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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第14節 ポジティブ・スパイラル

2014 Jリーグ Division 2
第14節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●コンサドーレ札幌
15位(勝点17)→11位(勝点20)

スッキリ快晴、気温もそこそこ、風も気持ちよく吹き抜ける絶好のサッカー日和になりました。札幌のサポーターも大勢かけつけていて、動員は9200人超え。屋台村もにぎやかでした。

フクアリでの札幌戦というと、ホームなのに「天敵」「鬼門」と言われても仕方がないくらい分が悪いわけですが、今回は2-0の快勝。スコアだけでなく内容的にも終始試合の主導権を握った完勝でした。チーム全体のコンディションが非常に良くて、ショートパスが面白いようにテンポ良くつながる。中盤でのパスをカットされて大ピンチになったり、持ちすぎて突っかけられて奪われてしまったりということもほとんどなく、常に前を向いてプレーできていました。

井出と大塚の中盤2枚は、相手陣内をまさしく縦横無尽に走り回りました。前半から相手のボールホルダにプレスをかけたり、スペースに走りこんでパスを引き出したり、柔らかいボールタッチで相手ディフェンスを翻弄したり、獅子奮迅の大活躍。この2人はプレーのリズムが独特なので、札幌のバックスもかなり苦労していたようでした。天才肌のテクニシャンタイプは、相手にとっても味方にとっても予想外のプレーをすることがあって、それが良いようにも悪いようにも出る。それがうまくハマっているときは、見ているほうとしてはすごく面白いですね。今回は2人とも実に気分良さそうにプレーしていて、それも相まって前半から運動量がすさまじいことになりまして、交代でアウトするときにはもうヘロッヘロでありました。よく走った。交代のときに彼らに送られた万雷の拍手、あれはまったく正当な評価だと思います。これからも若い才能を遺憾なく発揮してほしいと思いますよ。

それからドイスボランチが絶好調。兵働が常に前を向いて縦に左右にスパスパとボールを捌くさまは、まさに「中盤の王様」そのもの。札幌の中盤がスカスカでほとんどプレッシャーがかかっていなかったとはいえ、長短のパスを織り交ぜて攻撃陣をコントロールしているのは見ていて痺れました。佐藤健太郎も復調気配。狭い範囲でポジションを変えながら、球離れよく味方に預けていました。なかなか調子が戻らずに心配しているんですけど、割り切ってプレーすることで感覚を取り戻すきっかけにしてくれればと思います。

ディフェンスラインは、これまでセンター大岩、右にキムだった並びを逆にして臨みました。これは非常に効果的に機能しました。いやまぁ一部からは「知ってたわ!」って言われそうですがね。キムはやはりセンターバックの選手だということは岐阜戦で証明されていたし、スプリントの速さはそのまま守備範囲の広さにつながりますから、カウンター対策としても真ん中にいてくれるのは心強い。大岩は機を見て前線にオーバーラップするので、その持ち味はサイドのほうが活かしやすい。何より大岩には米倉に負けずとも劣らない右脚の高速クロスボールがあります。左から中村があれだけ高精度のクロスを供給しているんですから、右からも大岩のクロスを次々入れて波状攻撃をかけるのは強力なオプションになるはずなんです。鋭いボールの連続でゴール前を混乱に陥れれば、スペースができて大塚のテクニックやケンペスの強さが活きてくる。見事な好循環でした。岡本もあまり活躍する場面もなく、9試合ぶりのシャットアウトゲームを楽々ゲット。誕生日翌日にいいプレゼントになりました。

これでシーズンの3分の1が終わりました。ジェフのサッカーは徐々に形になってきています。守備も攻撃も中盤の役割も、だんたんと明確になってイメージを共有できるようになってきました。あとは決定機を確実に決めるひと押しと、アクシデントが起きたときの対応力。次節はケンペスが出場停止、森本が負傷中で、ワントップが不在というピンチです。こうなったときのオプションをどうするか。

今回の試合をいいきっかけにして、上昇気流に乗ってくれればなと思います。夏場に入る前に加速していってほしいものです。

[J'sGOAL]【J2:第14節 千葉 vs 札幌】レポート