stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

ありがとう "ジェフの魂"

[ジェフ公式]巻誠一郎選手の移籍について
[BLOGOLA]巻選手移籍会見全文
[BLOGOLA]巻コールの大合唱の中、ロシアへ

大分戦の翌日の日曜日、ロシアに向かう巻を見送るために、成田空港に行ってきました。朝8時半すぎに出発ロビーに着いたんですが、その時点ですでに多くのサポーターが集まっていて、時間を追うごとにどんどん数が増えていった。「オシムさんの時よりずっと多いよね」なんて声も聞かれて、最終的には300人を超えたようです。

長男の虎太郎くんを抱いて歩いてきた巻は、どこか吹っ切れたように笑っていました。サポーターの「いってらっしゃい!」「がんばってきてね!」の声に、何度も大きくうなずき、「ありがとう」と返していました。選手を代表して、坂本も見送りに登場。ロビーの出口では、サポーターの大きな「巻コール」でお見送り。それまでが笑顔だった巻も、最後にはやっぱり目を潤ませて、ロシアに向けて旅立って行きました。

僕が知ってるジェフには、いつも巻がいます。フクアリに通い始めてまだ日が浅いこともあって、思い出される印象的なシーンには、必ず巻の姿があります。ジェフに巻がいるのは至極当たり前のことで、ジェフの背番号18と言えば、巻誠一郎以外を"知らない"。他の背番号はここ数年でもいろいろな選手がつけてるんで、ひとつの番号に複数の選手の名前が浮かんでくるんですが、18番だけは巻以外を全然思い当たらないんです。

2008年12月6日、あの苦しかったフクアリFC東京戦で、ハーフタイムにサポ仲間に見せてもらった巻の日記。そこには「苦しいときには僕を見てください。必ずなんとかしてみせる。僕たちを信じて」と書かれていました。残留が決まると真っ先にゴール裏にやってきて、僕らに「やったぞ!」と伝えてくれた。あの時の巻のはちきれんばかりの笑顔が、今でも心に残っています。

巻は「サポーターがいつもついていてくれた」と言っていたけど、僕はむしろ巻がいたからがんばれた。セットプレーのチャンスになると、僕らに向かって両手をふるい、「力を分けてくれ!」とゴール裏を煽った巻。いつも僕らと一緒に戦い、僕らに対しても真っ向から真剣にぶつかり、思いを素直にぶつけてくれる巻が、僕は大好きです。

巻がロシアに行くと聞いて、新聞の飛ばしであってくれないかと思った。クラブ間合意に達していて、契約のために巻がロシアに渡ったとき、巻の一言で破談になってくれないかとも思った。土曜日のセレモニーで「やっぱりロシア行くのやめます」なんて言っちゃわないだろうか、とすら思った。それくらい、巻がジェフからいなくなることを受け入れられていませんでした。子供みたいだけど、いなくなってほしくないと思う。今でもその気持ちは残っています。

でもさ、巻が渾身の思いを込めて「みなさん、あとは任せました!」なんて言うし、空港での巻は穏やかに笑っているもんだからさ。なんか、僕もモヤモヤしていたものがすーっと晴れていったような、そんな気分になってしまいました。まだ実感は全然わかないけど、僕らのジェフの象徴たる巻誠一郎が、世界に羽ばたいてでっかくなって、そしてまたジェフに帰ってきてくれたらいいと、そう思います。

僕の知っているジェフに、巻がいてくれて本当に良かった。巻と一緒に流した涙、巻と一緒にこぼした笑顔、全部が全部、大事な思い出です。

ありがとう、巻。

ジェフのサポーターの心をつかんで離さない巻のことだから、ペルミのサポーターもすぐに虜にするんでしょうね。がむしゃらでひたむきなプレーと、暑苦しいほど熱いハートで、ペルミのスタジアムを沸かせてくれることでしょう。そして僕らが知ってる巻よりも、もっとでっかくなった巻を見せてくれることを期待して。

がんばれ、巻。

千葉から、精一杯応援しています。そして、でっかくなって帰ってこい。

いってらっしゃい。


大分戦での巻の挨拶をテキストアップしました。全文を掲載します。

<メインスタンド前にて>

みなさん、こんばんは。巻誠一郎です。
まずは、試合が終わっても残ってくださった大分のサポーターの皆さん、ありがとうございます。
そして、こういう気持ちの入ったゲームを見せていただいた選手の皆さん、本当に胸が熱くなりました。
そして最後に、こういう試合を演出してくれたサポーターの皆さん、本当にいいもの見せてもらいました。
個人的には、深井がゴールを決めてくれたっていうことが、本当に嬉しかったです。

今回、7年半過ごしたジェフというこのクラブを離れて、ロシアのプレミアリーグアムカル・ペルミのほうへ、移籍することになりました。

僕自身、昨年J2に落としてしまい、そういう責任を感じている中で、こういう移籍を決断するということが本当にいいものなのか、悩みましたし、J1に上がるまで、僕自身、チームを見届けて、そして、うん、チームを去るべきじゃないかと、そういうこともずっと悩み続けました。
しかし、こういう難しい状況にたたされたときに、サポーターの皆さんの熱いメッセージ、中にはフクアリに、フクアリじゃない、練習場にまで足を運んでくださって、熱いコメントを下さる方もいました。そういう皆さんのコメントの中には、「チャレンジしておいで」と僕の背中を押すようなメッセージばっかりで、そこで始めて僕は「本当にチャレンジしていいんだな」と、長年僕自身が夢に思っていた舞台にチャレンジしていいんだな、と思わせていただきました。
こういう中で、僕自身ジェフでやり残したことはないかと言われますと、たくさんあります。悔いもたくさんあります。しかし、僕自身ジェフというクラブに誇りを持ち、そういう皆さんの思いというものを、世界の舞台でどれくらい通用するか、今までここで培ってきたものが、どれくらい世界で通用するのか、チャレンジして、必ずサポーターの皆さんに『成功』を届けたいと思います。
僕が下したこの決断に、誇りを持ち、信念を持って、僕らしく、揺るぐことのない気持ちで、ロシアでプレーしてきたいと思います。
ロシアの暑い地で、僕の魂で、寒いロシアを熱くしてきたいと思います。
最後に皆さんに、ひとつだけ、いや、三つ、お願いがあります。
ひとつは、これからもジェフを愛し続けてください。
もうひとつは、ジェフの選手を愛し、クラブを愛し、育ててください。
最後に、少しだけ心に余裕のある方は、ロシアにいる僕のことを応援してください。
必ず成功して、成長して、この場所に帰ってきます。
クラブには「高くなりますよ」と言いました。それくらいの気持ちで戦ってきます。
僕の中では、マンチェスターバルサにも負けない、本当に価値のある素晴らしいクラブです。
「さよなら」は言いません。笑顔で皆さんのもとを去りたいと思います。
「さよなら」じゃなく、「またみなさん、逢いましょう!」

<ゴール裏にて>

えーと、何しゃべろう(笑)
いや、しゃべることがいっぱいありすぎて、へへ、何しゃべればいいかわかんないんですけど(笑)
みなさん!あとは任せました!
絶対J1復帰して、絶対J2に落ちないような、そういうクラブに、みんなで作り上げていきましょう。
もう僕はみんなを鼓舞できませんが、今度は皆さんが、苦しいときは、選手を助けて、嬉しいときには、みんなで笑い、悲しいときには、選手と共に涙を流してあげてください。
僕もロシアで、1人のサポーターとして、全力でジェフを応援します!
今まで僕を育てていただき、チームを育てていただき、ありがとうございます。
そしてこれからは、僕自身、自分の脚で、さらに前を見つめて進んでいきます。
そして、必ずみんなの助けになるように、成長して、帰ってきます!
みんながやっててうらやましかった『俺たちジェフ!』やらしてください。
谷澤、いいかな?
ちょっと谷澤には厳しく、厳しい目で見てあげてください。調子に乗るんで。
じゃあ、いきまーす!いきまーす!いきますよ!!

俺たち! ジェフ!!
俺たち! ジェフ!!
俺たち! ジェフ!!