stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

つくばFCの2019シーズン前半戦を振り返ります

4月に開幕したつくばFCのシーズンは、夏の中断期間に入っています。ちょっとひと息入れるタイミングかなと思うので、個人的な視点でチームのシーズン前半を振り返ってみようと思います。

チームの強みを失った【ジョイフル】

ジョイフル本田つくばFC
第53回関東サッカーリーグ1部 後期第3節終了 6位(勝点13、3勝4分け5敗、得失点差-7)
第55回全国社会サッカー選手権関東予選 代表決定戦敗退
第22回茨城県サッカー選手権 準優勝

昨年7位からの巻き返しを期した男子トップチーム。ホームでの開幕2連勝でスタートダッシュに成功したものの、大型連休以降は思うように結果が出ず、12試合で3勝どまり、7試合勝ち無しという状態のまま中断を迎えました。

低迷の原因は、数字から明らかです。昨シーズンまでと比べて、はっきりと得点が獲れていません。ここまで12試合で11得点と、1試合平均で1.0を下回っています。勝った3試合はいずれも3得点と結果が出ていますが、一方で7試合で無得点に終わっており、これまでのジョイフルの強みであった高い攻撃力が完全に鳴りを潜めてしまいました。ツートップを組むFW宮本とFW川島、新加入のFW山下やFW櫻井など、アタッカー陣のポテンシャルは高くともパフォーマンスを発揮できない試合が続いていて、小松監督としてはなんとも苦しいシーズンになっていることでしょう。

他方で守備陣はここまで18失点と大崩れすることなくきています。前期第3節ではV市原に4失点の大敗を喫したものの、DF佐藤と筑波大卒のルーキー・DF竹中のセンターバックはなかなかに強靭。両サイドも、強さのMF堀西と高さのFW今井渓太、スピードのDF池本などタレントが揃っていて、安定した4バックを形成してチームの土台を支えています。それだけに、攻撃陣には何とか守備陣の奮闘に応えてもらいたいところです。

リーグ戦では苦戦が続き、全社も予選で敗退して出場権を逃しましたが、一方で天皇杯茨城県予選では初めて決勝に進出しました。準決勝では流経大ドラゴンズ龍ヶ崎に延長の末3-2で勝利。決勝では流通経済大のファーストチームを相手に大健闘し、惜しくも0-1で敗れたものの、その差は本当にわずかなものでした。試合後の選手たちは一様に悔しそうな表情をしていましたが、しかし天皇杯本大会への道筋が初めてはっきりと見えかけた試合でもありました。来年こそは、ハイレベルな茨城の大会を勝ち抜いて、本大会出場を達成したいですね。

新戦力の躍動でステップアップを果たした【レディース】

つくばFCレディース
2019 プレナスチャレンジリーグEAST 全日程終了 4位(勝点19、4勝7分4敗、得失点差-3)

レディースのトップチームは、6チームによる3回戦総当たり15試合のレギュラーシーズンを終了。チーム史上最高成績となる東地区4位、19ポイントを獲得して、毎年入替戦にまわっていた昨シーズンまでから一転、例年より5か月も早く来季のチャレンジリーグ残留を決めて、夏の中断期間に入りました。

5年目の全国リーグとなった今季は、シーズンオフの大幅な戦力整理からスタートしました。即戦力を中心に実力派の獲得に成功し、第1クールを初めて5試合負けなしで通過。第2クールは3連敗スタートと苦しい時期もありましたが、その後の2連勝と、最終節には新潟医福との4位争い直接対決を制して、見事に残留を決めました。

数字上、勝点・得点数・失点数・敗戦数で過去最高成績となり、チーム戦力が大きく向上したように見えます。確かに例年に比べれば著しい成長ではありますが、特に失点数は15試合で23失点、シャットアウトゲームはわずか3試合ですから、守備面は見ている感覚ほど安定していたわけではありませんでした。過去最少失点はGK中橋の能力に寄るところが大きく、ほぼ毎試合のスーパーセーブでチームを救ってくれました。チームは今季新たにスリーバックシステムに取り組みましたが、中盤構成も含めて現状の最適解を見出せているとは言い難いかもしれません。左CBに入っているMF廣田はたびたびポジション的なミスマッチを感じる場面もあって、前で使うことができればな、もったいないな、と思うことは多かったです。

ではなぜ成績がこうも良くなったかというと、攻撃面で強みを引き出せたことが大きかったのではないでしょうか。今季は大台の20得点に乗せ、初めて1試合平均得点が「1.0」を超えたわけですが、中でもFW豊嶋が4得点、FW原島はキャリアハイの5得点と「獲るべき人が獲る」ことができました。特に原島は、90分得点率が0.41、決定率29.4%と高いパフォーマンスを見せ、まさに本領を発揮した形です。
そしてそれを支えたのが、中盤のMF内田、MF衣奈、MF亀井。内田のフィジカルと運動量はチーム随一で、攻撃の起点となり、また相手のカウンターを防ぐことにも大きく貢献してくれました。衣奈と亀井は、本来の位置と逆のポジションで新境地を開拓。ベテランらしい気の利いたプレーでチームに落ち着きをもたらしました。

そしてシーズン終盤へ

男子は2週、女子は5週の中断を経て、シーズンはいよいよクライマックスに入ります。

全社の出場権を逃したことで、今季JFLに昇格するにはリーグ優勝するしかなくなりました。とはいえ、残り6試合で首位V市原との勝点差が18ですから、現実的にはその目も消えています。となると、絶対安定圏の6位を守りつつ、来季を見据えて戦略を整えていく方へシフトするしかありません。シーズンとしてはまだ半ばであるにもかかわらず方針を変えていくのは難しいことですが、目標設定と動機づけを正確におこなうことが、現時点では最も重要ではないかと思います。

成績面は、6位は最低ラインとして、目標としては4位が目安になるのではないかと思っています。というのも、全社関東予選の組み合わせが前年度成績によってシステマチックに決まるので、4位に入れば今季の関東1部勢との対戦を回避できるわけです。また上位に入れば来季のリーグ戦でも佳境の時期に強豪勢との対戦を避けられるので、シーズンの見通しがしやすくなります。4位流経大FCとの勝点差は4。十分に狙える位置だと思います。停滞する攻撃面を見直しつつ、「勝つためのサッカー」を追及して、上位フィニッシュを狙ってほしい。

そして何より、ホームでは4/20の東京U戦以来、もう4か月も勝利がありません。残りの6試合のうちホームで4試合できるので、ひとつでも多くの勝利を手にして地元のファンと喜び合い、来季へ向けた浮上のきっかけをつかんでほしいと思います。

一方、初めて残留争いに絡まないポストシーズンに臨むレディースは、東西の3位/4位が争う中位プレーオフ3試合を戦います。昇格も降格も関係ない試合ですが、この3試合を上位で終わることで、来季のホームゲーム開催数を8試合に増やす可能性を得ることができます。ホームゲームを有料開催して興行化しているつくばFCにとっては、その開催数は多いに越したことはありません。今季1分2敗の北海道、昨季昇格争いした広島、1部での経験もある湯郷と、いずれも強敵ぞろいですが、プレッシャーなくチームの力を試せる舞台なので、大いにぶつかっていきたいところです。

またプレーオフの直後からは皇后杯の関東予選が始まります。今年は関東の出場枠が6枠になり、より厳しくなった出場権争い。関東女子1部勢をはじめ都県代表もいずれも強いですが、2年ぶりの本大会出場、そして「全国1勝」を目指して、チーム一丸となっての戦いを期待します。

今後の試合日程

ジョイフル本田つくばFC
関東サッカーリーグ1部
第4節 vs. 栃木シティFC
8/17(土) 13:00 栃木市総合運動公園陸上競技場
第5節 vs. 流通経済大学FC
8/25(日) 17:00 セキショウチャレンジスタジアム
第6節 vs. 桐蔭横浜大学FC
   9/1(日) 17:00 セキショウチャレンジスタジアム
第7節 vs. 横浜猛蹴
   9/8(日) 17:00 セキショウチャレンジスタジアム
第8節 vs. 日立ビルシステム
   9/15(日) 11:00 日立ビルシステム大宮グラウンド
第9節 vs. ブリオベッカ浦安
   9/22(日) 17:00 セキショウチャレンジスタジアム

つくばFCレディース
2019 プレナスチャレンジリーグ 順位決定プレーオフ
第1節 vs. アンジュヴィオレ広島
   9/1(日) 13:00 ミツトヨスポーツパーク郷原
第2節 vs. ノルディーア北海道
   9/7(土) 13:00 札幌サッカーアミューズメントパーク
第3節 vs. 岡山湯郷Belle
   9/14(土) 13:00 セキショウチャレンジスタジアム

皇后杯 JFA 第41回全日本女子サッカー選手権大会 関東地域予選
9/16(月・祝) 2回戦
9/21(土) 準々決勝
9/22(日) 準決勝/5位決定戦
9/28(土) 決勝
※栃木県開催。会場、開始時刻、対戦相手はいずれも未定。