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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこES第5節 鉄壁バックライン

プレナスなでしこリーグ2014 エキサイティングシリーズ 上位リーグ
第5節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○2 - 1●日テレ・ベレーザ
4位(勝点7)→4位(勝点10)

台風19号の接近で大雨予報が出ていましたが、試合開始のころまでは小雨がぱらつく程度で穏やかな天気。ところが雨脚は次第に強くなり、前半はまだしも後半には本気の土砂降りになってしまいました。厚着をしていたしポンチョもあったので悲惨なことにはなりませんでしたが、とにかく寒かった!しかしそんなタフなコンディションでも、1000人を超える人が見に来ていたのには驚きました。浦和戦より多いじゃん。

負傷離脱やサスペンションが明けて陣容が元に戻ったジェフレディース。強豪であるベレーザを相手に万全の態勢で臨めるのは心強い限り。ですが、前半はベレーザにかなり押し込まれました。ベレーザのセンターラインは非常に強力だし、2列目の若い3人はテクニックもモビリティも高い。そういうチームを相手に個人戦を挑むのは相当なギャンブルです。なので、チームとして上手く連携して対抗しようとしたジェフレディースでしたが、中2日という過密日程の影響からか全体的に動きが重かった。少ないチャンスからPKで先制しはしましたが、阪口に中盤を完全に制圧されて、上手い具合にテンポよく攻撃の形を作られてしまいました。真理さんや瀬戸口さんも、前を向いてビルドアップしようにも自由にプレーする余裕を与えてもらえずに四苦八苦。ジェフのチャンスはもっぱら相手のパスミスやコントロールミスを拾って、という感じでした。
それでもバックラインが必死に踏ん張って、前半はゼロでしのぎ切りました。センターバックのギャップを割られるお決まりの失点パターンで木龍に抜け出されたシーンも、山根さんがしっかり相手を見て左脚でシュートを防いでくれました。両サイドは前後でチャレンジとカバーを続けて、そう簡単にはチャンスを作らせないぞと躍起でした。リードして折り返せたのは良かったですね。後半は気象条件もあってかなり難しい試合になりましたからね。

後半早々にPKで追いつかれたものの、菅澤さんが見事なドライブショットを叩き込んで勝ち越し。あのゴールはすごかった。たぶん"エイヤァ!"で撃ったんだと思いますけど、絶妙の軌道でゴールイン。これはもうなでしこTVとかで見てもらったほうがいいと思うわ。ゴラッソすぎて雨の中えらい興奮してしまいましたw
後半もベレーザにポゼッションを獲られてくるしい時間帯もありましたけど、終盤に阪口が前線にポジションを上げてからはむしろジェフレディースが落ち着いて中盤でボールを持てていたと思います。ベレーザはビハインドの状況だと阪口をトップに上げてパワープレーを仕掛けてくるのが今季の定石になっていますけど、これかえって逆効果な気がするんですよね。中盤のゲームメイカーがいなくなるので、むしろこっちとしてはやりやすいです。真理さんと瀬戸口さんにプレーの余裕ができますから、時間も作れるし前線への展開も選択肢が増えるし、守備の負担も軽くなる。そうしてしっかりゲームをコントロールして逃げ切りました。ベレーザ相手でもこれだけの試合ができるようになったんだなぁ。

前半にセンターバックの千野さんが負傷しまして、45分はがんばってくれましたが、やっぱりダメだったようで後半は鶴見さんがスクランブル発進。しかし鶴見さんはその重責を見事に果たしました。というか「代役」というのが失礼なくらいな見事な仕事ぶり。スペースのカバーもしっかりしてるし連携も全く問題ないし、左脚のロングフィードも見事な精度。木龍や田中美南相手でもまったく気負いしない。今回は大矢さんがメンバー外だったのでちょっと心配したんですが、いやいや恐れ入った。全然やれるじゃん。

シーズン前にバックラインのスペシャリストがごっそり退団して、これどうやってディフェンス作るんじゃいと本当に心配したんですけど、思いのほか層が厚くなっているようです。今回も無失点とはいかなかったものの、PKですからしょうがない。ディフェンス陣は安泰だわ。少々のサスペンションなら何の心配もいりません。これはもう三上さんの指導の賜物でしょうな。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

レンズが曇っちゃった失敗orz
この日もフル出場。ベレーザの右サイドを形成した隅田と清水は、確かにテクニシャンで非常にタフな選手ですが、ジェフの深澤さんと上野ちゃんのコンビだって負けてませんでしたよ。むしろ運動量はこちらに分がありましたし、このサイドは深澤さんと2人で十分に押し込めていける力関係。決定的なチャンスは作らせませんでしたし、左サイドは試合を通じてジェフが完全に制圧しました。

8月くらいからかな、上野ちゃんはハイボールにヘディングでチャレンジすることを躊躇しなくなりました。昨シーズンあたりは、ロビングのボールが来ると一度バウンドさせて脚でコントロールできるようになってからホールドする、というのが多かったですが、最近はしっかりアタマで跳ね返すようになっています。試合前のウォームアップでもヘディングの練習をしていたこともあって、苦手意識を克服したというところなのかな。上背がないので競り合いには相変わらず弱いですが、相手からの圧力がかかる前にボールを前にはじけるのはとても重要ですからね。良いことです。

後半は隣のセンターバックが鶴見さんに代わりましたが、ここの連携は非常に良かったです。もう長いこと一緒に試合やってるんじゃないかと思うくらいにスムーズ。良いリズムでプレーできていて、そのおかげで積極的に高めのポジションを取れていました。ゴリゴリとドリブルで仕掛けていくシーンもあったし、中にカットインしてゴール前まで顔を出すこともあったし。今季は我慢のプレーが続いているので、ぐんぐん前に出ていくのを見るとこちらも気持ちがいいですね。

ただ、気になることがないわけではないんですよ。スプリントの回数が減っていることもそうなんですが、真理さんや深澤さんとのワンツーで相手の裏へ抜け出す、というプレーが繋がらなくなってるのが気がかりです。トンとボールをはたいてそのまま前の広いスペースに走りこめれば、というところで、なぜか動きを止めちゃうんですよね。できないわけじゃないと思うので、三上さんから何か指示が出ているのか、チーム内で変に約束事ができているのか。気になります。スランプとかではないと思うんだけど。

エキサイティングシリーズは早くも折り返しです。10試合はあっという間ね。首位の浦和とは7ポイント差の4位でして、正直優勝は現実的には厳しい差です。ただ、上位陣と十分戦えるだけの力はあるわけですから、チャンスはあると思います。次の湯郷戦は僕は見に行けませんが、リベンジを果たしてくれるよう願っています。ダブルをくらった新潟にも快勝できたんだから、ホームでならできるはずよ。