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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第42節 余裕を持って、自信を持って

2012 Jリーグ Division 2
第42節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 0●徳島ヴォルティス
6位(勝点69)→5位(勝点72)

徳島でのシーズン最終ゲームは、大変な暴風雨の中での試合になりました。テレビで見ててもその激しさが悠にわかるくらいで、現地まで応援に行かれた皆さんは本当にお疲れさまでございました。そんな中でもしっかりと、実にしっかりとサッカーをして白星を掴んで、疲れも少し楽になったでしょうか。風邪などひかれないように気をつけてくださいませ。

スタメンです。GKは岡本。高橋峻希、竹内、山口智、渡邊の最終ライン。ボランチ佐藤健太郎佐藤勇人。2列目に米倉、兵働、谷澤が並び、最前線に藤田です。前節とまったく同じ並びになりました。「勝ってるチームはいじらない」というのはひとつの原則ではありますからね。竹内はチームで唯一のシーズンフルタイム出場になりました。出場停止にリーチがかかっていましたが、良くがんばって耐え抜きました。今季はチームとしても警告52、退場2という非常に素晴らしい数字を残していて、これはJ2でダントツの1位であります。

完勝、と言っていいんじゃないでしょうか。コンディションが大変に悪い中ではありましたが、平面サッカーに徹して中盤からビルドアップをし、藤田のポストプレーを最大限活かして2列目の攻撃力で相手ゴールにアプローチし続けました。今回はとにかく中央が盤石の安定感でして、ボランチ佐藤健太郎のところからボックス手前の藤田や兵働のところに楔のバスがドスドス入る。両翼の米倉と谷澤は、サイドの深いところはもちろんですが中央でも十分勝負できる選手なので、ボールが収まったところから前の4人が入れ替わり立ち替わり真ん中でボールを持って、どんどん相手ゴールに向かっていく。ものすごくアグレッシヴな攻撃を続けて、見てて大変楽しかったです。佐藤健太郎が、守備だけでなく攻撃にもそのポテンシャルを発揮し始めたのが実に嬉しいなぁ。何度も書いていますが、山形にいたときはまさしくゲームメイカーでしたからね。3点目の藤田に出したスルーパスなんて、もう彼の真骨頂そのものでしょう。頼もしいよ。

前節のレビューで「結果を出さにゃならん」と書いた米倉は、最終節にして"結果"を出してくれました。甲府とのアウェイゲーム以来となる今季2ゴール目は、カウンター気味に抜け出してから思い切りよく右脚を振り抜いた見事なゴール。こういう思い切りの良さが米倉の持ち味ですよ。ちばぎんカップで大きなケガをして、復帰したあとはいろいろと考えすぎて積極性を失っていた米倉ですが、ここにきて良い意味で吹っ切れたようです。これは木山さんの我慢の賜物だなー。焦れずによく使い続けたと思います。同じ右サイドの高橋のコンビネーションという点では若干のズレも見えますが、それでも前線でこれだけ効いているなら合格点でしょう。プレーオフでもきっとやってくれるはずだ。

木山監督は今回、試合中に警告を受けた佐藤勇人高橋峻希を、いずれもその後10分以内に交代させるというかなり現実的な采配をしました。2点ないし3点のリードがあって余裕があったこともあるでしょうが、ベンチメンバーの構成を見ても、ダブルイエローでの退場というのを相当警戒していたことがうかがえます。プレーオフをベストの状態で戦うために、という意味では、自動昇格の可能性が消えて開き直って臨めたのは良かったかもしれません。負傷の影響で何人か間に合わない選手がいるかもしれませんが、それを補って余りある選手も出てきています。ここにきて選手層の厚さが強みになっているのは、残りの短期決戦を見据えるととても心強い。

守備面はおおむねしっかりと守っていたわけですが、しかし簡単に裏を取られて大ピンチというシーンが何度かあったのは気になります。これは山形戦でも松本戦でもありましたね。この3試合は相手のシュート精度の低さと岡本のビッグセーブのおかげで無失点ですが、ここから先はそれに頼っているわけにはいかない。強力なアタッカー陣を備える相手が待っているわけですから、そこに対する守備意識というのは一層強くしないといけません。と、そうはいってもプレーオフは1点ビハインドの状況から始まるわけなので、攻めの意識は強くないと跳ね返すことは難しい。そうなると、やはりセンターバック2人によるラインコントロールサイドバックカバーリング、簡単にフィードを出させないフォアチェックがカギということになるんでしょう。現実的なサッカーもできることを示した木山さんの準備手腕に期待しています。

レギュラーシーズンの最終順位は5位。昨年より一つ順位を上げました。前年順位を上回るのは、なんと9年ぶりなんだそうです。プレーオフの初戦は、横浜FCとのアウェイゲームです。こっちは3連勝ですが、向こうは4連勝中。ここ2試合は苦しい試合をモノにしているわけで、粘っこさは折り紙つきです。でも今年はダブルを達成した相手だし、ここまできたら目標はシンプルです。勝ち以外はノーチャンスなんだから、遮二無二やったるだけよ。チケットは大変な争奪戦になりそうですが、なんとか確保して三ツ沢に行こうと思います。あと2つだ!

[J'sGOAL]【J2:第42節 徳島 vs 千葉】レポート