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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ1部第10節 耐えて、耐えて、耐えて。

2016 プレナスなでしこリーグ1部
第10節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース△0 - 0△日テレ・ベレーザ
2016/05/22(Sun.) 14:00 ひたちなか市総合運動公園陸上競技場
8位(勝点9)→7位(勝点10)

地方開催のホームゲームを積極的に実施しているベレーザが、今年は茨城・ひたちなか開催をジェフレディース戦に当ててきました。僕としても地元の茨城になでしこリーグがやってくるということで、「ようこそ茨城へ!」という心持で、ひたちなかへ行ってきました。ここに来るのは実に3年ぶり、つくばFCの関東昇格戦以来ですね。

太平洋に近い常陸特有の気候、強く冷たい海風の吹く中、この日も風に翻弄されることになりました。今季のジェフレディースは、とかく強風についてまわられていますね。吹きっさらしの陸スタには遮るものもなく、ハイボールは狙いを定められずに苦労しました。

シュート数はジェフが6本、ベレーザは12本。ただ派手に打ち合ったかというとそうでもなく、ベレーザも苦し紛れの力のないシュートが多かったです。隅田、籾木、中里あたりが中心になってゲームメイクしようとしていましたが、両サイドの押し上げがいまひとつうまくいかずに、ジェフの網に引っ掛かることも多かった。長谷川はキレのあるドリブルで打開しようとしていましたが、千野さんが常に上手く対応してましたね。今回はベレーザのサイド攻撃にはそれほど怖さを感じませんでした。前節の浦和のほうがよっぽど厄介だったな。

ベレーザの調子が今ひとつ上がらないからといって、ジェフにその隙を突けるかというとそうでもなく、こちらはこちらで中盤からの展開に難がありました。中盤での守備は比較的上手くいっていて、ボールを奪ってショートカウンターを仕掛けられることも何度かありました。が、その一発目のパスが良くないのです。サイドにはたこうにもバックスの裏にストレートに通そうにも、あまりに厳しすぎて受け手がついていけない。あんちゃんや寛ちゃんの強みをもっと活かせるようになりたいですね。ここの呼吸が合えば、チームとしても良いリズムでゲームを作れると思うので。

で、その要はボランチの西川彩華です。にっしーは足元でボールをコントロールする技術はすごく高い。柔らかいタッチで相手のチェックをスルッとかわすところなんて、およそ女子サッカーではお目にかかれないものです。反面、自分のコントロール下にない、中途半端なボールに対するアプローチがどうしても巧くいきません。横パスやディフレクションのボールをダイレクトではたこうとするんだけど、いらんところでハードヒットしちゃって受け手が追い付けないとか、逆に力が入らなさすぎてショートして相手にとられちゃうとか。

ボランチはチームの心臓です。攻守のカギを握るにっしーの成長が、そのままジェフレディースの成長になるといっても過言ではない。U-20代表に選出されて今週は海外遠征に入りますが、いい刺激を受けて成長の糧にして、ジェフレディースの飛躍のためにがんばってほしいと思います。

見どころは多くない試合でしたが、ジェフレディースとしてはしぶとくよく耐え、我慢して1ポイントをもぎ取った試合になりました。圧倒的な実力を見せて首位を快走するベレーザに対して、90分間を通して集中の糸を切らさず、前半の強烈な風下にも、最終盤の3分間に及ぶ猛攻にも、チーム全体で体を張って守り切った。決定機をモノにできず無得点に終わったのは残念ですが、リーグトップの24得点を誇る攻撃陣を完封したことは、確かな自信になるはずです。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。ベレーザの強力なアタッカー陣を相手に防戦一方になりがちでしたが、隣に磯金さんが復帰してバックラインのバランスが整ったこともあって、左サイドの守備ではしっかり役割を全うしました。清水に中里、田中美南も、そろってスピード系ではなかったのも僥倖でしたね。

ドリブルは日に日にキレ味を増しています。1対1でも狙って相手をかわせるようになってきてますね。後半には、瀬戸口さんからのパスを受けて相手ボックス内に単騎で侵入、もう少しでシュートチャンスというところで、岩清水の網にかかってしまいました。実に惜しかった!本人も「あと一人かわせれば、だったんですけどねぇ」と悔しそう。千載一遇のチャンスでしたが、残念でした。

でも、着実にゴールには近づいてます。あと1人、あと一歩、あとひと振り。その日を楽しみに、次のチャンスに期待しよう。

次の仙台戦で、リーグ戦はいったん中断します。リーグカップに向けて、そしてリーグ後半戦に向けて、ひとつ自信をつけて臨むためにも、上位の仙台といい戦いをしてほしい。そのために、しっかり準備してホームゲームに臨んでほしいと思います。苦しいときこそ、初心に返って「走って、戦いきる」、そしてサッカーを楽しみましょう。

そういえば、この日は同じひたちなか市総合運動公園のスポーツ広場で「JFAガールズサッカーフェスティバル in ひたちなか」が開催されまして、つくばFCレディースの選手たちもお手伝いしたそうです。そのあとにはこのなでしこリーグの試合を、バック側の広告看板裏という特等席で観戦していました。スタンドにはジェフレディースの瀬戸口さんの筑波大時代の同期(つまり2013年の女子インカレ準優勝メンバー)、國香選手と菅原選手もおりまして、旧知の活躍を楽しんだようでした。上のカテゴリの試合を見て、何かしら自分たちの糧にしてくれたらいいなと思います。