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がんばりすぎずにあるこうや。

【ネタバレあり】Fuller House 家族の物語は終わらない

「アーアーアーアー(*´▽`)♪」というイントロを聞くと、僕なんかは今でも自然とニヤッとしてしまうものです。1993年から当時のNHK教育テレビで放送されていた、アメリカのホームシチュエーションコメディ「フルハウス」。その29年後(この「29年後」は「本国で放送が始まった1987年から29年後」を指す)を描くスピンオフドラマが制作されました。

当時出演していたオリジナルキャストが勢ぞろいし、セットも当時のものを再現して、まさしく「タナー家のその後」をそのまま描くコンセプト。そして何より嬉しいのが、日本語吹替え版の声優さんたちも、当時担当していた人たちがそのまま出演するということです。NHKで「フルハウス」を見ていたときは吹替え版で見ていたので、新作も吹替え版で見るつもりでしたから、このニュースは嬉しかったし、同時にとても安心したのです。

新作「フラーハウス」は、インターネット動画配信サービスNetFlixでの独占配信。時間が取れなくて2月26日の配信開始後すぐにというわけにはいきませんでしたが、3月に入ってようやく登録をして、FireTVでゆったり視聴。初日から第1シーズンの全13話が配信されていて、1話あたり30分弱。見ようと思えば1日で全部見てしまうこともできます。できるんだけど、なんかもったいない気もして、数話ずつに分けて見てました。それでも3日くらいで全部見ちゃったんだけどね(笑)

以下、作品のネタバレを含みますのでご注意ください。たたみます。

新作ドラマは、サンフランシスコにあるタナー家のキッチンから始まります。カウンター脇のベビーチェアに座った赤ちゃんを、ダニー、ジェシージョーイ、ベッキーと、おなじみの面々が囲む朝の風景。この赤ちゃんはDJの息子で、トミーという名前の三男坊。そのDJと、イギリス帰りのステフ、さらに相変わらず図々しくタナー家に押し掛けるキミー、オリジナルキャストがどんどん登場して、そのたびに大歓声と盛大な拍手が沸き起こります。僕もテレビの前で一人で大盛り上がり。20年前まで毎週楽しみに見ていた光景が、時を越えてそのまま復活してるんですよ。これが興奮せずにいられようか!

DJには息子が3人いて、長男のジャクソン、次男のマックスも、キッチンに降りてきます。ジェシーベッキーの息子たち、ニッキーとアレックスも、すっかり成長した姿で登場。もともと満員(Full House)だった家がさらにいっぱいいっぱい(Fuller House)になったところで、オープニング主題歌が始まります。"相変わらずイケてる"家族の物語が、ここからまたはじまるのです。

主題歌の「Everywhere You Look」は、オリジナルのジェシーフレデリックに代わって、カナダ出身の女性シンガー、カーリー・レイ・ジェプセンが担当。第1話のオープニングでは、主役の3人とその子供たちに続いて、スペシャルゲストとしてオリジナルキャストが紹介されますが、これが「フルハウス」のオープニング映像と全く同じ構図で撮ってるんですよ。なんとも意気な演出!これをはじめ、第1話はオールド・ファン垂涎の演出が随所にちりばめられていて、昔を懐かしみつつ、新しい物語にスムーズに入っていけるように作られています。最後のシーン、ぐずりだしたトミーを「フリントストーン」の歌であやすところなんかは象徴的。タナー家のメンバーがガラッと入れ替わってフラー家になって、次につながっていきます。

さて、新たに登場する子供たち、ジャクソンとマックス、それにキミーの娘のラモーナは、とにかく元気いっぱいで騒がしいです。デジタルネイティブ現代っ子らしく、ゲーム機やタブレットスマートフォンに夢中。悪知恵が働き、無謀で、子供のプライドを持っているけど、感情の奔流には勝てない。こういうところはいつの時代も変わらないんですね。第3話で留守番中にジョーイとはしゃぎ遊ぶところは、子供の子供らしい一面が見られてとても楽しいです。

DJとステフには、いつも家に押しかけてくるキミーという親友がいました。そのキミーのポジションは、ジャクソンとマックスにとってはラモーナだと思っているんですけど、でもラモーナは押しかけるどころか同じ家に住んでいるし、なにより異性だし、ちょっと感覚的に違くなってくるのかもしれません。キミーとフェルナンドが復縁して、フラー家から引っ越すということになった時には、ラモーナはとても寂しそうだった。それと、ジャクソンはローラというクラスメイトと"いい感じ"になってくるんですけど、それを見ているラモーナが、なんとなくこう、ね(笑) 第2シーズン以降で何かあるかもよ、この三角関係w

DJもステフも相変わらず恋多き女性で、ステフの自由奔放なところは変わってない。DJは生真面目な性格が仇になってなかなかはっきりした態度を取れない。それでも一度は結婚してるから決めようと思えば決められるんだろうけど、まぁそのへんは今後もはっきりとは描かれないでしょうな。僕は昔からスティーブンがあんまり好きじゃないので、くっつくならぜひマットでお願いしたい。マットも大概がめついけどw

このドラマのテーマは「家族と友情」です。困ったときに助け合える家族。悩みを聞いてくれる親友。立ち直るきっかけをくれる兄弟。一緒に笑って騒げる友達。そういう"いつも隣にいる人たち"を大切さを、丁寧に丁寧に描いたドラマです。ホームコメディとしては普遍のテーマですね。20年経って制作された新作でも、前作と変わらず、前作と同じスタイルで描き続けている。あの空気感を再現して作るというのは、共同プロデューサーも務めたジョン・ステイモスのこだわりだったんでしょう。だからこそ、オールド・ファンも安心して見ていられる。とてもありがたいです。

「フラーハウス」は第2シーズンの制作が決定しました。フラー家の物語はまだまだ続きます。クランクインもまだだし配信時期は未定ですが、子供たちも大人たちも、どう変わっていくのかが今から楽しみ。今度こそミシェル出るかな?「フルハウス」と同じような息の長いシリーズになるといいなと期待しながら、ゆっくりと次を待とうと思います。