stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

J2第6節 歓喜の歌声を何度でも

2013 Jリーグ Division 2
第6節 ジェフユナイテッド市原・千葉○6 - 1●ギラヴァンツ北九州
11位(勝点6)→7位(勝点9)

ようやくホームで勝ちました。しかも6-1なんていう大勝劇です。これまでの5試合で思うように点が取れなかった鬱憤を晴らすように、やりたい放題でバカスカ取りまくりました。北九州は昨シーズンにとんでもない試合をさせられてしまった相手でもあるので、その悪夢を払拭して余りある結果をつかめたのは本当に良かったです。これでチームとしてひとつ吹っ切れて、胸を張って前に進んでいけるといいですね。いやいや、気分がいいぞw

ではスタメンを振り返ります。GKは岡本。4バックは、ライトバックが驚きの米倉恒貴です。センターは竹内と山口智、左には前節に続き大岩が入りました。ボランチ佐藤健太郎と兵働のセット。前線は谷澤、ナム・スンウジャイールケンペスですが、今回はケンペスを含めて"ゼロトップ"というスタイルに見えました。ガンバ戦での流動性を持った攻撃の組み立てに手ごたえを感じたようで、動きながらボールもある程度捌けるスンウを生かそうという形でしょう。メンバーを外れた高橋峻希佐藤勇人はともに筋肉系の負傷だそうです。大事でないといいのですが。

昨年は10分で2ゴールを許し"試合を終わらされてしまった"わけですが、今回は開始4分という早い時間で先手を取ることができました。バックスでシーズン最初のゴールを挙げたのは、竹内でも山口でもなく、またしても大岩。昨年もそうでしたね。左サイドを思い切りよく駆け上がって、クロスのクリアボールを思い切りよく蹴りこみました。すっげぇ嬉しそうだったなぁ。DFは「ゴールを与えない」ことが仕事であるとはいえ、やっぱり自分で得点を挙げるというのは格別のものがあるんだろうね。

熊本戦で2ゴールのケンペスは、今度は倍の4ゴールをゲット。獲る時は固め打ちするタイプなのかね。これまではワントップの位置でボールをおさめるポストプレーが多かったケンペスですが、今回は上下左右に自由に動いて前線を活性化させる役割も担っていました。もちろん体を張って基点になるプレーもしっかりこなして、ずいぶん気持ちよくプレーしているようでした。後半になるとハイボールの競り合いで勝てなくなっていたのが気になりますが、そもそも跳ね返す側にアドバンテージがあるということもありますからね。そこが改善されると、より前線のキーマンになれるはずです。得点ランキングも一気にトップに躍り出て、これは期待していた以上に期待できるかもしれませんよ。

気持ちよさそうにプレーしていたといえばジャイールもそうですね。左サイドで自らの武器であるスピードと小気味のいいステップワークを存分に発揮して、対峙する内藤や田中優毅をきりきり舞いにさせておりました。オーバーラップした大岩とも連携を取りながら、それを囮にして内へ切れ込むという大胆さには恐れ入ったわ。やっぱり下手に左に張り付かせておくより、ある程度自由にさせたほうが強みは発揮できる選手ですね。その分守備陣の負担が増えてしまう側面はありますが、ジャイール自身の守備への意識も当初に比べれば随分増したように思うし、後ろに強さがあって体の張れる大岩やヒョヌンがいれば、カバーも十分にできるんではないでしょうか。フルタイムでハイパフォーマンスを発揮しろという要求はされていないはずですから、もっと思い切りやってもらったほうが相手も怖がるはずです。

それから米倉のサイドバック起用は、これは正直ジャンピング土下座するしかあるまい。オフのトレーニングゲームでサイドバック起用されたという話は聞いていましたが、米倉のディフェンスといえば後先考えずに足から突っ込む非常に危険なタックルの印象が強く、それを最終ラインでやられた日にゃ一発レッドもPK献上も何でも有り得るわ勘弁してくれと、試合前は思っていたのです。ところがいざ試合に入ってみると、思い切りのいいオーバーラップに強靭なフィジカルを生かしたボールキープ、スタミナあふれる継続的な上下動、インサイドへのカットインなどなど、およそサイドバックの枠に収まらない大活躍。1点目と6点目のアシストはまさに米倉の強みが余すところなく発揮されたもので、走れるしクロスも上げられるしカットインしてシュートも打てるというのは、攻撃面だけでいえばサイドバックとしてはパーフェクトです。守備においては自分が不慣れなことを自覚していたのか、不用意に飛び込むこともなかったし、佐藤健太郎や竹内も出来るだけ米倉をフォローしようと気を張っていたようだし、結果的には無難に90分を終えました。守備の面ではまずまず合格点ですかね。高橋が欠場したことによるスクランブルではありますが、縦への推進力にはものすごいものがあるのはわかったので、今後に向けて強力なオプションを装備したことは間違いないです。良いほうに出てホッとしました。

ただ、大勝を手放しで喜んではいけないというのはみんなわかっていることです。これだけ好き放題にやれたというのは北九州のプレッシャーやディフェンスがあまりに緩く、組織立っての守備ができていなかったということを抜きには語れないものです。試合のイニシアチヴを握っていた割にはシュートは12本にとどまっていて、北九州はシュート数だけならジェフより多い17本を打っているし、おそらくポゼッションもそう大きくは変わらないはずです。前半に2点を取って以降ジェフのプレスが明らかにダレて選手間の距離が間延びしていたのは確かで、それが原因で北九州に決定的なチャンスを与えてしまったシーンも1度や2度ではありません。相手のシュート精度の低さと岡本の俊敏な反応で1失点で済みましたが、リードをとったときにどうやってゲームを「コントロール」するのかという部分ではまるで満足できませんでした。弛緩したリズムをもう一度引き締めるために投入された選手たちも、きちんとその役割を全うできたとは言えません。ともすれば逆に大量失点を招いた可能性もあった中で、個々の集中力をいかに維持するかという点は改善しなければならないと思います。

今回は年に一度あるかどうかという大味のゲームですから、まぁ"追い風参考記録"ということにして、うまくいったその自信はそのままに、改善すべきところをしっかり見直して、次の試合に臨んでもらいたいところです。4月に入って最初のゲームは群馬とのアウェイゲーム。正田スタにはあんまりいい思い出がないんですが、天気が良くなることを祈って僕も参戦しようと思います。桜がまだ咲いているといいな。向こうさんは好調不調の波が激しいようで、波に乗せないように気を付けないといけない。気を引き締めて、今度こそ連勝といきましょう。

試合後に臨時スタDJを務めた光永亮太さんと一緒に高らかに「over」を歌い上げたのは、実に気持ち良かったですね。「次に歌うのはJ1に昇格したときです」というその言葉を実現できるように、一生懸命がんばりましょう。

[J'sGOAL]【J2:第6節 千葉 vs 北九州】レポート