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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ1部第17節 "一発"を手にできるチカラ

2016 プレナスなでしこリーグ1部
第17節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース●0 - 1○浦和レッドダイヤモンズレディース
2016/10/15(Sat.) 14:00 フクダ電子アリーナ
6位(勝点20)→6位(勝点20)

早いもので、なでしこリーグも今季のホーム最終戦となりました。マッチデースポンサーがついたこの試合は、招待もあって1800人が観戦。対戦相手の浦和がルヴァン杯の決勝と重なったことで動員が減ってしまったのは残念でしたが、フクアリでの試合を多くの人に楽しんでもらえたのは何よりです。

レッズレディースには、今季はアウェイゲームで0-1の惜敗。拮抗した試合展開から柴田華絵の"一発"に沈んでしまった格好でしたが、果たして今回も同じような試合になりました。足下の技術が確かなボランチ2枚を擁して中盤センターを制圧する浦和と、運動量を強みとするダイナモを配置して両サイドで主導権を握るジェフ。それぞれの長所を発揮してお互いにリズムのよいサッカーを展開しますが、フィニッシュの部分、ストライカーとセンターバックの勝負では互いの守備陣がしっかりと踏ん張って相手に仕事をさせず、引き締まったゲーム展開になりました。今季は残留争いに巻き込まれ、下位同士の対戦となった両チームですが、一進一退でエキサイティングな攻防が繰り返されて、集まった観客を十分に魅了したと思います。もちろんゴールがもっと決まればもっと楽しかったと思うけど、ジェフレディースとレッズレディースの「サッカーの魅力」は、十分に伝わったんじゃないかな。

前半をゴールレスで折り返して、やはり今回も"一発待ち"に。そしてその一発を手にしたのはまたしても浦和で、今度もコーナーキックからでした。1発、2発としぶとく守っていたジェフでしたが、最後は長船のハイジャンプに屈して失点。セットプレーの崩れでマンマークがアンバランスになると、やはりキックの精度と高さがモノをいいますね。それを発揮できる選手が多く揃っている、活かせているというのが、このところの浦和の好調の要因のひとつなんでしょう。開幕7試合勝ちなしって、ホント一体なんだったんですかね(笑)

ジェフは今まさしく満身創痍です。前節負傷欠場した磯金さんは思っていたよりも軽傷でスタメン復帰しましたが、今度は千野さんが離脱。鳥取で途中出場して切れのあるプレーを見せた"みっつー"こと三橋明香もケガをしてしまったようで、右サイドの活力が一気に失われてしまいました。今回は櫻本さんが右サイドバックにまわりましたが、引いた守備はさすがに相当巧いんですけど、敵陣では安齋さんが孤立してしまってかなり苦しい展開を強いられてしまった。あんちゃん1人で塩越と北川の2人を相手にするのはムチャってもんですよ。 他にもケガを抱えながらプレーを続けている選手は多いし、苦しい時期が続いています。次のリーグ最終節とその後の皇后杯2試合を終えれば、1ヵ月半の中断期間。なんとかそこまで持ちこたえて、11月を心身ともにリフレッシュする時期としてほしいところです。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでスタメン出場。後半のラスト20分間はポジションを上げて左サイドハーフでプレーし、90分間フル出場しました。そしてこの試合の出場で、リーグ戦・リーグカップ皇后杯を含めたジェフレディースでの公式戦出場が、100試合に到達。試合後には若林美里さんのリーグ戦100試合出場のお祝いがありましたが、上野ちゃんもひっそりと大台を達成していたのでした。おめでとう!

右サイドの活力が停滞する中で、攻撃の起点は次第に左に偏っていくことになりました。必然的にボールに触る機会も増えていくんですが、浦和もこちらサイドをしっかり引き締めてケアしていたので、余裕を持って思うようにプレーできたかというとそうではなかったですね。前半にバイタルのスペースを見つけてスルスルと上がって待ち構えたのが、この日最大のチャンスだったかな。終盤はポジションを上げたものの、マッチアップが本職センターバックの栗島になった上に長船と常に2人でカバーされてしまったので、得意のドリブルを披露できる場面もありませんでした。この試合は、チームとしても全体的に苦しかったね。

浦和の右サイドバックに栗島がラインナップされていたので、個人的には塩越と上野ちゃんのマッチアップを見られるかと期待したんですけど、塩越が左にまわってしまったので、残念ながらかなわず。駒場でどえらいインパクト植えつけられて以来注目してる選手なんですけど、塩越の左サイドってどうだったのかな、やれてたんだろうか。駒場のときほどゴリゴリ感は感じなかったなーというのが率直なところなんですけど、どうなんですかね。

試合後にはゲート下での見送りに並びましたが、ずいぶんと疲れた表情をしてました。気温の変動もあったし、2週のブランクからコンディションを戻すのも大変だっただろうし、この日もかなりタフなプレーを要求されていたので、さもありなんかな。それでも力強くバチッ!とハイタッチしてくれたので、皇后杯には万全のコンディションで臨んでくれると思います。

2016年のなでしこリーグも、次の伊賀戦で最後になります。早いなあ。お互いに1部残留は決まっていますが、負けると順位が入れ替わってしまうので、きちんと勝って6位でフィニッシュしたい。リーグ戦の最終順位は来年のリーグカップの組み合わせにも影響するしね。その後の皇后杯に向けて、弾みをつけていきたいところです。がんばりましょう!