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がんばりすぎずにあるこうや。

ライブレポート そのエネルギーの源は

家入レオ 3rd ワンマンTour ~a boy~ 埼玉公演 / 三郷市文化会館大ホール

家入レオの曲が気になりだしたのは、ドラマ「カエルの王女さま」の主題歌「Shine」を聞いたころからです。このドラマはちょっと変わっていて、まだドラマが続いている後ろに主題歌を流してエンドロールを始めてしまうんです。なので、普通のドラマのように主題歌を主題歌としてじっくり聞く機会が全然なかったんです。なんですけど、画面の中で天海祐希菊地美香が話している後ろにかかっていたこの曲から、なんだか大きなエネルギーを感じてしまって、妙に気になっちゃったんですよね。で、曲をじっくり聞いてみたら余計気に入っちゃって、それから少しづつ追いかけるようになったんです。

実は昨年の秋に行われた2ndツアーのチケットも取っていました。ただ、開催が平日で仕事の忙しい時期に重なってしまったことと、開催がライブハウスでスタンディング観覧だったこともあって、行くのを断念したんです。今回のホールツアーは全席指定席だしゆっくり見ることができるかなと思って、近場の埼玉で行われた公演に行ってきました。

家入レオその人がステージに登場したときの印象は、「わ、小っちゃい!」というものでした。フルキャパで1300人弱のホールですから、ステージもそんなに大きくないし客席との距離も言うほど遠くないはずなんですけど、それでもとても小柄に見えました。いや、小柄なのは知ってましたけど、思ってた以上にね。

でも、あの小さな体はまさしくエネルギーの塊なのです。「太陽の女神」や「君に届け」での力の入ったパフォーマンスは、持っているパワーを必死に押し出そうとしているようでした。体を目いっぱい使って、歌声に力をこめていました。シンガーソングライターである彼女は、自分で書いた歌詞を自分で歌っています。自分の想いをこめた言葉を、聞いている人たちの心に届けようとすることに全力なんです。その一点のみに自らのエネルギーを集中できる様を見て、単純にすごいなと、よほど強い信念を持っているのだなと思いました。

それで終わればよかったんですが、ライブが進むにつれて見方が変わってきました。中盤の「Too Many」や「Free」あたりでの妙に芝居がかった演出は、それまでのライブの流れからみるとあまりに唐突で、ちょっとどこを向いてるのかがよくわからなかった。ステージトークもどことなく不自然というか、本心でないということはないでしょうけど、どうにもよそよそしい。それから終盤にかけてのステージを少し引き目で見て、そのうちこの違和感の正体に気づきました。

彼女のステージから伝わってくるものは、「悲壮感」なんです。

彼女は、自分の想いや言葉がどうすれば見ている人にきちんと届くかということに全力です。それは、「私の言葉を聞いてください!私の歌を聞いてください!どうか、どうか聞いてください!」と必死に訴えかけているようにも見えます。彼女が歌詞を書くエネルギー、彼女が想いを届けようとするエネルギー、その源泉にあるものは、悲しみや寂しさ、孤独、怖さや弱さといった"マイナスの感情"なんですよね。明るい曲や激しい曲もあるんですけど、そういうのも全部負の感情からくる反発なんです。

それに気づいてしまうと、彼女の歌声がなんとも悲しく響いてしまって、こちらまでなんだか悲しい気持ちになってしまいました。こんなステージを見せられてしまうと、僕もいろいろと考えてしまいます。夢や希望を語るのも、孤独や怖さに負けないように必死に前を上を見ようとしているのかなぁなんて思ってしまったり。今まで「音楽が好きだ!」「ライブが楽しい!」そういう明るい雰囲気のライブばかりをたくさん見てきたので、家入レオのこのステージにはショックを受けました。こんなステージもあるのだ。

19歳。たった19歳の女の子がこれほどの悲壮感をもって表現をしようとしている現実というのは、なんとも痛々しい。けれども同時に、自分が19歳だったころはどうだったろうかと考えもしました。子供から大人へと成長する過渡期にあって、孤独や葛藤、大人への反抗といったものが、当時の僕にもたしかにありました。それと同じものを今の19歳の女の子が持っている。思春期の少年少女を取り巻く環境というのは、10年間と何も変わっていないのかもしれない。その現実が垣間見えるようで、いたたまれない気持ちでした。

僕は家入レオの曲が好きです。その歌声から感じる大きなエネルギーに、目の覚める思いになることが何度もあります。いつか彼女が、心の底からの「楽しい!」「嬉しい!」という感情を言葉にして、歌を歌えるようになるといいなと、そう思うのでありました。


セットリストは以下になります。今後の公演も共通かと思いますのでご注意ください。

M01. カーニバル
M02. 太陽の女神
M03. イジワルな神様

- Talk -

M04. Time after Time
M05. 君に届け
M06. Hello
M07. Shine

- Talk -

M08. チョコレート
M09. キミだけ
M10. Too many
M11. Free
M12. Who's that

- Talk -

M13. Bless You
M14. Lay it down
M15. Fake Love
M16. Kiss Me

- Talk -

M17. Linda
M18. Papa & Mama
M19. サブリナ

- Talk -

M20. 希望の地球

E01. ミスター
E02. Message

- Talk -

E03. a boy