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がんばりすぎずにあるこうや。

関東1部第1節 地力と勢い

2016 第50回関東サッカーリーグ1部
前期第1節 ジョイフル本田つくばFC△2 - 2△横浜猛蹴
2016/04/03(Sun.) 11:00 セキショウ・チャレンジスタジアム
-位(勝点0)→3位(勝点1)

記念すべき50回目の関東サッカーリーグが開幕しました。1部2年目の今シーズン、ジョイフル本田つくばFCはホームでの開幕です。朝方に雨が降って雲行きが心配されましたが、試合中は気温が上がってむしろ暑いくらい。徐々に晴れ間も広がって、サッカー日和の中でシーズンがスタートします。

シーズンごとに大きく選手が入れ替わるのはアマチュアサッカーの常だそうで、この試合のスタメンも4人が新加入選手でした。つくばはエースストライカーの池田が浦安に移籍し、アタッカーの鈴木健介と守護神の太田も退団。加えてこの日はセンターバックの坂本が出場停止で、攻守ともに昨シーズンから様変わりしての再出発になります。

横浜猛蹴は昨シーズン関東2部をわずか1敗で制して昇格してきた、非常に勢いのあるチーム。天皇杯予選では、専修大YSCCなどの強豪チームと毎年しのぎを削っていて、ハイレベルな公式戦の経験も十分です。今季は序列2番手とはいえ、ジョイフルにとって難敵であることは間違いない。実際、昇格チームが勢いのままに大物食いをするというのは、プロの世界でもよくあることです。

試合は序盤からつくばペース。高柳の左脚ミドルや新加入・郡司のヘッドなど、決定的なチャンスをいくつも作ります。が、相手GKが非常に当たっていて、いずれもファインセーブではじき出されてしまいました。横浜のセンターバックは平面サッカーに対する対策がかなり上手く、中央から切り崩して攻めるというやり方がなかなか通用しなかった。なので、つくばは遠目からのシュートやサイドに展開しての攻撃に活路を見出そうとしました。実際、このやりかたを続けて行けばいずれゴールは奪える、リードするのは時間の問題だと、思ったものです。

ところが、先制点は横浜。右サイドで井上と今橋が相手とミスマッチになった一瞬を使われて、スコンと失点してしまいました。前半の横浜の決定機はこれを含めて2・3度しかなかったんですが、それを見事にモノにされた。やはり簡単にはいかない。

切り替えて後半、開始早々に中里のスルーパスからバイタル左に抜けた川村が、GKのニアサイドをぶち抜く強烈ショットで同点。ここからは両者が激しくぶつかり合って、がっぷり四つの引き締まったゲームになりました。つくばの中盤、小黒と中里は攻守の中心としてタフに戦い続けましたし、右サイドの今井は攻撃的なセンスを発揮してチャンスボールをいくつもゴール前に放り込みました。スタンドも呼応して盛り上がって、大人も子供も必死にエールを送り続けました。良い雰囲気だった。

終盤、今度は左サイドからバックラインのギャップを突かれて勝ち越しを許してしまいますが、終了間際につくばがお返しとばかりに右からのクロスをまたも川村がヘッド弾。本人も手ごたえ十分だったようで、渾身のガッツポーズからバックスタンドを煽るほどでした。追加タイムには中里がボックス内で倒されてあわやPK獲得かと思われましたが、笛はならず。開幕戦はドロー決着になりました。

昨シーズン、チーム得点の7割を稼いだスリートップのうち2人がいなくなっているので、端的に見て攻撃力の減衰は避けられない。残留した川村に頼るところも大きくなります。ただ、川村はその期待にしっかり応えてくれているし、郡司も池田の穴を埋めつつあるほどにワントップとしての仕事をこなしてくれています。大卒ルーキーの中里は、早くも攻撃のキーマンとしてバイタルで奮闘しています。小黒や深澤、今橋といった昨シーズンからのメンバーが、新加入選手にしっかり上降るのスタイルを伝えて継承してくれているので、地力の底上げに貢献してくれています。現状右サイドの井上・今井の連携がまだ成熟しておらず、攻撃は左サイドに偏ってしまっていますが、右がもうちょっとこなれてくれば、得点力も向上するでしょう。

守備面は、坂本の不在は意外と大きかった。バックアップに入った斉木は、本来はもう少し前でプレーする選手ということで、そういうミスマッチも影響したかもしれません。横浜の勢いに押されてしまいましたね。練習試合ではアンカーとして非常に印象的なプレーを続けていたので、今度は主戦場で真価を発揮してほしいところです。

エリース東京とのアウェイゲームを挟んで、次のホーム戦はtonan前橋が相手。着実な戦力補強で攻撃に厚みが出ているチームです。この日はレディースを同日開催の「アベックホームゲーム」。しっかりトレーニングを積んでもらって、男女揃ってホーム初勝利といきましょう。