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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第10節 これがジェフのサッカーだ

2010 Jリーグ Division 2
第10節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●大分トリニータ
2位(勝点17)→2位(勝点20)

5連戦の3戦目は、昨年もJ1で戦ったトリニータが相手。アウェイの連戦です。トリニータは主力選手が多く移籍したとは言え、若い力で好調の難敵。確かに相性はいいのですが、前節横浜FCに敗れているので、気合も十分。油断できない相手です。

スタメンを振り返ります。GKは櫛野。最終ラインは、右サイドバックに鎌田。茶野が負傷欠場で、センターバックに福元が今季初出場。ミリガン、渡辺のバックライン。中盤は中後、工藤、佐藤勇人。前線は右にアレックス、左に倉田、センターフォワードにネット。ベンチには巻、山口、坂本が控えます。前節で思うようなパフォーマンスを見せられなかった米倉は、遠征に帯同しませんでした。

試合を振り返ってみると、正直な印象として、この試合はジェフにとって「圧勝」でした。大分が驚くほどに悪すぎたということもありますが、中盤より前でのプレス、攻撃時のパス回し、スペースの使い方、どれをとっても、ジェフのほうが上だった。工藤や佐藤、アレックス、倉田を中心にミドルサードで小気味よくパスをまわし、再度をオーバーラップした渡辺や鎌田に展開、あるいはDFの隙間を突いてシュート。江尻監督がやろうとしている攻撃の形をずいぶん多く作ることができたんではないでしょうか。「自分たちのサッカー」というのを存分に発揮できた試合だったと思います。

倉田の個人技やアレックスのチェイスもさることながら、今回は工藤が非常によく動いていました。前線の深いところまでボールを追っていくし、ボールを奪われてもすぐさまカバーに入ったり相手にプレッシャーをかけて、大分に余裕を与えない。攻撃でも、右サイドのパス回しから逆サイドへうまく展開したり、バックラインともうまくバランスをとって試合をコントロール。自分もすごくよく動きながら、でも工藤がゲームを作っていました。佐藤や中後も、工藤の良さを活かすように、そして自分を工藤に"活かしてもらうように"プレーしていたと思います。工藤がチームの中心になりつつある。素晴らしいことです。

バックラインは、ミリガンと福元のセンターバックがとても安定していました。ミリガンの守備が安定していることは岐阜戦でも書きましたが、福元も無難に役割をこなして、完封に貢献しました。チェ・ジョンハンの抜け出しを体を張って押さえ込んだ場面は見事でしたね。さすがにクレバーなところを見せてくれています。頼もしい限り。JAGS技術委員会で野々村さんに「今日のジェフは、完璧でした」と言わしめましたからね。

鎌田、渡辺の両サイドバックは、今回もまたあまり良さを発揮できませんでした。この2人のストロングポイントは、ウイングの2人(アレックス、倉田)が中盤でリズムをつくり、そのリズムの間隙を縫ってオーバーラップからクロスを入れるところだと思うんですが、このクロスがよろしくないのです。今回は巻が後半から投入されましたが、巻を活かすには「低くて早い、ニアに鋭く飛ぶ」クロスが欠かせません。栃木戦で幻のゴールになった、アレックスのクロスのような、ああいうボールが必要です。でも、今季はそういったクロスが数えるほどしかない。少なくとも渡辺は、ちばぎんカップでそういうクロスを蹴れることは証明済みなので、それを数多く繰り出せるようにして欲しいと思います。ゴールは誰がとってもいいのだけど、「巻にゴールを!」。そういうエゴがあってもいいと思う。

またも中2日で、ホームに帰って富山、そのあと中3日で福岡戦です。それが終われば2週間のブレイク。コンディション的にきつくなってくる頃ですが、そうは言っても勝たねばなりません。きっとサポーターも多く詰め掛ける。黄色く染まったフクアリで、次も会心の試合を!

[J'sGOAL]【J2:第10節 大分 vs 千葉】レポート