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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第23節 ストレスフル

2011 Jリーグ Division 2
第23節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△横浜FC
2位(勝点34)→3位(勝点35)

勝てない試合ではなかったはずなんですがねぇ。しかしジェフのサッカーがまだまだまったく未成熟だということが、またしても露見した形になりました。前節の安定感はどこへやら。

スタメンを振り返ります。前節札幌戦と変更はありませんでした。GK岡本、バックスに山口、竹内、ミリガン、坂本。佐藤と村井のダブルボランチに、林、米倉、深井という2列目、ワントップにオーロイ。出場停止明けのファン・ゲッセルはベンチスタートです。伊藤のケガは、やはり長引くようですね。また太田の離脱が思ったよりも長引いているのが、ちょっと気になるところです。

公式記録では、シュートは18本。開始早々の2つの決定機に始まって、特に後半は大きなチャンスがいくつもありました。そういうところまで持っていけていたってことは評価すべきなんでしょうが、結局はフィニッシュの精度が圧倒的に低かったわけで、なので得点もPKの1点だけにとどまってしまったわけです。途中出場した久保や青木孝太は、ピンポイントのチャンスで仕事をするタイプのフォワードです。そのピンポイントでの精度をいかに上げていくかが、ジェフが勝てるか勝てないかの大きな差になっている。米倉にしても、実によく動き回って横浜のDFを翻弄してはいましたが、やっぱりフィニッシュにパンチ力が足りなかったりする。深井を含めた前線4人のプレーの精度を高めていかないと、これから先はかなり苦しくなってきます。深井のゴラッソと竹内の得点嗅覚にばかり頼ってるわけにはいきませんからね。

後半はワイドからのクロスボールと、サイドからカットインしてのアプローチが多く見られました。これ自体は悪いことじゃないんですが、それ一辺倒になってしまうとやはり苦しい。今回に関しては、アイディアがなかったのではなくて、中盤に展開力がなさすぎたのが原因だと思っています。高さとフィジカルコンタクトの対策として後半から投入されたファン・ゲッセルは、しかし攻撃時のリンカーとしてはその役割を果たすことはできませんでした。彼は、ボールを持った際に複数人で圧力をかけられると、ヘンにボールを抱え込んでしまって球離れが悪くなり、結果ボールをこぼしてしまうという悪癖があります。広いスペースでボールを受ける分にはいいんですが、選択の幅もいま一つ乏しいので、攻撃のスイッチになれていない。ボランチの位置から縦にパスが入るようになると、米倉や久保、林の機動力がさらに活きるようになるはずなんですが、残念ながらファン・ゲッセルでは役者不足なのかもしれません。中盤センターで攻撃のスピードがガクッと落ちてしまうのは、見ていてとてももったいないなと思いますね。そういう部分において、村井をもうちょっと引っ張ってよかった。フルタイムは難しくても、中盤で"ゲームを作れる"選手は必要だったのではないかな。

横浜のプレッシャーにあまりに簡単に負けてしまったり、フィニッシュが拙かったり、カウンターチャンスなのにスピードがまるで上がらなかったりで、ずいぶんとストレスのたまる試合になってしまいました。チャンスは多かっただけに、実に悔しい。しかしこういう試合をモノにする力が備わらないと、昇格してもJ1の餌食になってしまいますからね。確実にバネにして、鍛錬してもらわなければ。

前半終了間際に負傷退場したオーロイは、果たしてどれほどのケガなのかが気になるところです。ジェフはケガの情報を公開しないので、状況がさっぱりわからないんですよね。倒れ方も不自然だったし、その後まったく起き上がれずに担架で運ばれてしまったという事実だけを見ると、とても軽傷とは思えない。長期離脱は覚悟しなければいけないかもしれません。心配だな・・・・。

戦術の大黒柱であったオーロイを失ってしまったという点で見れば、1週空くのはむしろ好都合かもしれません。ここ数戦、どうしても手詰まり感のあった攻撃面をどう変えていくのか、それを考える時間を与えられたということです。代役としては久保が先発することが考えられますが、それでもオーロイがいるときと同じ戦術を使って同等のクオリティを発揮することはまだ難しい。ドワイト監督がどんな新しいプランを考えてくるのか、それに期待するしかありません。図らずも「プランA」を捨てざるを得ない状況になったことで、逆にいい化学反応が見られるなら、むしろ願ったり叶ったり。

それから家本主審のジャッジについてですが、ペナルティボックスの中と外とで、ボディコンタクトに対する基準があまりにも違い過ぎるように思えました。コーナーキックなどのセットプレーの際に、ゴール前である程度の身体接触があるのはむしろ当たり前で、なんでもない接触で簡単にオフェンスファウルを取られていた。逆にボックスの外では、下手をすればケガにつながりかねないようなハードチャージでさえも、ファウルを取らないことも多かったです。過度にファウルをとりすぎるのもゲームの流れを壊してしまうので良くありませんが、だからと言って安易に基準を甘くしてしまうと、今度はコンタクトがハードになりすぎて、選手に必要のない消耗を強いてしまうことになります。

よく「J2だからこんなもんだ」という意見が聞かれます。それはある意味正しくて、僕も草サッカーの審判をやることが多いのでわかりますが、経験によって培われる"勘"というのは確かにあります。また、主審が家本さんであるという事実でもってバイアスをかけて見てしまうのはもってのほか。それもよくわかっています。なので、僕も審判のジャッジをなるべく理解しようと思って、6月に4級審判員の資格を取って審判技法の勉強しています。「J2だから」「家本さんだから」で終わってはダメなんですよ。全ての判定にはきちんとした理由があるべきで、またそれが広く理解される必要があるんです。Jリーグで笛を吹く人たちは、全国に何十万人といる審判たちから"選び抜かれた"人たちなんですから、やはりその地位に誇りと責任を感じてもらいたいと思うわけです。

次は1週空いて、岐阜とのアウェイゲームになります。この2週間、本当に大事に大事に使わなければ。

[J'sGOAL]【J2:第23節 千葉 vs 横浜FC】レポート