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がんばりすぎずにあるこうや。

今年も走ろう!

Yuki Kajiura LIVE Vol.#5 ~日本語封印スペシャルライブ~ 横浜公演 / 横浜BLITZ

2010年の暴れ初め!2週間前にも来た横浜BLITZに、再び行ってまいりました。

今回で5回目を迎える梶浦由記さんのライブは、Vol.#1以来の「日本語封印スペシャル」。つまり、日本語の歌詞の曲は一切やりません、ということ。梶浦さんは、日本語だけでなく、英語やドイツ語、スペイン語、イタリア語、そして"梶浦語"(造語)の曲もたくさん書いているので、こういう曲だけでライブをしてしまおうというわけです。あ、トークだけは日本語ですよ、念のため。

開演早々、トークで「今日は日本語封印ということで、セットリストには日本語の曲が一切ありません。というか、半分以上の曲には意味すらありません」とおっしゃる梶浦さん。いやまさかさすがにそこまでやらんでしょうよ。いくら梶浦さんでも、そこまでひどいことはなさらないでしょう。と思っていたんですが、

本当に半分以上は意味不明だった!!

梶浦語曲が半分以上でした。最初は、梶浦語曲とそうじゃない曲の数を数えてたりしたんですが、途中で梶浦語曲が4曲増しくらいになったので、あきらめました(笑)。

3曲目の「voyagers」は、まだCD化されていない曲で、つまりフルサイズでは初のお披露目。NHKの番組に使われていたので、1分弱くらいのサイズでは聞いたことがあったんですが、改めてフルサイズで聞くことができました。これはすごくよかった。白い雲の中を駆け抜けていくような、とても爽やかな曲で、WAKANAちゃんの"女神の歌声"が最高に心地良い。フルサイズが聞きたいと思っていたけど、まさかこのライブで聴けるとは思っていなかったので、驚きました。

アニメーションのサントラ盤に収録されている曲がほとんどだった今回、僕が知っている曲はごくわずかで、ほとんどは聞いたことない曲でした。けど、そこは「日本語封印」がいいように作用していて、純粋に「音」を楽しむライブ。今回は大半が梶浦語曲だったので、そういう部分がとくに強調された感じでした。

WAKANAちゃんと貝田さんの高らかなハイトーンヴォイスや、KEIKOちゃんのハスキーな低音、KAORIちゃんの表現力たっぷりなヴォーカル。それぞれが全部絡み合って、波のように襲ってくる。そこにピアノやストリングスの旋律が追い打ちをかける。久々に「音の海に溺れる」感覚を思い出して、「梶浦サウンド」の本質を味わうことができたライブでした。すンごかった。

とはいえ、やっぱり「salva nos」「zodiacal sign」「目覚め」といった、お約束の"祭りパート"も健在で、ここはいつもどおりにハジケるところ。

個人的にとても印象に残ったのは、先の「voyagers」と、「Historia : closing theme」「I reach for the sun」の3曲。中音~高音のハーモニーが美しく、歌姫4人のコーラスが引き立つ明るい曲。僕は、こういう明るい曲のほうが好きで、「I reach for the sun」も「エル・カザド」で聞いてからお気に入りでした。歌姫ーズのためのアレンジで聴けたのはうれしかった。

サントラ盤とは違った、4人の歌姫ーズで歌うための特別なアレンジが聞けるのも、このライブの楽しみのひとつです。梶浦さんのつくるアニメーションサウンドには、実に多くのヴォーカリストが参加していますが、ライブに登場するのは4人。楽器も限られている。なので、コーラスやバックサウンドを、ライブ用にアレンジします。そしてそれだけでなく、梶浦さんが調子に乗っていろいろ"曲で遊んだ"結果、CDでは2分しか収録されていない曲が、8分の大作になったりする(笑)。曲が終わったかと思ったら、突然ブレイクが入って再開して、あれまだ続いてたんですか、なんてことはザラです。それがまた面白い。

いろんな楽しさが詰まったライブで、やっぱり僕は梶浦さんの作る音楽が好きなんだなと、歌姫ーズやバンドメンズの奏でる音が大好きなんだなと、また実感するライブでした。年明け早々、いい思い出ができました。

梶浦さんは言います。

今年もまた、いろいろなことがあると思います。
楽しいことも、うれしいことも、たくさんあると思う。それと同じくらいに、きっと苦しいことや悲しいこともあるんだと思うんです。
難しいことだけど、悲しいことや辛いことを、なかったことにしないで、しっかり受け止めて。そういういろいろなことがあって、辛いことも乗り越えて、その先にまた楽しいことがあるんだと思うんです。

そういう思いが込められた曲「open your heart」は、ヴォーカルのきれいなハーモニーと、是永さんの優しいギターソロ、今野さんの流れるようなヴァイオリン、ゆったりと波に乗って漂っているような、素敵な曲。僕が一番好きな曲です。

カーテンコールの後に、もう一曲。歌姫ーズと梶浦さん、ヴァイオリンの今野さんで奏でた「a farewell song」。これは僕は初めて聞く曲だったんですが、別れの曲なのに、すごく温かい。スクリーンに歌詞が出ていて、英語なんですけど、それを見ながら聞いて、なんだかものすごく感動した。別れなんだけど、悲しい別れじゃない。「いい別れ」っていうのが、そこにあふれていました。

・・・・いやいや、梶浦さんのライブがなくなってしまうわけではないですよ?むしろ、「LIVE Vol.#6」をお知らせがあったくらいですから!今度は5月、大阪、横浜、東京、名古屋の4公演。今度は日本語を解禁して、今月末に発売する新曲もやって。

また、楽しみな1年の幕開けです。


セットリストは以下になります。

M01:cynical world
M02:the image theme of Xenosga II

- Talk -

M03:voyagers
M04:key of the twilight

- Talk -

M05:L.A.
M06:ship of fools
M07:once upon a time there was you and me
M08:a song of storm and fire

- Talk -

M09:Alone
M10:Bloody rabbit
M11:Contractor
M12:everytime you kissed me
M13:secret game
M14:maze
M15:canta per me
M16:salva nos

- Talk -

M17:Historia : closing theme
M18:Darklore

- Talk -

M19:Awake
M20:zodiacal sign

- Talk -

M21:媛星
M22:目覚め
M23:MATERIALISE
M24:聖乙女の祈り

Talk -

M25:I reach for the sun

E01:in the land of twilight, under the moon

- Talk -

E02:open your heart

- Talk -

E03:a farewell song