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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこL杯1部第7節 ひたすらに前へ

2016 プレナスなでしこリーグカップ1部 Aグループ
第7節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース○2 - 0●伊賀フットボールクラブくノ一
2016/07/18(Mon.) 17:00 フロンティアサッカーフィールド
3位(勝点6)→3位(勝点9)

1週のインターバルを経て、カップ戦も2巡目に入りました。ベレーザINACが同居する厳しいグループでなんとか準決勝への可能性を残しているジェフレディースは、伊賀戦では絶対に勝ち点を落とせません。ホームで勝って勢いをつけて、上位陣との連戦に望みたいところです。

2週間前の高槻戦と同じように、この試合もほぼジェフがポゼッションを取りました。序盤は安斎さんや深澤さん、菅澤さんを中心に伊賀ゴールを攻め立て、惜しいフィニッシュもいくつも繰り出します。ただ、この「ジェフの時間帯」をモノにできないまま過ぎると、やや展開がペースダウンすると同時に集中が途切れがちになって、なんでもないパスミスやトラップミスからのボールロストが目立つように。前後半の中盤あたりって、なぜだかいつも気持ちと出足が遅くなりがちですね。中盤でボールをキープして全体を落ち着けることがなかなかできないので、スクランブルの上下動が激しくなって無駄に運動量を消費してしまう。この悪癖は、どうにか改善したいところです。

いやァな感じで前半が終わりそうだったところですが、菅澤さんのクロスから深澤さんが力業で身体ごとゴールに突っ込んで先制。深澤さんは、決して"上手い"選手ではないんですけど、それを補って余りあるタ勇気とタフネスがあります。大事なところでがんばれる、一歩が出てくるという部分で、どうにも代えの効かない選手です。巧さだけではない「強さ」を、他の選手ももっと身につけてほしいと思うのですよ。「走る、闘う」をコンセプトに掲げてるんだから、負けずにがんばらないと。

伊賀は、畑中、杉田、小川志保という能力のある個が中心の組み立て。ローレンを含めた前線の強さと迫力は脅威でしたが、ポストプレー一辺倒でバックラインの裏を狙ってくることはしてこなかったので、ジェフは常に数的有利を作って対応することができました。スペースではなく人に対してパスを入れてくるので、フィジカルの強いバックラインがいるジェフとしては守りやすかったですね。

最終盤に瀬戸口さんが左脚ミドルで追加点を取って、2-0で勝利。相手にペースを握らせなかったので快勝という見方もできますが、もうちょっと落ち着いてゲームを作って、完全に試合を支配してしまいたかったですね。どうにか勝ちきった、という印象でした。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックと、今節も終盤は左のアタッカーでフル出場。動きも軽くプレーもキレキレで、左サイドで十分な存在感を示した90分でした。

前が小沢寛ちゃんだった前半はうまく連携を取ることができず、前線への飛び出しも少なめ。上野ちゃんの攻撃への積極性という部分では、相性があまりよくない気がします。寛ちゃん自身はサイドの深いスペースを意識すれば強みを発揮できる選手ですし、安斎さんと深澤さんを含めた3人のポジションのやりくりというのは、三上さんのアタマを悩ませるところ。寛ちゃんにもっと目立つスペシャリテが身につけばまた変わるんでしょうけど、一朝一夕にはいかないしね。

後半は深澤さんが左にまわって、上野ちゃんもポジションをうまく上げられるようになりました。ドリブルのキレ味は変わらず鋭く、加えてこの日はボールタッチが巧みで攻撃での1対1をほとんどモノにしていました。まさしく「ボールが脚に吸い付くような」コントロールを連発。瀬戸口さんへの見事なスルーパスを通したり(アシストとはなりませんでしたが)、キレッキレでした。

83分にポジションを1列前に上げてからはさらに勢いが増しました。サイドだけでなく中央にも動いて、相手にプレスをかけ、味方からのボールを引き出しました。残り10分を切ってなおあの動き。たった10分であれだけの存在感を示せるわけで、試合後に「上野はスタートから1列前で見たかったよね」という声が聞こえるのもうなずける話。豊富な運動量と攻撃への積極性という、上野ちゃんの真骨頂を見た気分です。

先に書いたとおり左サイドのチョイスは三上監督も試行錯誤しているところで、もしサイドバックに若林美里さんか林香奈絵さんが定着できれば、上野ちゃんがサイドハーフ、ツートップの一角に深澤さんという形を作ることができます。ポジションの組み換えを別にしても、上野ちゃんの初ゴールがぐっと近づいているという実感もあります。そのときを楽しみに、願わくば目の前で見られるといいなと思いながら、これからも応援していこうと思いますよ。

カップ戦も大詰め。今週末からINACベレーザとの連戦になります。高槻戦までの残り3試合は、負けたらほぼ終わりの一発勝負。気負わず、焦らず、気を引き締めて、準決勝進出を目指してがんばりましょう!