルタイム出場を続けています。今シーズンはサイドでの上下動を繰り返す回数がグッと増えたように思いますが、そんなのをものともせずに走り続けています。対人の守備やボールをしっかり見据えてのフェアなチェック、またアタッキングサードの深い位置への走り込み、中盤でのボール捌きなど、プレーの一つひとつが洗練されてきています。コンディションも良好のようで、常に視野を広く冷静にピッチを見てプレーしているし、スプリントの連続になっても90分間しっかり走り切れています。 大学を卒業して新社会人になって、仕事との両立というより過酷な環境になりましたが、それだけにトレーニングや試合に臨む短い時間への集中が冴えてきているのかもしれません。シーズン序盤はチームとして本当に苦しい時期が続きましたが、ここにきて結果が出るようになってきているし、それがサッカーへのモチベーションにつながっているのかも。良いサイクルです。

普段トップチームの試合を一緒に見ている仲間を含め、周りにはレディースの試合を見慣れていないであろう人たちも多くいました。「エンド変えられてもブーイングしないんだね。平和だねぇ」なんて笑いあったりもしましたが、印象的だったのは「ボトルの片付けも選手がやってるの!?」というもの。それどころか、ビブスなどの練習用具を準備したり運んだり、試合後に備品をロッカールームからチームバンに積み込んだり、そんなところまで選手自身がやっています。スタッフの数も満足にそろっていないので、みんな当たり前にやってるんですよね。

ジェフレディースはフルアマチュアのチームです。全員が学業や仕事と掛け持ちしながら、トップディヴィジョンでサッカーを続けている。日本代表"なでしこジャパン"の一員として活躍する山根さんでさえ「職業を訊かれたら『会社員』って答える」わけです。僕はもうすっかりアマチュアサッカーに浸かってしまったので当たり前なんですけど、Jリーグしか知らないと、確かに「驚き」ですよね。そうやってサッカーをしているプレイヤーたちがこんなにも身近にいるのだということを実感してもらえたら、どんなに報われるか。

プロとアマチュアでは、こんなにも違いがある。不便なところ、難しいところもたくさんある。それでもピッチの上で一流のサッカーを目指して走り続けている。そういうところを見て知ってくれて、その意味を考えてくれた人が1人でもいたならば、このダブルヘッダー開催は成功だったんじゃないかなと思います。

レディースの試合が終わって横断幕を片付けてスタンドのゴミを拾ったりなんかして、スタジアムを出たのは8時過ぎでした。J2の試合もなでしこリーグの試合も、いたって普通に終わりました。「何が起こるか」なんて身構えていたので、ちょっと拍子抜けしたくらいです。

でも、その「普通」を作るために、いろんな人たちが駆け回ってがんばっていたのだと思います。運営スタッフはJリーグなでしこリーグの両方の標準をこなすために、普段の2倍以上の神経と集中力を使ったはずです。ボランティアさんやユースの子たちがいつも通りに動けるように、トップ部門とレディース部門で綿密な調整があったと思います。サポーターにしても、トップからレディースへとゴール裏をスムーズに受け渡すために、中心になっている人たちがきちんと話をして段取りを決めて、お互いに気を使って協力しながら"場"を作っていました。そういういろんな人たちの努力があったからこそ、僕はいつも通りに試合を楽しめたんだと思います。

一定の成功を収めて無事に終わった、Jリーグなでしこリーグダブルヘッダー。今季はもう同時開催の予定はありませんが、来年以降また実施されることもあるかもしれません。僕は常々「ジェフレディース vs. レッズレディースの試合の後に、ジェフ vs. レッズの試合をやる」みたいなことができたらいいなーと思っている(現状カテゴリ的に可能なのはヴェルディベレーザとの対戦)ので、実績面でひとつ前例ができたのは嬉しい限り。また同じような機会があれば、楽しみにしようと思います。