J2第18節 楽しくないサッカー
2010 Jリーグ Division 2
第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 3○コンサドーレ札幌
3位（勝点31）→3位（勝点31）
ワールドカップが終わって、サッカー熱が盛り上がって、そして楽しみにしていた再開初戦。ですが、ふたを開けてみればとんでもない試合内容で、もう帰るのもシンドくなってしまうほどでした。翌日が海の日でお休みで、ホントに良かったと思いますよ。
いつも通りスタメンを振り返ります。GKは櫛野。右サイドバックに青木良太、センターバックはケガから復帰した茶野と、南アフリカ帰りのミリガン、左はアレックス。中盤は3枚、中後、工藤、佐藤勇人。右ワイドには深井が久々の先発、左に倉田、中央はネット。PSM鹿島戦で結果を出した伊藤大介がベンチ入りしました。
いろいろな方が書いてらっしゃいますが、とにかく酷い試合内容でした。前半早々にミドルボレーをぶち込まれて、これで主導権が札幌に行ってしまった。試合が始まってたった5分での出来事でしたから、この時点では慌てる必要ななかったわけです。もちろん、選手たちもベンチも慌てていなかった。オフサイドやファウルの判定があったとはいえ、ボックスまでボールを持っていって、シュートチャンスになるところまで行けていましたからね。前半の20分過ぎからは"ジェフの時間"が続いていたし、高原があまり良くなかったこともあって、中盤のポゼッションは獲得できていました。札幌をグイグイ押しこむことだってできていたんです。後半にだって、ずいぶんジェフは攻め込んでいたんですよ。ある意味、札幌は守るので精いっぱいだったって言ったって言い過ぎじゃない。
結局、この時間帯をモノにできなかった、それが全部響いてます。倉田がボックスを横断して強引に打ちにいったりとか、ネットのヘディングがすんでのところで高原にはじかれてしまったりとか、中後のミドルのコースが甘かったりとか、チャンスはいくつもあったんです。シュートだって、札幌の11本に比べて5本多い16本打ってるんです。それでも、苦し紛れの強引なものだったり、人が密集した中に打ち込んだり、そもそも枠に飛ばないんじゃ、ゴールの中に入るわきゃありません。攻撃パターンがいつも通りで、工夫が見られない。いつもどおりにやるだけじゃ勝てなくなってるって、もうずいぶん前からわかってることじゃないのよ。シュートが全然枠に行かないとか、お決まりのスーパーミドルで失点してしまうとか、これって前節の甲府戦でも感じたことなんですよね。中断前と同じじゃない。
それから、今回は右サイドが全く使い物になりませんでした。青木良太は効果的な攻撃参加ができず、かと言って守備面でもまるで中途半端で、佐藤や工藤に大きな負担がいってしまっていた。深井も良くなくて、ひたすらに左を切られて何もできませんでした。右足でのキックが良くなってきたと聞いていたんですが、全くそれを使うとしませんでしたね。代わって入った谷澤も、このサイドを活性化させるほどのブレイクスルーにはなれませんでした。
札幌がやっていたことは、さほど難しいことではないんです。ジェフの中盤に対してハードにアタックし、ボールホルダには多人数で取り囲んで前へのパスコースを封じ込める。ハイボールに対しては、直接ボールに行くというよりジェフの選手に体をぶつけて、自由にコントロールさせない。攻め込まれたときにボールを奪ったら、とりあえず前線のキリノめがけて放り込む。これだけです。それに高原もバックラインも、お世辞にも安定していたとは言い難かった。そんな札幌に対して、結局1点も取れなかったというのが、ジェフの状況を如実に表しているんでしょう。札幌がやりたかったことをことごとくやらせてしまった。そしてジェフがやりたかったことは、ほとんど何一つできませんでした。
ワールドカップが終わって、日本代表があれほどがんばって、さぁ次はJリーグを見に行こうよ！って言ったって、こんなにガタガタのサッカーやってしまっては、ね。せっかく見に来るんだから「楽しいサッカー」が見たいじゃない。勝つサッカーが見たいじゃない。泥臭くたって、美しくなくたって、ゴールが決まってワーッ！！てなりたいじゃない。そういうサッカーを見せてほしいよ。
終盤はすっかり冷めてしまって、声を出す気力もなくなってしまいました。拍手なんかできやしません。それに、ゴール裏から旗が投げ込まれたと知って、余計に冷めてしまいましたよ。そういうところも「最低の試合」でした。その旗は選手たちに投げつけるために作ったんじゃないでしょ。選手たちに見てもらって、思いを伝えるために作ったんでしょ。あなたの誇りを載せて掲げてるものなんでしょ。
次は首位の柏とアウェイで戦います。19節、18試合目。これでシーズン折り返しです。これほどの試合の後ですから、大幅に選手を入れ替えるってこともありうるでしょう。そのうえで、まず目の前の試合にしっかり集中して臨まないと。
