J2第22節 パーフェクトゲーム
2011 Jリーグ Division 2
第22節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●コンサドーレ札幌
2位（勝点31）→2位（勝点34）
「フクアリでの札幌戦」と言えば、ジェフにはもう嫌な思い出しかないわけで。フクアリで札幌を対戦すると、必ず3点くらい取られて負けるっていうイメージがあって、しかも前節平塚でヒドイ負け方をしたのもまだ記憶に新しいし、もうなんかホントヤダ。なんですけど、なでしこジャパンが「もういい加減アメリカには勝たないと」って言ってて実際勝った（PK勝ちなので記録上は引き分け）わけなので、ジェフもいい加減フクアリで札幌に勝たないとね、っていう。開き直ってやるしかないんですわ。
スタメンを振り返ります。GK岡本。4バックは、山口、竹内、ミリガンと、レフトバックは坂本が先発復帰です。ファン・ゲッセルが出場停止、伊藤もケガということで、ボランチは佐藤勇人と村井慎二のコンビになりました。右ウイングは林、左は深井、トップ下に米倉。最前線はオーロイです。ここ最近先発をはっていた青木良太は、今回はベンチスタート。そしてベテランの藤田俊哉が初めてベンチ入りを果たしました。伊藤大介のケガは半月板損傷という話もあり、事によっては今季はもう試合に出られないかもしれません。
心配だったコイントスに、佐藤はこの大一番で見事に勝利（笑）。もし負けていたら、石崎監督は間違いなくエンドチェンジすることを指示していたでしょうから、主にメンタル面で地味に大きかったのではないかな。試合が始まると、初っ端からこれでもかと言わんばかりのハイテンションサッカー。フォアチェックを繰り返して圧力をかけ、札幌の最終ラインをグイグイと押し戻して、クロスとミドルの乱れ打ち。「攻撃は最大の防御」なんて言いますが、まさに攻め続けることで相手に攻撃をさせない、たまのカウンターはバックスの4人で十分に守れてしまうと、そんな前半でした。
しかしあれだけ攻めまくっていると、後半に向けてのスタミナもさることながら、リズムの途切れないうちに点が取れないと後が怖い、というのがジェフのパターン。イヤーな感じが漂い始めた矢先に、村井がそれを払しょくしてくれました。45+1分の先制ゴールは、バイタルエリアでフリーで持った村井が力強く放ったミドルシュート。一閃！という感じではないものの、コントロールしつつもしっかりパワーの乗ったいいシュートでした。前半のうちに1点取れて、ホントよかった。この1点は大きかったですよ。
スタミナ面で心配された後半も、リズムを継続してゲームを支配することに成功しました。札幌のプレスがほとんど利いてなくて、セカンドボールや中盤のルーズボールをことごとく拾えていたんで、みんながみんな余裕を持ってプレーすることができてましたね。内村に瞬発力で抜けだされてのピンチというのはありましたが、しかしそれも孤軍奮闘でした。あのスピードは脅威ですけど、山口や竹内、ミリガンがしっかり対応してくれましたよ。アウェイの富山戦で最後の最後に失点した教訓からか、ラストは無理にチャレンジせずに長短のパスを織り交ぜて、しっかりとゲームをクローズ。終始フィールドの支配権を渡さなかった、完璧なゲームでした。
ボランチ・村井は、中盤で独特のリズムを刻みながら、ジェフの攻撃をいいように料理してくれました。センターをぬるりぬるりと抜けていくドリブルは、あれは札幌もかなり感覚を狂わされたんでは。なんであれで抜いていけちゃうんでしょうねｗ それに、なんといってもパスもシュートも実に正確なんですよ。きちんとパスの受け手に収まるように出しているし、シュートもミドルを何本か打ちましたが、右足でのものも含めて全てオン・ターゲットでした。ボランチの位置から正確なシュートを打てるというのは効果が大きい。今回は守備面での活躍はあまり見られませんでしたが、攻撃面では大きな戦力になってくれることは証明されました。これはドワイト監督も悩むかもしれませんね。
ディフェンスは、ミリガンがいるのといないのではこうも違うものかと。技術に自信を持っているが故の、見ててヒヤヒヤするプレーをいくつも見せる彼ではありますが、しかし対人守備とカバーリングに関してはやはり一級品です。レフトバックに坂本が復帰してバランスが保たれるようになったことも大きいんですが、前半をバックスの4人だけで守ることができたのは、ミリガンと竹内の絶妙のバランス感覚の相乗効果によるところが大きい。坂本が復帰したことで、再開当初の安定した守備が戻ってきてくれると、今後のジェフの見通しは明るいですよ。
今週末は、アウェイで悔しい思いをした横浜FCとのホームゲームです。三ッ沢では勝点2を失ってしまったカード、ホームではしっかり勝って、この先へ弾みをつけていきましょう。
