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がんばりすぎずにあるこうや。

つくばFCの2016年シーズンが終わりました (1/3)

つくばFCの男女トップチーム「ジョイフル本田つくばFC」と「つくばFCレディース」は、12月6日もって2016年シーズンの公式戦をすべて終了しました。4月3日の開幕から、中断もありながらのまる8ヶ月。長丁場のシーズンがようやく終わり、落ち着いたオフシーズンに入ります。

昨年に続いて、個人的な視点からつくばFCの2016年を振り返り、来年に向けての展望を紐解いていきます。

勝負どころで力を発揮できなかった【ジョイフル】

ジョイフル本田つくばFC
第50回関東サッカーリーグ1部 5位(勝点27、8勝3分7敗、得失点差+3)
第52回全国社会人サッカー選手権大会 第4位
第19回茨城県サッカー選手権 1回戦敗退
第9回KSL市原カップ ベスト8

上位定着をテーマとして2年目の関東1部に臨んだジョイフルでしたが、序盤戦と終盤戦で低調となってしまい、今シーズンは5位でフィニッシュとなりました。かろうじてトップハーフは維持しましたが、本音を言えば、もう2つは上の順位で終えたかったところですから、残念な結果ではあります。

ホームゲームではわずかに1敗、18試合で37得点と、昨シーズンに続き攻撃力の高さとホームでの強さを見せたものの、対照的にアウェイでは3勝6敗と不振。失点もリーグワースト2の34失点で、守備面では相変わらず課題を残すことになりました。3失点以上の試合という観点では、ホームではゼロなのに対しアウェイで5試合。いずれの傾向も昨年と変わりません。

リーグ戦は高い攻撃力と脆い守備が見られたのに対し、トーナメントゲームでは集中した守備を継続して、ロースコアからの延長戦という試合が多くなりました。特に全国社会人選手権では、試合ごとにガラッと戦術を変えながらしぶとく戦っての第4位。強豪のFC今治PK戦の末に破るなど、全国に対し大きなインパクトを残しました。最終的に望んだ結果を勝ち取れず悔しい結果に終わりはしましたが、相手に合わせて柔軟にコンセプトを変え、かつそれにしっかり対応していく様は、本当に見事なものでした。選手の入れ替わりや負傷者の続出にも対応してチームを作り上げた副島監督と、監督の意図を着実に汲み取ってピッチで体現した選手たちは素晴らしいと思います。

地域CL出場とJFL昇格はかないませんでしたが、それにあと一歩せまるところまでいくことはできました。「全国4位」という成績はいうまでもなく立派に誇れるもので、来季以降に十分な期待を持たせるものとなりました。

足元をすくわれた【レディース】

つくばFCレディース
2016プレナスチャレンジリーグEAST 5位(勝点16、5勝1分9敗、得失点差-12)
2016プレナスチャレンジリーグ総合 11位(勝点4、1勝1分1敗、得失点差-1)
2016プレナスチャレンジリーグ入替戦 1勝1分 残留決定(2戦合計4-3)
第38回関東女子サッカー選手権 第8位

全国リーグ2年目となったレディースは、昨年に続いて入替戦にまわることになりました。皇后杯予選からのインターバルが約1ヵ月半と、調整の難しいシチュエーションではありましたが、茨城ダービーとなったMITO EIKO FCとの入替戦と1勝1分として、来季のチャレンジリーグ残留を決定。来年も全国リーグに挑戦できることになりました。

レギュラーシーズン・プレーオフともに、ライバルチームの想定外のV字回復に足下をすくわれた格好になったのは否めません。北海道の監督交代後の勢いはものすごかったし、新潟医福大がプレーオフで3連勝するとは誰も予想しなかった。プレーオフに関していえば、つくば(とWEST 5位の名古屋)としては、新潟医福大、JSCLと対戦する最初の2試合で2連勝して、最終戦を待たずに残留を決めるつもりだったはず。それがお互いに新潟医福大からの星を落としてしまい、最終戦で潰しあうことになってしまったのは、ある意味不幸ではありました。

ただ、ライバルチームの成長に対してつくばはシーズン中の上積みが思うように得られなかったのも事実で、最終的には得点力・攻撃力の差が勝敗を分けたんだと思います。プレーオフ最終節の「引き分けでもダメ」というプレッシャーはこのレベルの選手たちには非常に重く、確実に得点を狙うあまり慎重になりすぎて、結局決定機を逸してしまうシーンが多くなってしまいました。

昨シーズンの8得点15失点(15試合)に対して、今シーズンは16得点29失点(18試合)。複数得点も3試合ある一方で、3失点以上の試合が4試合あり、守備力の確定的な安定には至りませんでした。また無得点の試合も7試合、うち6試合で敗戦しています。組織的に一貫したサッカーを展開してゲームを作ることができるようになり、昨シーズンに比べるとチーム力が大きく向上したことは確かですが、数字として現れる"結果"の部分では、攻守両面で上位とはまだ差があった。選手個人としてもチーム全体としても、今後に向けてどう上向けていくかは重要なポイントとなりそうです。 

セカンドチームとしての利を活かしたい【ネクスト】

今季から女子のセカンドチームがスタートし、つくばFCは男女ともにセカンドチーム「ネクスト」を揃えることになりました。14チームが属する茨城県リーグ2部A(1回戦総当り)に参戦した男子の「つくばFCネクスト」は、13試合を11勝2分0敗で2位。一方6チームで争う茨城県女子リーグ1部(1回戦総当り+上位1回戦総当り)の「つくばFCレディースネクスト」は、7試合を4勝0分3敗で総合3位として、それぞれ今シーズンを終えました。

今季セカンドチームからトップへの引き上げは、男子ではGK森本が負傷離脱した時期に緊急で鈴木悠生が昇格。女子では攻撃陣へのてこ入れとしてFW豊嶋舞子が、また入替戦に際してDF菅原明香とMF齋田渚がそれぞれ昇格しました。鈴木は公式戦の出場機会はありませんでしたが、豊嶋は通算5ゴールとトップチームでも活躍。斎田も2ゴール、菅原もセンターバックで途中出場して十分な存在感を示し、CL残留に貢献しました。「実戦を通じてポテンシャルを引き出し、トップチームへ還元する」というセカンドチームの目的を考えれば、一定の成果は出ているのだろうと思います。

トップチームとセカンドチームとで戦っているリーグのレベルに差があり、ネクストで活躍したから即トップで結果を出せるというわけではありません。うまく還流ができるようになるのは、県リーグ1部で優勝争いするとか、関東2部に昇格してからになるでしょうかね。セカンドチームの保有は経営的にはけっこうは負担になるはずなので、戦力的・環境的な部分でメリットを十分に引き出せるようにすることが大事。クラブにきちんとしたビジョンが備わっていることを期待します。

一方で、クラブとしてはネクストを広報的にどう扱うか図りかねている節があります。公式サイトには県リーグの試合日程すら載っておらず、男子は選手プロフィールの掲載も十分ではない。かと思えば突然YouTubeに試合告知動画が載ったりする。アピールしたいのかしたくないのかがいまいち不明確です。レディースネクストの選手はトップチーム選手と一緒くたに紹介されていますが、これもあまり良いとはいえないですよね。運営・広報・人事など、来シーズンに向けてセカンドチームの立ち位置をきちんと整理してほしいところです。

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