stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

J2第12節 "戦い方"のヒント

2010 Jリーグ Division 2
第12節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△アビスパ福岡
2位(勝点23)→2位(勝点24)

5連戦もいよいよ最終戦。気温も24度まで上がったデイゲームで、とってもキツいゲームになりました。僕も終始ノドがカラッカラに乾いてしまっていて、いつも以上に水をがぶがぶ飲んでました。空気が多少乾いていたというのもあるかもしれません。海沿いなのに、珍しい。

スタメンを振り返ります。GKは櫛野。右サイドバックに鎌田。福元、ミリガンのセンターバック。渡辺が練習中に負傷した影響でアレックスが左のサイドバック。中盤は変わらず中後、工藤、佐藤のユースセット。スリートップは、右に倉田、左に谷澤、センターにネット。ベンチには太田、青木孝太が控えるほか、林が移籍後初のベンチ入りです。

岐阜戦から始まった5連戦で、江尻監督は中盤の構成を一度もいじりませんでした。アンカーが山口から中後に変わったとき、僕は連戦を見据えてのターンオーバーと解釈していましたが、5連戦で一度もスタメンが変わらなかったことを考えれば、そうではなかったと。アンカーに中後、その前に工藤と佐藤勇人を置く構成は、江尻監督がやろうとしているサッカーを具現化する上で欠かせないということなんでしょう。実際、中後の守備意識とハイボールへの強さ、工藤の運動量、佐藤のインパクトのある動き、そして何より両サイドとの連動は、今のジェフのサッカーには必要不可欠なものです。そのスタイルを維持することを重要視して、スタメンを入れ替えなかった。それは江尻監督のコメントからもよくわかります。中盤というのはチームのエンジンルームで、エンジンルームを大幅にチューンアップすることは、劇的に向上することが分かっているのでもなければ、誰しも躊躇するものです。試合中の選手交代にしてもそうです。

そんな中で、今回は工藤が良くなかった。ミドルサードでボールを受けて、多くの選手とパスを交換し、自分も縦横無尽に動いて攻撃のリズムを作る"大心臓"は、今回は大変なブレーキになってしまっていました。工藤がボールを受けてた次の一歩、ここが常に遅かった。攻撃のスイッチを入れるその人で引っかかってしまっていて、周りが攻撃にシフトしようかというまさにその瞬間にゴールを奪われて、そのままカウンターを食らうというシーンが何度もありました。福岡にシュートを16本打たれたことと、ジェフがシュートを11本しか打てなかったこと、その両方の原因がここにあります。

江尻監督が「試合の2日前から少しいじらなければと考えてはいました」とコメントしていますし、練習見学組の情報では、8日の時点で工藤のコンディションが良くないことが目に見えていたようです。結果論ですけど、この時点でそこまで顕在化していたのであれば、思い切って「アンカー山口+佐藤・中後」と組み合わせもあったのではないかな。中後は、広い視野とダイレクトのパスを駆使して攻撃のタクトを振れる選手。本来は攻撃的なインサイドハーフが本職です。そういう思い切りも、結果的には必要だったのかもしれません。

他にも、倉田や鎌田など、本来のポテンシャルを発揮できていない選手はたくさんいました。倉田は富山戦での不調を引きずっているかのように、インサイドへの切れ込みが奏功せず。倉田は、やはり左サイドの方がやりやすいんでしょうね。右に張っていた序盤は、とても窮屈でやりづらそうでした。鎌田もハイボールの処理や福元との連携など、特に守備面でミスが目立ってしまいました。彼らだけの責任ではもちろんないんですが、富山戦と今回と、バックラインは終始バタついていました。

やはり5連戦というのはかなり厳しいですね。福岡は先週末にブレイクがあって、ジェフよりは余裕があった。佐藤は「疲労や暑さは確かにあったけど、個人的にはそれを言い訳にしてはいけない」と言っていますけど、連戦中に休みがあるのとないのでは大違いですよ。これから夏にかけて、気温が上がってくると、これまでの戦い方を続けることも難しくなる可能性もあります。いつもいつもうまくいくとは思っていませんが、そうなったときにどのように戦っていくか。ベンチに入れなくて悔しい思いをしている選手たちにとっては、これはチャンスなんです。そのチャンスをつかんだ選手たちを、どう織り交ぜて「ジェフのサッカー」を作っていくか。この5連戦で、そういう部分でのヒントや課題やモチベーションを見つけ出してくれていればいいなと思います。

この5連戦は3勝2分。シーズンの1/3を終えて、7勝3分け2敗、勝点は24でした。この数字自体は悲観すべきものではありません。神戸TDが掲げた目標からはわずかに下回るものですが、それに近いくらいの数字を残せたことは十分に評価すべき結果です。今回も正直勝てるほどのゲームは全然なかったわけですけど、それでも勝点1はもぎとれたわけですからね。

来週はお休みです。連戦で疲れた体をじっくり癒して、ケガもじっくりと治してもらって、悪いところをしっかり分析して、克服できるように練習して。2週間後にヴェルディ戦。中断まではあと4試合です。コンディションとともに、累積警告にも気をつけながら、しっかり戦って勝っていきましょう。今年は何よりも「勝ち」が必要なのだ。

[J'sGOAL]【J2:第12節 千葉 vs 福岡】レポート