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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第2節 それぞれの役目

2010 Jリーグ Division 2
第2節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●サガン鳥栖
8位(勝点1)→4位(勝点4)

ホーム開幕はワクワク感に満ち溢れたもので、そんな試合に勝つっていうのは本当にうれしいことで、選手たちの笑顔が誇らしい。4ヶ月ぶりのでんぐりとバンザイをやって、勝利の味をじっくりをかみしめたのでした。

とはいえ、試合終了後のエンドトークで、スタジアムDJのガマさんが言った一言が、サポーターの気持ちのすべてを物語っていたのも事実。22勝以上という壮大な目標を達成するのに、こんなところでは躓いていられないとずっと思っていたのは同じで、僕も心底思ったのです。

あー、よかった!

スタメンを振り返ります。GKは岡本。新加入のミリガンがセンターバックに入り、茶野とのコンビ。サイドバックは変わらず右に坂本、左にアレックス。アンカーの山口、その前の佐藤勇人工藤浩平は前節と変わらず。左サイドハーフは深井、右には米倉が入りました。最前線は巻。和田がベンチスタート。他は前節と変わらない顔ぶれです。

前半、試合の入り方は熊本戦とそっくり同じ。どうにも「試合を作る」ってことができてなくて、全体のリズムが噛み合わない。今回の場合、巻の影響は大きかったと思います。前半の巻は、高さだけでなく平面でも基点になろうとするプレーが多かったと思います。が、足元でのとりわけ短いパスのミスがあまりにも多かった。巻が足技があまりうまくないのは周知のことなのですが、それにしてはその役目を求められているのもどうなのかと。ちばぎんでもサイドに流れてクロスを上げるようなシーンもありましたが、個人的には、巻は中央でデンと構えて、クロスボールに突っ込んでいって、その"高さ"を存分に活かしてもらいたいと思うのです。とはいえ、じゃあ誰がやるのよって言われると、巻の代わりっていろんな意味でいないんですよね。なので、時間をかけて熟成していくしかないのかもしれません。

この閉塞感をぶち破ったのは、本当に久しぶりに先発で登場した米倉でした。後半が始まってすぐ、右サイドのバイタルエリアに空いたスペースに、工藤が絶妙のパス。これを米倉は、余裕をもってニアサイドに打ち込みました。パスを受けたその時から、米倉はもう「ここは、打つ!」と決めていた。その思いきりと、工藤と二人で作った時間的な余裕が奏功しました。それからその2分後、今度は佐藤からのパスを同じような形で受けて、2度目は技アリのループ。ずいぶん高く跳ね上がって危うかったんですが、ここは"ボールががんばってくれて"、ギリギリ枠内に収まってくれました。しかし、あそこで「ループを打ってみちゃおうかな、なんて」思えてしまう、その余裕!!昨年、ホームの川崎戦で、同じ右サイドからの1対1を見事に川島にブチあててしまってから1年。メンタル面でも着実に成長しているようです。前半にもポスト直撃のトゥシュートがあったし、得点後もボックスに侵入して低く打ちぬいたシュートがあったし、今回は「米倉の日」でした。これからも頼むよー!

初先発・フル出場のミリガンは、カバーリングで力を発揮してくれました。茶野のコメントにあるように、1対1にあまり強くないらしいミリガンをカバー役に置くことで、アンカーの山口と2人でバイタルエリアをしっかりケアしていました。フィードの精度もなかなかのもので、右深くに走った米倉や工藤に鋭いロングパスを送ること数度。形になるものがなかったのは残念ですが、右でも左でも蹴れるみたいですし、今後前線との連携が熟成して、福元が復帰すると、攻撃のオプションがさらに増えますね。ロングスローもお持ちのようで、これがまた素晴らしい。直線的な鋭いボールが、ゴールの真ん前までひゅー!と飛んでいくのです。これには巻が合わせて惜しいシーンを作りました。TGや試合を重ねてチームにフィットすれば、もっともっと力を発揮してくれるでしょうね。

前半は良さの出なかった巻でしたが、後半は獅子奮迅の活躍でした。最前線から精力的にチェックに行って、ボールを追いかけて、体を張って。米倉に代わって入った太田のクロスに、勢いよく頭から突っ込む「巻らしい」シーンも見られましたし、ネットと変わる間際には、左サイド深くまでしつこくボールを追いかけてカウンターを防ぎました。こういうガムシャラさが、巻の巻たる所以なのです。素晴らしかった。

最後の5分、全体に引き気味になって、鳥栖の波状攻撃を許す形になってしまいました。鳥栖の決定力がそれほど高くなかったことが幸いして無失点でしたが、時間が停まったように、全員が動きを止めてしまった瞬間もあった。ああいうのはホントに怖いです。茶野をはじめ、選手たちも反省しているようなので、次はさらなる情勢を期待しましょう。

次はアウェイで徳島戦。2連勝している相手です。前線のタレントが充実していて、今回以上にキッチリとした守備が求められます。強敵ですが、しっかりと闘っていただきましょう。

[J'sGOAL]【J2:第2節 千葉 vs 鳥栖】レポート