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がんばりすぎずにあるこうや。

関東社会人大会準決勝 少しづつ、一歩づつ

第47回関東社会人サッカー大会
準決勝 ジョイフル本田つくばFC○1 - 0●慶應BRB

全国の舞台で旋風を巻き起こした県リーグ1部のつくばFCが、関東2部昇格をかけて戦った試合を見に行ってきました。今季の県1部では準優勝に終わりましたが、関東大会には開催県枠が設定されているので、そこに滑り込んでの昇格戦。運も味方につけての大一番です。地元ということでユースの子たちも動員した応援団を結成して、雰囲気ではまさに圧倒しました。

序盤は慶應の巧みな身のこなしと上手いボール運びに苦戦しましたが、20分過ぎからはポゼッションも長くなって徐々にペースをつかみ始めました。ウイングバックがやや引きめの3-4-3をとるつくばは、攻撃の基点を左ウイングバックの深澤に置き、攻撃的な中盤の柿沼や前線の鈴木健介といったタレントにボールを入れてゴールを狙うサッカーを展開。もう一人のボランチの小黒を介してコンパクトにつなぐサッカーもやっていて、ロングボールをショートパスをうまく組み合わせて、相手DFに的を絞らせない面白いサッカーをやってました。全国大会で自信をつけたのもあって、格上相手でも気持ちとゲーム運びの両面で引くことなく、最終ラインを高く保って主導権を握りましたね。

際立ったのは球際の強さ。相手のボールホルダに対して勇気を持ってガツンと当たりにいっていて、これには慶應もやや気後れしたんじゃないでしょうか。フィジカルを前面に押し出した分、終盤70分以降は案の定運動量がガクンと落ちてしまいましたけど、前半に先手を取れていたことと、相手の攻撃のスタートポジションを十分に押し込めていたことが奏功して、決定的なピンチはあったものの1点を守りきることに成功しました。きちんと自分たちのリズムを作って戦うベースができているというのは、格上のチームを相手にしてもブレないサッカーができるので良いですね。いいチームになっています。

結果的に決勝点となった先制ゴールは、深澤が左サイドから上げたインスイングのクロスに、右サイドから池田が突っ込んできての強烈なヘッド弾。つくばのスリートップに対して慶應の4バックがミスマッチになるシーンはたびたびあって、それがうまいこと活きた形でした。決定機という意味では、深澤にも柿沼にも「あとは入れるだけ」っていうシュートがあったのに枠に行かなかったりしたので、ロースコアで終わる試合ではなかったとお思いますが、なんにせよ結果最優先のトーナメントですからね。最終的に相手を上回ればそれでいいわけです。そのミッションを達成するための意思の共有や役割分担なんかが、つくばはとてもよくできていたと思います。それが奏功しての関東2部昇格。実に立派なものです。

全国社会人大会で4位、その枠で出場した地域決勝でもFC今治に勝ったりと、県リーグ勢ながら十分なインパクトを残したつくばFC。翌日の日曜日に行われた決勝戦では、同じく関東2部昇格を決めたtonan前橋サテライトに3-1で勝ち、関東のタイトルを獲得しました。また「つくば市内にJFL規格を満たすスタジアムがない」という理由で地域決勝前にJFLへは昇格しないことを表明していましたが、それを惜しむ声が方々から聞こえたのはうれしい限り。一方でつくば市は、2019年のラグビーW杯や2020年東京五輪に合わせるかたちで市内に総合運動公園を整備することを決め、基本構想の策定に乗り出しました。環境も徐々に整いつつあります。まだ道のりは長いですが、行き先は確かに見え始めています。

来季からは関東リーグでの戦いが始まります。個人的には、鹿嶋や日立での開催ばかりだった県リーグと違ってだいぶ見に行きやすくなるのもうれしい。「地元と共に成長する」という素晴らしいコンセプトを持っているチームですから、より一層応援しないと。近い将来Jリーグに上がって、ジェフとジェフサポをつくばに迎え入れるのは、僕のひそかな夢でもあります。

強豪ぞろいの地域リーグ。時間はかかってもきちんと足場を固めて力をつけて、5年後にはまた全国リーグ目指して殴りこんでやりましょう。がんばろう!