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がんばりすぎずにあるこうや。

J1第22節 屈辱メモリアル

2012 Jリーグ Division 1
第22節 名古屋グランパス●0 - 5○ガンバ大阪
名古屋:7位(勝点32)→9位(勝点32)
G大阪:17位(勝点18)→16位(勝点21)

師匠ーーー!!!!
鳥取に向かう前日に名古屋に寄って、グランパスの20周年記念試合を見てきました。一度は行ってみたいと思っていた豊田スタジアム。当日はいろいろなイベントが予定されていて、グルメも含めてどれも楽しみだったんですけど、雷雨の影響で豊田までの電車が止まったりして振り回されてしまい、ほとんど見られずじまいでした。残念・・・・。

両チームのスタメンを振り返ります。ホームの名古屋は、GKに楢崎。バックラインは右から、田中隼磨、ダニエル、増川、石櫃。アンカーにダニルソンを置き、その前に藤本淳吾田口泰士が陣取る逆三角形のトレスボランチ。小川、永井、金崎のスリートップです。対する残留崖っぷちのガンバは、GKの藤ヶ谷以下、岩下、丹羽、今野、藤春の4バック。ボランチにベテランの遠藤と明神、2列目は二川と倉田秋、ツートップはレアンドロ佐藤晃大でスタートです。後半戦に入ってトップ起用で存在感を示していた名古屋のトゥーリオは、警告累積でサスペンション。本来のレギュラーレフトバックの阿部翔平は、前節の低パフォーマンスに対する懲罰でベンチスタート。ガンバは家長がベンチ入りしています。出番があるかと楽しみにしていたんですが。

事前の勉強として、大阪ダービーをオンタイムで、また名古屋と清水の試合を録画で見ていました。大阪ダービーはガンバがしぶとさを見せたものの、残留争いの妙で終盤は低調なゲームになりドロー。名古屋は清水の機動力に押されて逃げ切られ敗戦。両チームとも、どうもあまりうまくいっていない。順位的にも勝点的にも大きく開きがありますが、名古屋の弱点は明らかで、これをガンバがうまく突けばアップセットも十分ありうる、というのが戦前の印象でした。降格圏に沈んでいるとはいえ、ガンバは個々の戦力を見ればやはり一級品なのです。とは言え、ここまで大味な試合になるとは思ってもいませんでしたがね。

前半から全体的な試合のペースはガンバが握っていたように思います。残留争いの真っただ中で、この日も極端な守備シフトを敷いてアウェイゲームに臨んでいましたが、左サイドを中心に速いテンポで攻撃を組み立てて名古屋のゴールを脅かしました。真ん中の遠藤や右の二川も非常にいい距離感でパスを引き出していて、ボックス内に何度も侵入し攻め立てます。これほどリズムよくサッカーができるガンバが、なぜことここに至って17位なんていう下位にいるのか、本当に不思議に思うくらいでありました。ただ、ガンバのアタッカーと名古屋のディフェンス、その「相性」においてガンバの方に分があったというのは、やはり戦前の印象そのままでした。

名古屋の今の弱点は、中央の守備ブロックがアンバランスなことにあります。ダニエル、増川、ダニルソンとタレント的には申し分ないのに、なぜかこのトライアングルがほとんど機能していない。増川がラインコントローラータイプではないこともあり、前後にギャップができやすいんですね。不安定な守備をカバーしようと田口や藤本も下がってきますが、それでも思い切ったプレスをかけられず、倉田やレアンドロのようなスピード・テクニック系のアタッカーにはまったくついていけないんです。2失点目のPKにつながった守備の崩れ方は象徴的ですね。守備陣5人でうまく連携が取れていないのが、最悪の形で表出してしまいました。

攻撃陣はアタッキングサードで常に数的不利を強いられました。前述の通りトレスボランチが守備に奔走してしまうので、カウンターアタックはトップの3人でやるしかない。対してガンバの守備は、4バックに明神を加えた5人が常に待ち受けています。これではいくらなんでも分が悪い。オリンピック帰りの永井は明らかに調整不足で、持ち味の快足は後半の一度きりしかありませんでした。その1回は3失点目直後の決定的なチャンスでしたから、これがモノになっていれば、名古屋の選手にもサポーターにも勇気を取り戻すことができたかもしれない。このプレーを境に、豊田スタジアムのホームゴール裏からは闘志の灯が消えてしまったように見えました。

70分以降、スタジアムに立ち込めた何とも重苦しい雰囲気は、強烈に印象に残っています。誰しも頭を抱え、沈黙し、ため息をつき、太鼓の音が空しく響く。まったくの外野としてバックスタンドにいた僕は、なんともいたたまれず、逃げ出したい気持ちでさえありました。

ガンバはガンバで、この大勝はたまたま"ハマッた"ものと考えたほうがいいでしょう。中位相手に白星をとるためのモデルケースとはなりえないはずです。とはいえ、気持ちの面では浮上のためのひとつのきっかけにはなるかもしれません。順位を16位に上げて降格圏脱出まで2ポイント、目安の35ポイントまでは12試合で14ポイントです。状況は依然厳しいですが、そう悲観するものでもないと個人的には思います。

それにしても、豊田スタジアムは実にすばらしいスタジアムですね。スタジアムそのものに迫力があって、威圧感のようなものを感じました。埼玉スタジアムも同じような規模のサッカー専用スタジアムですが、それとはまったく違った良さがあります。最上段に登ってみると、傾斜がきつくて見下ろすのが怖いくらい。高所恐怖症の虫が顔を出してきましたよw これほどのスタジアムでワールドカップが開催されなかったというのが信じられない。本格的にホームスタジアムに据えないのはもったいないと思いますが、しかし名古屋から電車で1時間以上というのは、やっぱり遠すぎますね。

[J'sGOAL]【J1:第22節 名古屋 vs G大阪】レポート