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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第21節 上昇気流に乗って

2013 Jリーグ Division 2
第21節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 1●東京ヴェルディ
6位(勝点32)→5位(勝点35)

昼から用事があって、今シーズン初めて後半からの観戦になってしまいました。とはいえ、日が落ちて薄暮れになっている中をフクアリに向かって歩くというのは、なかなかに新鮮な経験で面白かったです。スタジアムの外からスタンドの歓声を聞くというのもオツなもの。試合前のいろいろなイベントが全然見られなかったりするのはさびしいですけど、普段と違ったリズムで日常を味わうというのも、それはそれで楽しいものです。

スタメンです。GKは岡本。ディフェンスは、米倉、キム・ヒョヌン山口智、高橋の4人。ドイスボランチは前節に続き伊藤大介佐藤健太郎のコンビ。前線は、田中佑昌ナム・スンウ、大塚、谷澤という、機動力重視の"ゼロトップ"になりました。佐藤祥と町田がベンチ入りしましたが、接戦のため出番はなし。ただ、主力のサスペンションや試合展開次第で出番は十分に得られる位置にはいるということです。ポジティブに認識して奮起してもらいたいところ。

さて、ケンペス、兵働、佐藤勇人、竹内という前半戦の主力メンバーを一気に4人も欠く今季一番の大ピンチにあったわけですが、2-1で競り勝ちました。メンバーが大きく入れ替わってもこうして結果を出せたというのは、これは非常に大きなことです。スクランブルの中でも、ここ数試合で形になりつつある新しいサッカーのスタイルをきちんと表現して相手を押し切れたということで、チームとして改革の方向性が間違っていないことを示す大きな証明になりました。シーズン折り返しで停滞感の漂いそうな中で、良い雰囲気で後半戦に臨めるのは素晴らしいことです。

スンウと大塚が並立するとどうしても前線の運動量の少なさが心配になりますが、その分今回は両サイドの田中と谷澤がもうやたらめったら走りまくりました。特に田中佑昌は久々の先発起用とあって、気合の入りっぷりがハンパじゃない。まさに縦横無尽にピッチを駆け回って、スピードだけではない彼の強みを示してくれました。勝ち越しゴールにつながったカウンターの場面は、谷澤の思い切りのいいドリブルと丁寧なスルーパス、田中がワンステップで石神を振り切ってのなんと左脚シュートと、ある意味彼らの「開き直り」がなければなし得なかったプレーだと思います。今回はわりと涼しい中でのプレーでしたからスタミナも最後までもったのかもしれませんね。

最終ラインに入ったキム・ヒョヌンは、さすがというかやはりというか、しっかりと役割をこなしました。試合勘がないので山口智のコントロールに対応できないところもありましたし、目立って「ここが良かった」というのでもないんですが、つまり「無難に仕事を完遂した」という印象。高さがあるのでハイボールの競り合いに強いのはもちろんのこと、フィジカルコンタクトにもビクともせずにガッチリとバイタルを占有し続けました。米倉が上がった後ろのスペースもしっかりカバーしていましたし、まさに"センターバック"って感じのセンターバックですね。やっぱりヒョンはここが本職なんだわ。

そして、僕だけの大塚翔平がついに今季初ゴールを決めました。田中のシュートの跳ね返りに大外から詰めての冷静なゴール。これだよ!これが見たかったのだよ!大塚のゴールで試合に勝ったというのが、もう何よりも嬉しいです。前節の徳島戦でチャンスに決められなかったことを相当に悔やんでいたという大塚ですが、そのあとすぐにそれを取り返せるところが実にすばらしい。試合に出るようになってからどんどん良くなってチームにもフィットしているし、終盤にはコーナーにボールを運んでキープして時間を稼ぐなんていう、スマートさが売りに大塚にしてはなんともらしくないプレーまで見せました。大塚もいい意味で吹っ切れてるんですよね。夏場を控えて若い選手の力は必要不可欠ですから、大塚にはどんどん前に出てどんどんエゴにやってほしいと思います。まだまだやれるはずだ。

早いもので、これでシーズン折り返しとなりました。21試合で35ポイント、5位という数字はまずまず及第点ではありましょうが、自動昇格圏とのポイント差はかなり離れています。でも、一時期チーム内に漂っていた閉塞感と停滞感はだいぶ薄れてきました。これから例年調子を落としている夏場を迎えますが、良い状態で入っていけるんじゃないかという感じもします。僕自身は、もちろん楽観はできませんが、悲観もしていません。

その試金石になる後半最初の連戦は、とても大事なものになります。中3日での富山戦は、得点数の少ない富山を相手にして、まず「無失点にできるかどうか」が一番のポイントだと思っています。その上でしっかり3ポイントを取れるかどうか。週末のガンバ戦は言わずもがな厳しいゲームになるはずで、ガンバの圧倒的な攻撃力に自信をもって相対するためにも、富山戦で守備陣が一定の結果を出すということが大事です。しっかり勝って、弾みをつけてほしいと思います。

[J'sGOAL]【J2:第21節 千葉 vs 東京V】レポート