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がんばりすぎずにあるこうや。

良い攻撃は良い守備から

2014 NFL 第48回スーパーボウル
シアトル・シーホークス○43 - 8●デンバー・ブロンコス

「年に一度、アメリカの首都が変わる日」でおなじみ、アメリカンフットボール全米最強決定戦「スーパーボウル」を見ました。今年はライブも地上波のディレイもオンタイムで見られなかったので、地上波を録画したものをあとで見ました。スーパーボウルは学生のころからもう10年以上も毎年見ていて、世界最高峰の戦いと興奮を楽しんでいます。国内のアメフトを見るようになったのも、スーパーボウルがきっかけです。

時間が経ってからだったので結果は既に知っている状態で見ましたけど、それでも大変に面白かったです。今年は「史上初の寒冷地での屋外開催」であることや、リーグ最多得点チームとリーグ最少失点チームの対戦という典型的な「攻撃 vs. 守備」の構図になったことで、いつにもまして注目を集めている様子でした。僕もブロンコスのハイパーオフェンスとシーホークスのハイパーディフェンスのぶつかり合いを期待したんですけど、いやはや、こんな結果になるとはねぇ。誰も予想してなかったと思いますよ。シーホークスのファンですら予想外だったと思います。

とにもかくにも、シーホークスはオフェンスもディフェンスも非常に強かった。戦前はディフェンスの強さばかりが強調されていたので、オフェンスのクオリティはどうなんだろうと気になってはいたんですが、そこはさすがにカンファレンスチャンピオンですね。プロ2年目というQBラッセル・ウィルソンは、近年目立ち始めた「機動力を持つ(=モバイルな)」QBのひとりで、この試合でも右へ左へ走りまくって、デンバーのディフェンスを翻弄しました。また、MLBも注目したという強肩を活かした弾丸のようなフォワードパスは面白いようにレシーバー陣につながり、かと思えばロビングのパスも抜群の精度で味方に収まる。プレーの選択肢が多いので、スナップをキャッチしてから次のプレーに移るまでが速いんですね。昨年のスーパーボウルに出場した49ersのコリン・ケイパニックも機動力のあるQBとして有名になりましたが、これからはこういうQBがどんどん増えてきそうです。

シーホークスはランナーやレシーバーも非常にクオリティが高かったです。スプリントの速さもあるし、巧みなステップとクイックネスでブロンコスのディフェンスを軽々とかわしていく様は、見ていて爽快ですらありました。これほどまでに強力なオフェンスがいて、それを自在に操れる司令塔がいる。そりゃ強いよ。圧倒的ですよ。

ブロンコスは名手ペイトン・マニングがキーパーソンでしたが、マニングはシーホークスのディフェンスに完全に抑えられました。サックこそありませんでしたが、バックサイドからパスをカットされたり正面で叩き落されたり、思うようにプレーできていませんでした。コルツ時代に栄光を極めた名QBとはとても思えなかった。マニングでもあんなにナーバスになるものなんですね。マニングだけでなく、キックオフ直後のスナップミスがあったり、ブロンコスは本来のパフォーマンスをほとんど発揮できなかったんじゃないでしょうか。大舞台を経験している選手もいるのに、どうしちゃったのかしら。

何年か前のスーパーボウルピッツバーグに完敗して、フィールドサイドでうなだれていたシアトルの面々を覚えていたので、個人的にはシーホークスの初戴冠はうれしいです。チーム創設28年で初の全米王者だそうで、これはうれしいよね。シアトルの街としては、1979年にNBAシアトル・スーパーソニックス(当時)がファイナルを勝って以来の四大スポーツタイトル。街中大盛り上がりでしょうね。おめでとうと言いたいです。

NFLは戦力均衡を徹底しているので、毎年違うチームが上がってきてとても楽しいです。来年もまた熱いゲームが見られるといいと思います。今度は生中継をちゃんと見られるようにしたいな。