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がんばりすぎずにあるこうや。

つくばFCの2015年シーズンが(ひとまず)終了しました (1/3)

つくばFCの男女トップチーム「ジョイフル本田つくばFC」と「つくばFCレディース」は、9月いっぱいで今季のレギュラーシーズンの全日程を終了しました。カップ戦やプレーオフなど付随する公式戦がまだいくつか残ってはいますが、2015年シーズンの大きな試合としてはひと段落。初めて尽くしの怒涛のような1年が、ようやく終わろうとしています。

地元のクラブチームを1シーズンべったり見てきて、思うところ感じるところもいろいろありました。つくばFCの2015年を振り返り、2016年とその先の未来にむけて、3回に分けてまとめてみようと思います。

進化と躍進を継続する【ジョイフル】

男子トップのジョイフル本田つくばFCは、昇格初年度の関東サッカーリーグ1部で3位と躍進を遂げました。18試合で36ポイントを獲得して、セオリーからいえば優勝してもおかしくないほどの成績で、関東のアマチュアサッカーに強いインパクトを残したと思います。関東1部は、優勝したブリオベッカ浦安VONDS市原が実力的にも抜けていて勝ち点を離されてしまっていたので、シーズン中に本格的に優勝争いを意識することはできませんでしたが、浦安・市原と東京23FCFC KOREAからなる関東のトップグループに割って入ることができたのは、大変大きな自信になることと思います。

ホームゲームではわずかに1敗。シーズン通算45得点はリーグトップで、強豪ひしめく関東1部でもつくばFCの攻撃力が十分に通用することが証明されました。池田、川村、鈴木のストライカー陣は得点ランキングでも上位に名を連ね、この3人で総得点の7割近くをマークしています。彼らは試合の中でキーマンとなることも多く、攻守に貢献してつくばFCの躍進を引っ張ってくれました。来シーズンも大いに期待したいところです。

一方で、ホーム前橋戦(○5-4)やアウェイ東京23戦(●4-5)などの大味な試合もあり、時として信じられないほどにバタついて相手に付け入る隙を与えてしまう悪い癖も露呈しました。前期は下位相手に勝ち点を取りこぼす試合もあって、そのせいで優勝争いを意識しないままシーズン終盤を迎えてしまったのはもったいなかった。それができていれば、選手のモチベーションもスタンドの盛り上がりもずっと違ったと思います。シャットアウトが6試合ある一方で3失点以上が4試合もあるので、年間を通じて守備力を安定させることは、来季に向けてのひとつの課題でしょうね。そこがクリアできれば、夏からの優勝争いも期待できます。

リーグ戦以外の大会では、組み合わせに恵まれなかったこともあり、全国社会人大会や天皇杯で本選に出場することはかないませんでした。とはいえ、全社の代表決定戦では市原に1-2で、その市原にはリーグ戦ではひとつ勝っています。天皇杯予選でも、昨年度大学二冠の流通経済大を相手にPK戦までもつれこませることもできました。チームとしての実力は着実に上がってきていることは確かです。来年に向けて、明確に「全国大会進出」を意識できるシーズンになりました。

全国リーグの壁に跳ね返された【レディース】

プレナスチャレンジリーグに挑戦したつくばFCレディースは、15試合を1勝4分10敗で終え、残念ながら東地区最下位。12月に行われるチャレンジリーグ入替戦に、全国リーグ残留をかけることになりました。シーズン前から「リーグ残留」が現実的な目標になることはわかっていましたが、強豪チームとの実力差は著しく、開幕戦で勝って以降はひとつの白星も獲ることができませんでした。

結論から言えば、サイズ、フィジカル、テクニック、インテリジェンス、チームビルド、コミュニケーション、ストラテジー、どれひとつとして、このチームは全国レベルに届いていませんでした。シュートすらまともに打てない試合も珍しくなかったし、ほとんどボールを持てない試合もあったし、相手の個人技に翻弄されてしまうこともあったし、しょーもない失点もいくつも見ました。FWの柴田佳南歩が通算5得点(9位タイ)と1人奮起しましたが、やはりゴールがこれっぽちでは試合に勝つことはできない。終盤戦はシステムを組み替えたり選手起用を入れ替えたりして試行錯誤もしていましたが、急造はしょせん急造で、それくらいではどうにもならない差がありましたね。実力不足でした。

なでしこリーグのエクスパンションに伴って開催された参入戦で勝利し、関東リーグ2部で6位という立場ながら"飛び級"で全国リーグ挑戦の権利を得ましたが、残念ながらはっきりと荷が勝ちすぎました。今季のチャレンジリーグは大半が新規参入チームだったわけですが、それでも「全国リーグで戦うとはこういうことだ」という強烈なインパクトを、選手もクラブも十二分に味わったはずです。チームとしては何もかもが足りなかった。

ただ、これだけボロボロにされても、全国リーグを体験した、そのレベルを肌で感じたというのは、あとで絶対に活きるはずです。いや、この経験は絶対に活かさなければいけない。「なでしこリーグ挑戦宣言」を掲げ、曲がりなりにもトップリーグを目指すと公言しているクラブとして、そこを目指すためには何が必要か、それを備えるために何から始めるか、真剣に考えなければいけません。来季・今後に向けてどうスタンスをとるのか、今オフは大変重要なターニングポイントになると思います。

12月には残留をかけた入替戦が行われます。ホーム&アウェイの180分間で、1点でもいいから相手を上回らなければならない。相手は当然強いですし、プレッシャーも相当のものになりますけど、一戦必勝の決意で臨み、何が何でも全国リーグにしがみつかなくてはなりません。そのために、できることはすべてやらなければ。総力戦です。

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