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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第21節 "1-0"の難しさ

2010 Jリーグ Division 2
第21節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△サガン鳥栖
3位(勝点35)→3位(勝点36)

評判高いベアスタを一目拝もうと、ハイシーズンにもかかわらず多くのジェフサポが鳥栖に参戦しました。スカパーの中継でも、アウェイオフセットがあるとは言え、ジェフのゴール裏の応援は大きく聞こえていて、選手には大変頼もしいものだったはず。遠くまで応援に行ってくださった方、ありがとうございました。

スタメンを振り返ります。GKは櫛野。DFラインは、青木良太、茶野、ミリガン、アレックスの4人。中盤は、佐藤と工藤のダブルボランチに、トップ下に谷澤、右に深井、左に倉田。ワントップにネットの4-2-3-1。ベンチには前節・大分戦で好パフォーマンスを発揮した福元がスタンバイ。代わりに中後が遠征に帯同しませんでした。

全体としてゲームをコントロールしていたのは、圧倒的にジェフでした。ポゼッションも高かったし、時間帯によっては効果的にパスをまわして、ジェフのペースで試合を作れていた。今回もトップ下に入った谷澤はよく機能していて、攻撃のリズムにいいアクセントをつけていました。深井も変わらずキレのある動きで右サイドを駆け回っていましたよ。守備陣も、ミリガンと茶野のセンターバックを中心によく安定していて、鳥栖のパワーアタックをよく抑えていました。悪いところを探すのがなかなか難しいゲーム。しいて言えば、「1点しか取れなかったこと」でしょうね。それが一番大事なことなんですけど。

実は、鳥栖は今季ホームでは無敗、しかも2失点したのは1度だけなんですね。昨年は終盤まで昇格争いに絡んでしたし、岸野監督がいなくなったとは言え、チームとしての力は高いと思います。フクアリでは米倉の鮮やかな2ゴールで快勝しましたが、あれからずいぶんと選手も入れ替わっていて、今回の鳥栖のスタメンは、GKを除いてなんと全員が今季新加入の選手。松本監督が新しい戦術をしっかりと浸透させていて、強いチームを作り上げています。シーズンオフに見まくった昨年の鳥栖のゲームは、マイク・ハーフナーと山瀬兄のイメージがけっこう強かったんですが、今季は「とりあえず誰かに渡しておく」のではなく、全員でしっかりボールを回して形を作って、呼吸を合わせて攻撃するというスタイルが定着しているように思います。若い選手や2種登録の選手もいて、個人の技術は拙い部分も当然あるんですが、それを補って余りある組織力を備えている。「チーム」できちんとサッカーをできるチームが、そりゃ強いですよ。サッカーはチームスポーツだもん。

藤田の同点ゴールは、あれは見事なゴールでした。金民友や藤田に寄せ切れなかった、という部分はあるんでしょうが、コースとしてあそこしかないってところに蹴りこまれた。ああいうことが起こっちゃうのがサッカーなんですよね。ようはそういうことが起こる前に、自分たちが点を取れなかったってこと。それが最後まで響いちゃったわけで。

ミリガンが退場して10人になった後、鳥栖に攻勢をかけられて防戦一方になるかと思ったら、とんでもない!すごくゴールのにおいがするほどに、攻めて攻めて攻めまくってました。最後のコーナー2本は、本当に惜しかった。いけるんじゃないか、やってくれるんじゃないかと思わせてくれる、ワクワクするような数分間でした。だからこそ、勝たなきゃいけないゲームだったんですよ。結局は結果に結びつかなかったことが、残念で仕方ないです。

1-0のゲームができないっていうのは、そうなったときに「チームとしてどう試合を運んだらいいのか」の共通認識が出来上がっていないのが原因なんじゃないかと思ってます。試合を決めるためにゴールを狙って攻めに出たい。けど失点してしまったら勝点をこぼしてしまうから、守備にも人数をかけておきたい。そう考えるのはわかるんですが、結局それで中途半端になっちゃうんじゃないかな。例えば守備はセンターバック+アンカーの3人にガッチリ任せて、サイドからがつがつ攻めていく!とか、例えばたった1点のリードを守りきるために、とにかくボールを跳ね返してはじき返して、ゲームをぶっ壊してしまえ!とか。どんな形でもいいから「全員が同じことを考える」ってことができていれば、結果は違ってくると思うんです。交代カードの切り方でベンチからメッセージを送ることもできるでしょうし、明確な方向性を持ってゲームに入っていければ、1-0でも白星を勝ち取ることができるんじゃないかと。

鳥栖との勝点差5は変わりませんでしたが、1試合少ない福岡が3差に迫ってます。つまり事実上の勝点差はゼロ。もう、とにかく「ゴールを奪って、相手に勝つ」ってこと以外、何も求めませんよ。きれいに勝とうとか思わなくていい。内容も伴ったゲームをしてくれなんて言いません。まず昇格。昇格に向けての勝利。勝利に向けてのゴール。それを呼び込むために、熊本戦、精一杯応援しよう。絶対に勝とう。

[J'sGOAL]【J2:第21節 鳥栖 vs 千葉】レポート