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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ1部第11節 カエルの置き土産

2016 プレナスなでしこリーグ1部
第11節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○2 - 0●ベガルタ仙台レディース
2016/05/28(Sat.) 13:00 ゼットエーオリプリスタジアム
7位(勝点10)→7位(勝点13)

リーグ戦中断前の最後の試合。上位を快走する仙台を相手に、調子に乗りきれないジェフがどこまで渡り合えるか、リーグカップに向けていいきっかけをつかめるか、重要な試合でした。もちろん、角田で完敗したリベンジを果たしたいという思いもある。気合を入れて臨むホームゲームです。

U-20代表の海外遠征のため、レギュラー格の安齋さんと西川さんが欠場。ポジションの組み換えなどがあるかなと思いましたが、三上監督の選択は、ボランチには鴨ちゃん、前線に横山亜依さんを起用して、小沢寛ちゃんを右サイドにスライドするというものでした。既存のメンバーがいるポジション、特にバックラインのバランスはできるだけ崩したくないということかな。中盤が本職でない鴨ちゃんの起用は不安要素でもありましたが、個々の役割をはっきりさせるという意味では、結果的には一定の成果もあったと思います。

試合は、序盤に深澤さんと菅澤さんがあげたゴールで、早々に2点をリード。菅澤さんは相手のパスミスを拾って、GKとの1対1を決めたもので、ようやくの本領発揮というところです。今季はああいう決定的なシーンでことごとく決められず、自身の不調を周囲にも印象付けてしまっていました。ですが、ここで気持ち良くミドルを決めて、いいきっかけをつかんでくれそうです。角田で完封された北原相手にも、やり方を変えつつしっかり対抗して自分の強みを出せました。このあとは代表遠征に入りますが、アメリカとの2連戦で刺激を受けて、またチームに戻ったらコンディションをしっかり整えて、後半戦こそ大爆発して、ジェフの躍進を支えてほしいと思います。なんだかんだで、ジェフレディースの浮沈はユイカのゴールにかかっているのだよ。

この日は中盤での積極的なディフェンスが面白いようにハマりました。秋津の湯郷戦のときのように、人数をかけて相手のボールホルダを囲い込むやり方と、相手とボールの間に素早く体を入れてフェアにインターセプトするやり方、そのどちらもが全部うまくいく。その中心にいたのはボランチ起用された鴨ちゃんで、前だけを見るある意味猪突猛進なプレスでサクサクと仙台からボールを奪っていく様は、いっそ爽快ですらありました。ハーフウェイ付近でボールを奪えば一気にショートカウンターのチャンスなわけで、その意味でも奪ってからすぐドリブルで自らボールを前に運べる鴨ちゃんが真ん中にいたのは、かなり良いチョイスでした。三上監督してやったりですね。もちろん鴨ちゃんがそれだけの積極的なプレーを見せられたのは、バックラインと瀬戸口さんの5人が後ろをしっかりを支えて安定したディフェンスをつづけたからでもあります。

後半は防戦にまわる機会も多くなって追加点は取れませんでしたが、角田のリベンジを果たす完封勝ち。理解での仙台戦は、実はけっこう相性いいんですよね。上位の仙台を相手に内容の伴った勝利を得て、いい雰囲気で中断に入ることができます。このあとはリーグカップ。Aグループはめっちゃタフな面々が揃っていますが、タイトルを目指してがんばりましょう!

この日は愛媛から一平くんが駆けつけてくれました。山根さんとけっこう仲良しなんですよね。入場もいっしょにしたし、勝利のでんぐりもやってくれたし、ハーフタイムにはユースっ娘とボール遊びも。試合中は、応援席で大旗を振ってくれました。完勝はそのおかげもあるかな。またぜひ来てくださいね。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。シーズン前半を、11試合フルタイム出場で締めくくりました。ケガもなく、体調もしっかり整って、元気にピッチを走り回っています。ファンとしては、こうしてピッチでプレーする姿を見続けられるのが一番ですよ。何より嬉しいことです。

この日の仙台はサイドから崩しに来るということはあまりなくて、なのでディフェンス面で目立つということはそう多くはありませんでした。深澤さんとの前後のポジション交換も実にスムーズで、早い段階でプレスをかけて落ち着いて対応することができてましたから、左サイドから致命的なピンチを招くことはほぼ皆無でしたね。ここにきてようやく全体のバランスが整いつつあります。

前への積極性も相変わらず。隙あらば前線の深いところに飛び込んでいって、後ろからのチャンスボールを待ち構えています。このときは深澤さんと磯金さんが後ろをちゃんとケアしてくれていて、安心して前に出ていけています。今回も果敢に左サイドのスペースに走っていきましたが、残念ながらボールは飛んでこず、思わず両手を広げて「見て!見てー!」とアピールする始末でした。辛抱だ、辛抱だ。焦らず続けていけば、必ずチャンスは来るはずだ。

ここのところ、試合後には井上・芦川両コーチをよく話しています。試合ごとに課題も見つかっているでしょうし、また持ち味を出せた部分もあると思います。そういうところを、チーム戦術ともすり合わせながら自分のものにしていけるのは、大変貴重なこと。いろいろ吸収しようとしているということは、いま楽しくサッカーができているという証拠ですね。

リーグ前半の締めだったので、久しぶりに出待ちをさせてもらいました。完封快勝のあととあって、表情は晴れ晴れ。すっきりとした笑顔でいろいろ話してくれました。大学4年生になって学業も忙しく、サッカーとの両立はやっぱり大変そうです。でも、実はそういうところに今季の好調の要因もあったりするようで、大変だけど充実しているみたい。根っから体を動かすのが好きなんだな。これからもケガには気を付けて、はじける笑顔で走り続けてほしいと思います。

リーグ戦の再開は9月になります。この3か月間をうまく使って、チーム力をしっかりアップさせて、後半戦は大躍進といきましょう。