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上野紗稀選手のジェフレディースからの退団と浦和レッズレディースへの移籍が発表されました

サッカーに移籍はつきものです。特に日本の女子サッカー選手は、仕事や学業の傍らでプレーする"アマチュア"であることがほとんどですから、プレー以外の影響で移籍が起こることも多々あります。ですから、特に在籍4年目以降は、毎年ある程度の覚悟をもってオフシーズンを迎えていました。とはいえ、実際にこうして発表されてみると、やっぱり悲しいし寂しい。前向きな移籍であることが分かっていても、どうしてもそういう感情が先に立ってしまいます。

2013年の5月、フクアリでの新潟戦で初めて上野ちゃんのプレーを間近で見てから、あっという間に7年が経ちました。これだけの長い間、一人の選手をひたすらに応援し続けたのだなと思うと、すごいことだなと自分ながらに思います。がんばってほしい、活躍してほしいと思える選手を、間近で見続けて応援し続けられたのは、とても楽しく、とても充実していて、とても幸せなことです。

上野ちゃんといえば、やはりはじける笑顔が代名詞です。ルーキーイヤーに経験したはじめての代表戦や、雨の成田でベレーザに勝った試合などは、実に充実した表情を見せてくれました。
それからなんといっても、2017年のリーグカップ優勝。ジェフレディースのはじめてのタイトルとなる優勝カップを、最初に天高く掲げたのが他ならぬ上野ちゃんだったのいうのは、本当に嬉しかった。あの日の興奮は今でも忘れません。
その翌週には長野で念願のキャリア初ゴールをあげて、2週連続でお祭り騒ぎになったり、2018年にはリーグ戦100試合出場をお祝いしたり、楽しいこと、嬉しいことばかりです。

試合後に声をかけるといつも快く応対してくれましたし、逆にピッチ外で声をかけてくれることもありました。レディースチームはトップのホームゲームでチケット売りをすることがありますが、あるとき僕のほうが上野ちゃんがいるのに気づけなくて素通りしそうになって、いきなり背中をぶっ叩かれたこともありました(笑)

7年の間に、いろんな楽しさに出会えました。いろんな仲間にも出会えました。それまで知らなかったことをいろいろ知ることができました。本当に、とても充実した7年間でした。

新天地はレッズレディースになります。レッズレディースユース出身の上野ちゃんにとっては、8年ぶりの"古巣復帰"ということにもなります。もしジェフから移籍することがあるなら、行き先はきっとレッズだろうなという感覚はずいぶん前からあったので、あまり驚きはありません。レッズレディースの新体制発表でユニフォーム姿もお披露目しまして、真っ赤なユニフォームがまた悔しいほど似合ってますね。新しい背番号は12番ということで、こっそりと「2」が残っているのが個人的にはちょっと嬉しかったり。レッズには仲良しの菅澤さんも、ユース時代から親友の栗島もいますし、チームに馴染むのに苦労はしないでしょう。ユースのころから知ってくれているサポーターさんもいるでしょうから、温かく迎えてくれるはずです。

成長という意味でも、日本代表経験者を多く抱えるチームの中でレベルの高いサッカーを経験することで、一段も二段もレベルアップすることができるはずです。ポジション的なライバルとしては、左右両サイドをこなす佐々木繭と、直近でA代表にも選ばれている南萌華、ユース出身で世代別代表の経験も豊富な高橋はなといったあたりで、これは相当に高い壁です。スタメンを勝ち取るのは容易ではない。ですが、彼女らを上回って試合出場を果たすことができれば、それはこの移籍が正しかったという証明にもなります。高倉さんの目に留まれば、代表の青いユニフォームに再び袖を通すことも、叶うかもしれない。

ジェフの黄色いユニフォーム来てピッチを駆ける姿を見ること、「ジェフレディース上野紗稀」として日本代表に選ばれることは、なくなってしまいました。どうしたって残念でさびしい。その気持ちはぬぐえませんが、ジェフレディースにいたとき以上に大活躍して、この移籍が正しかったことを証明してくれるはずです。それを期待して、これからも応援していこうと思います。


上野ちゃんが移籍しても、もちろんジェフレディースのサッカーは続いていきます。シーズンが開幕を迎えたとき、自分がどんなスタンスや心持ちでいるのか、いまだに全然想像できません。ただ、少なくともレディースの試合を全く見に行かなくなるということはないし、一度べったり追いかけたものからスパッと離れるなんてことができようはずもないので、自分のモチベーションに合わせて応援していこうと思います。