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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ第13節 攻めども攻めども

プレナスなでしこリーグ2013
第13節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○1 - 0●スペランツァFC大阪高槻
6位(勝点14)→6位(勝点17)

雨の降るあいにくのコンディションでしたが、はるばる東金まで行ってまいりました。電車で行こうかクルマにしようか迷いましたが、実家に寄ることも考えてクルマにしました。つくばからでも2時間かからずに行けちゃうんですね。外房なのですんごく遠いイメージでしたけど、なんだ、意外に行けないことはないのか(勘違い

スタメンを振り返ります。GKは山根。4バックは、千野、櫻本、高橋、左は今回は細川です。ドイスボランチは柳井と保坂。右に川村真理、左に筏井の両ワイド。深澤と菅澤のツートップは変わりません。上野と川村優理は今回はベンチからのスタート。6月以降センターバックを担ってきた小川は、この日はメンバー入りしませんでした。物販スペースでレディースのグッズを売る呼び込みをやっておりましたんで、深刻なケガとはそういうわけではなさそうです。

今季未勝利で最下位に沈む高槻が相手で、試合を通じでペースを握り続けたものの、結局はセットプレーからの1点のみでした。決定的なチャンス自体は数多くあったものの、シュートの精度や積極性に欠けてゴールマウスをとらえられず、勝負弱さを露呈してしまいました。特に後半はずっとジェフの攻め方で試合が進んでいて、それだけ圧倒的に攻めたんですけど、追加点を取れずじまい。チャンスを作りながらも決めきれないというのが続くと、次第に気持ちが切れてズルズルと引いてしまうこともあるんですが、そこはボランチが踏ん張って流れを押しとどめてくれましたんで、失点せずにすんだのはよかったです。終盤戦ですし、内容は悪くてもまず勝利という結果を得ていることが大事ですよ。下位とのポイント差も安心できるほど開いているわけではないし、これから上位勢との対戦もあるし、気を抜かずにきちんと勝点を積んでいかないと。

今回は真理さんが躍動しました。もともと足元の技術がずば抜けているテクニシャンですが、周りとの軽快なパス回しから、細かいタッチを交えて内に切れ込んでのチャンスメイク、サイドバックの千野さんの上がるスペースを確保してスルーパス、逆サイドから展開されると見るや思い切ってゴール前に突っ込んで行ったりと、攻撃陣を引っ張りました。その分消耗も早くて途中交代になってしまいましたが、あらためてポテンシャルの高さを見せつけられましたね。それと、ボランチの保坂さんとの相性はかなりいいかもしれません。この2人のところから攻撃が始まるということが明確に伝わるし、ここで相手を釣りだして、逆サイドで筏井さんを突っ走らせるという新しい形も見えました。テクニック系のアタッカーは活かし方が難しい面もありますが、ひとつヒントが見えたんではないかな。

復帰した櫻本さんはいきなり全力運転。レフトバックを細川さんにしたこともあって、守備面は安定していました。丸山とネットを頂点にしてその下に成宮が控える高槻の攻撃陣は、スピードもポジショニングも一級品で強力でしたが、最終ラインとアンカーの柳井さんを含めた5人でしっかり対応して、流れの中からは決定的な仕事をさせませんでした。ディフェンスを考えるとやっぱりこのメンバーが一番いいんでしょうね。細川さんには、ボールを持つと無造作に前に蹴ってしまう悪癖がありますが、でも対人守備もカバーリングも上手いんですよ。それに左脚のプレースキックを持っている。十分なアドバンテージになりますよね。サイドで相手の良さを消せるってのは大きいですもん。

とはいえ、カウンターに対する守備は終始不安定でした。失点にはつながりませんでしたが、スピードに乗った速い攻撃には弱いんですよね。そういう部分もあって、ジャンボさんは満足していないと思います。いや、正直ここ最近は一部の選手の稼働率が異常に高いのでその疲労も当然あると思うんですが、その辺は言い訳にさせないんですよな。練習試合でも主力を起用してるみたいだし。十分にケアができていればそれでもいいんですが、ただのスパルタだと壊れちゃいますからね。ちょっと心配です。

ところで、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

バシッ!(>_<)

ジャンボさんにひっぱたかれてしまいました・・・・。

この日は78分から交代出場。上背のない上野ちゃんは、味方のセットプレーではハーフウェイで対カウンターの守備要員になることがほとんどです。今回も何度かそういう場面がありましたが、クリアされたボールをアタマで跳ね返そうとして跳んだところ、わずかに足りずに中途半端にフリック。これがマズイことに丸山に渡ってしまってショートカウンターの形になり、ネットにパスを通されてGKと1対1の大ピンチを招いてしまいました。幸いシュートが枠外にはずれたので大事には至りませんでしたが、これにはジャンボさんもおかんむりで、「運も味方して勝てた」なんて言われる始末。ピッチインした直後で試合に入りこめていなかったとはいえ、ちょっと言い訳の利かないミスになってしまいました。上野ちゃん自身も反省しきりでしょうなぁ・・・・。

深澤さんとの交代で、珍しく左のサイドハーフに入ってのプレーになりました。珍しくというか、公式戦では初めてになるのかな?攻撃面での強みを活かすべく、うしろを細川さんにしっかり守ってもらって、前への意識をより強く持って運動量で相手のビルドアップの基点を抑え込むという意図だったと思います。高槻の最終ラインによくプレッシャーを与えてボールを追ったし、シュートも打つこともできました。アタッキングサードまで顔を出してのプレーはもともとの持ち味だし、ボールホルダーに思い切って身体を当てにいく勇気あるプレーもできますから、役割は理解していたと思います。期待されたほどの仕事ができたかといえば、時間の短い割にはまずまずという感じですかね。不完全燃焼ではあると思います。

細川さんのプレーを見ていると、先に書いた通り守備面ではまだまだ及ばないなぁという印象です。細川さんも上野ちゃんも、それぞれに強みも弱みもあって、どちらがよりいいとは一概に言えない。相手関係や試合展開によって使い分けられるとベストなんでしょうけど、ディフェンスラインはもともとフレキシブルに入れ替えるようなポジションではありません。逆に言えば、一度入れ替わると再度元に戻るのもなかなか難しいということで、常に弱点を認識して克服し続けなきゃいけないタフなポジションです。シビアな仕事なんだよね。でもそれを乗り越えなきゃいけない。

うかうかしてるとポジションとられちゃうかもしれないぞ。がんばらないと。

上野ちゃんは試合後そのまま成田に向かい、U-19アジア選手権の開催される中国・南京に飛びました。遠征とはいえ次の試合までは少し空くので、しっかり身体を休めてコンディションを整えて、立派に役割をはたして帰ってきてほしいと思います。

なでしこリーグは残り5試合。上下ともに5ポイント離れてますので、多少は構えて試合に臨むことができます。ただこの先は、上位の4チームと、残留争いに巻き込まれた新潟が相手。試合自体はタフになると思います。戦い方を整理しつつチームの連携をより深めて、年末の皇后杯に照準を合わせていくことになるでしょう。今シーズンもあとわずかです。