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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第20節 悩めるキャプテン

2010 Jリーグ Division 2
第20節 ジェフユナイテッド市原・千葉○5 - 0●大分トリニータ
3位(勝点32)→3位(勝点35)

いやもう会心の大勝利でございますよ。早々に先制ゴールを挙げて、前半でもう1点取って大分を引きずり出して、後ろにできたスペースを思いっきり使いまくって3点追加。できすぎです。相性ってのは、ホント恐ろしいもんですね。

では、スタメンを振り返ります。GKは櫛野。右サイドバック青木良太、ミリガンが出場停止で、センターバックには福元と茶野、左はアレックス。ダブルボランチ佐藤勇人工藤浩平サイドハーフは右に深井、左に倉田。谷澤がトップ下で久々のスタメン。最前線にネット・バイアーノ。4-2-3-1とシステムを変更しました。ベンチには山口と中後の両アンカーが控え、攻撃的な伊藤大介もいます。

先制点はもとより、前半から大分の4バックの後ろを効果的に使えていました。大分の守備は他のJ2のチームと違って、中盤より前で積極的にプレスをかけて、ボールを"奪う"というもの。DFラインをガチガチに固めて、水際で防ぐというものではないんですね。ジェフとしては、これが逆に戦いやすかった。アタッキングサードに人が密集していないので、人が入り込むスペースが見つけやすい。前の選手がシンプルにそこを使おうとするから、後ろのパサー陣もそこに合わせやすい。メリハリのあるわかりやすい攻撃ができていて、これまで感じていた閉塞感なんてまるでありませんでした。縦へのボールがあれほど効果的につながっていたのは本当に久しぶりです。それこそ愛媛戦以来なんじゃなかろうか。

スペースを使うのも、ネットであり谷澤であり深井であり、それを「持ち味」にする選手が変わるがわる飛び込んで行った。前線の選手がそれぞれの力をちゃんと発揮して攻め切れるというのは、とても大事なことです。システム上アウトサイドハーフにいる深井が、前線中央でボールを受けることも多くあった(+スーパーなゴールまで取った!)ってことは、それだけ前線が効果的に流動できてるってことです。「チャンスっぽい」をきちんと「チャンス」にもっていけて、そこから「ゴール」という結果に結び付けることができた。ゴールデンウィークの大分戦もそうでしたが、これをジェフのひとつのスタンダードにしていくべきなんじゃないかと思います。これまでの2試合よりも、選手たちもよっぽどやりやすかったんじゃないかと。

守備面では久々のスタメンとなった福元が好パフォーマンスを見せてくれました。キム・ボギョンの決定的なチャンスや、抜け出したチェ・ジョンハンへの対応などなど、少なくとも2失点は防いでくれた。ピンチを救ったスライディングタックルは、相手の足元ではなく、シュートの弾道をきっちり塞ぐ安全でフェアなもので、クレバーな福元ならではの素晴らしい対応でした。それから、自陣から左サイド深くの倉田へのロングフィード。これは見事なもので、ターゲットにビタッ!と合わせる高精度なロングパスは、即効性の高い武器になります。今回は倉田が今一つ目立てなかったのもあって直接チャンスに結びつきませんでしたが、ミリガンと並んで左右のロングフィーダーが揃うと、これは強力ですよ。「縦ポン」も使いようによっては大砲になるんだから。

ダブルボランチの佐藤と工藤は、これまでのスタイルと変わらず両サイドとのパスワークを意識してプレーしていました。今回はトップ下の谷澤も含めて、5人でのパス交換。前節との大きな違いは、やはり縦へのパスが増えたこと。前半早々から相手DFの裏を狙っていけるということが分かっていたので、これまでのようにサイドに集まってのショートパスに固執することなく、縦のスペースへのチャレンジングなパスが多くなりました。攻撃の起点になる工藤は、2点目のアシストもしたし及第点だとは思うんですが、しかし簡単な横へのパスが通らなかったり、相手の切り返しに一発で振られてしまったりと、今一つ波に乗り切れない様子も見えました。

開幕から一貫してスタメン出場を続け、江尻監督が掲げる「ジェフのサッカー」の大心臓を担っている工藤。中断明けの3試合、後半以降にガクッとパフォーマンスが落ちてしまうことが見受けられるようになっています。なんでもないパスミスから大ピンチを誘発してしまったり、トラップが大きくなって相手にボールを奪われてしまったり、中距離のフィードがまるで合わなかったり。疲れもあるでしょうし、チームがうまくいっていないことに対するキャプテンとしての責任感もあるでしょう。ピッチの中での自分の役割をシンプルにこなすことに集中すれば、本来のポテンシャルを発揮できるはず。焦らず、ひとつひとつ丁寧に、きちんとプレーしよう。みんなキャプテンには期待してるんだからさ。

今節から後半戦がスタート。これからは一度戦った相手との再戦が待っています。次の2連戦、鳥栖と熊本は、順位表で直下に位置する直接のライバル。鳥栖とはアウェイだし、熊本は開幕戦で苦い思いをしているしで、難しい試合になるかもしれませんが、自分たちの試合に持ち込んで、試合をコントロールして白星を勝ち取りましょう。

[J'sGOAL]【J2:第20節 千葉 vs 大分】レポート