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がんばりすぎずにあるこうや。

なでしこ1部第18節 迫力不足

2017 プレナスなでしこリーグ1部
第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース●0 - 1○マイナビベガルタ仙台レディース
2017/10/07(Sat.) 13:00 ユアテックスタジアム仙台
7位(勝点22)→7位(勝点22)

3月に始まったなでしこリーグも、早いものでこれがラストゲーム。今年はホーム/アウェイ問わず観に行けない試合も多かったので、思い切って仙台まで行ってきました。仙台はこれまでも何度か来ていますが、ここで勝ったことないんですよね。そろそろ良い思い出を持って帰りたいところでしたが、残念ながら今回も適いませんでした。

北国の冷たい雨が降りしきる生憎のコンディション。ピッチ状態は決して劣悪ではありませんでしたが、ある意味季節外れの寒さと雨でみな一様に苦労していたようでした。守備陣はある程度安定していて、仙台のコンパクトな攻撃にバックラインがしっかりプレスをかけて対応し、大きく崩される場面はそう多くなかったと思います。仙台はインサイドハーフの安本と佐々木がバイタルエリアを自由に動く戦術で、捕まえづらい反面攻め手の範囲が限られているので、スペースをケアしておけば決定機は作られない。そういった部分は、試合を通じてうまくいっていたと思います。

失点はセットプレーの流れから。中途半端なクリアを浜田遥に拾われて、見事な反転ループでネットを揺らされました。あれはしょうがない、浜田が巧かったです。マークが外れていたわけではありませんが、ボックス内で強く体をぶつけにいくのも躊躇われただろうし、船田さんにはノーチャンスでした。

むしろ問題は攻撃の組み立てのほうで、ポゼッションをとったあとにゆっくりに攻め上がるにしろショートカウンターを狙うにしろ、最初の1本目、2本目のパスがミスになって、あっけなくボールをロストしてしまうというシーンが非常に多かった。そのせいでチャンスの数そのものが減ってしまったし、上下動が異常に増えていたずらに運動量を消費してしまって、終盤にスパートをかけることもできませんでした。後半アタマからアンカーに礒金さんを入れてボールの流れを整理しようとしましたが、その礒金さんが"B面"だったこと、サイドに出た鴨ちゃんが思うように強みを活かせなかったことも誤算でした。

後半になって前線のポジションを入れ替え、フォアチェックの意識を高めたことで、前半の2本に比べて後半は5本と、シュートの数そのものは増えました。が、ゴールエリア近くまで接近してから狙うか、あるいはボックス外からミドルシュートかという感じになって、チャンスらしいチャンスには見えなかったのが残念でした。アタッキングサードで細かくつなぐのが悪いわけじゃないんですけど、狙ってるパスじゃないんですよね。なんとなく"あの辺"に向けて蹴ってる、という感じで、ちょっと意識が薄弱だったように思いました。あれじゃ相手はコワくないよな。

前節・浦和戦よりは攻め手は増えましたが、もっと強烈にゴールを意識するべきです。アウェイ新潟戦(5失点)のような暴発があるにせよ、18試合で23失点という数字は決して悪くない。守れてはいるわけですから、アタッカー陣はもっとゴールを目指して怖さを出して、貪欲に狙っていってほしい。負けることはもとより、無得点で終わるのって結構堪えるんですよね。喜ぶ場面が一度もなく終わっちゃうわけだから。その部分は、このチームにとってはシーズンを通じての課題ではありました。

さて、ごひいきの上野紗稀ちゃんですが。

サイドバックでフル出場。カップ戦に続き、リーグ戦でも18試合/1620分をフル出場となりました。リーグ戦のフルタイム出場は、加入5年目ではじめてですね。リーグカップの2度のBYEウィークを除いて毎週稼働していますが、ケガもコンディション不良もなく立派に走りきってくれました。

全体的にパスミスが目立ち、それぞれが強みを活かしきれなかった試合で、上野ちゃんも例外ではなくほとんど守備に忙殺されました。左サイドの守備では仙台をよく抑え込んでいましたが、ビルドアップの流れでポジションをあげようとした刹那にボールロストして裏を狙われたりもして、翻弄されることが多かったです。なので、取り立てて特筆するような働きはできなかったかな。キャプテンとしては、こういう場面でチームを上向かせる"何か"を欲しいというところでしょうけど、そのへんはまだ経験値が足りないかなという感じもしました。

チームキャプテンに就任して初めてのリーグシーズン。左腕の赤バンドもだいぶサマになってきました。キャプテンマークは第3節の伊賀戦から今のデザインに変わった(トップチームと同じになった)んですが、使い込んでビッグオミニもだいぶ擦り切れてきましたね。1年間の激闘の証でしょう。大きなプレッシャーと闘い続けたシーズンも、あとわずかです。

3週のブレイクを経て、いよいよ皇后杯が始まります。今年の初戦は新潟・新発田開催。一発勝負のプレッシャーは相当のものだし、出場チームはどこも強豪ぞろいですから、厳しい戦いになります。が、このチームで戦えるのもあとわずかです。悔いのない戦いとして、楽しんでシーズンを終えてほしいと思います。"二冠"を目指して、がんばりましょう!