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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第19節 いまは耐えるとき

2010 Jリーグ Division 2
第19節 ジェフユナイテッド市原・千葉△2 - 2△柏レイソル
3位(勝点31)→3位(勝点32)

「夏の日立台」というと、2年前のことが思い出されます。あの日は試合途中から夕立に見舞われて、結果もたしか引き分けで、もやっとした気持ちを抱えてずぶ濡れになりながら家路についたのを覚えています。間断なく続く稲光が怖くて傘がさせなくて、それで携帯を水没させちゃったんですよね・・・・。

その2年前と同じように、今回も雨予報が出ていた日立台での千葉ダービー。試合前、Twitterを通じて、甲府-栃木戦の行われる小瀬では大豪雨になっているとの情報を得て、自分たちの身の安全を憂慮しましたが、結果的にはそれほど強い雨には降られませんでした。それは、不幸中の幸いといったところ。

では、スタメンを振り返ります。GKに櫛野。バックラインは、青木良太、茶野、ミリガン、アレックス。アンカーに中後、その前に工藤と佐藤。前線は、右に深井、左に倉田、頂点にネットの3トップ。おわかりでしょうか。前節・札幌戦から、全くメンバーを入れ替えずにスタートしたのです。

立ち上がり早々、菅野がネットに平手打ちを喰らわせて一発退場。反対側だったのでよく見えず、しかも僕はレッドカードが出た場面すら見逃してしまって、1人浦島太郎状態でしたw これでPKを獲得して、倉田が右へ静めて先制ゴール。思っても見ない形での先制点で、これで余裕ができるはずだ、落ち着いてゲームを作れば大丈夫なはずでした。

ですが、結果的にはこれがこの試合を相当難しくしてしまった。柏はGKの桐畑を入れるために澤を下げ、右サイドの攻撃の枚数を1枚減らしました。ジェフの左サイドはアレックスと倉田。攻撃に力を発揮する2人に対して、柏は小林祐三しか相手がいません。このサイドを効果的に使ってやれば、いくらでも形が作れたはずだったんですが、攻撃はどれも中途半端で終わってしまっていた。「チャンスっぽい」ところまではいくのに「チャンス」にはならない。そんなシーンがいくつもあって、何度地団太を踏んだかわかりません。柏がものすごく集中していたというのは事実ですが、ジェフはどうしてあんなに慌てていたのかと。

スタッツの「柏:シュート:1」という数字を見れば、柏が防戦一方だったことは一目瞭然です。現地で見ていても、ボールはずっとジェフが持っていて、柏の選手はレアンドロ・ドミンゲスを除いて全員が自陣深くに引いていました。そんな状態でなんで攻め手がないのかと思うんですけど、違うんですよね。個々の技術やチームとしての成熟度が、群を抜いて高い柏がそんな状態になったら、攻め手がなくなるのは必然なんです。あっちはまともなサッカーをする気がないんだから、ジェフは苦しくなる一方なんですよ。それで焦って、イージーミスを繰り返してしまう。コンパクトでスピーディなサッカーをやろうとするのはいいことだと思うんですが、ミスで全部壊しちゃ意味がありません。ホント、何度も何度も「落ち着け!焦るな!ゆっくりでいい!」って叫んでましたよ。ずっと、目に見えてみんな慌てていました。

失点はコーナーからのオウンゴールと、ロングフィード一発での抜けだし。オウンゴールは、茶野と櫛野という、およそ「ミスコミュニケーション」なんて言葉の似つかわしくない2人でのもの。これにはさすがに驚きです。ロングフィード一発でやられた2失点目もそうなんですが、バックラインの連携には不安を覚えてしまう場面が多々ありました。館山でじっくりやってきたはずなんだけど、なんでこうも通じ合わないんだろうなぁ。

3月の徳島戦で3失点して完敗した後、江尻監督はメンバーを大幅に入れ替えて好調を取り戻しました。巻がネットに変わったのも、米倉がベンチに入れなくなったのも、倉田がスタメンに定着したのも、ミリガンと茶野のセンターバックが始まったのも、この時です。それくらいのインパクトのある変化が必要なんじゃないかと思うんですよ。完敗した前節とそっくり同じメンバーでやれば、同じような試合になってしまうのは当たり前のこと。試合に出たくてうずうずしている選手はたくさんいるんですから、きちんとそれぞれのコンディションを見極めて、勝つためにはどういう布陣を敷くのがいいのか、もう一度しっかり見直す必要があるんじゃないでしょうか。

柏は1人1人のプレーにメリハリがあって、全員が意思を共有していました。それぞれの役割をきちんとお成して、丁寧かつシンプルなボール回しでゴール前まで持っていく。シュートを打てないというところで人数の差が出ていましたけど、ひとつひとつのプレーがとにかく「上手い」。小さなところの差がたくさん積みあがって、全体で大きな差になってジェフに襲いかかっていました。数字はドロー。だけど、柏とジェフの間には、あらゆる面で大きな大きな差があるんだと、あらためて実感させるに十分な試合運びでしたよ。

「焦るのと切羽詰まるのは違う」とは言いえて妙なこと。決定的な大崩壊を招く前に、一度立ち止まって徹底的に見直してみることも必要です。余裕はあまりない。時間もあまりない。その中で、「勝つ」ためにできることを、ひとつひとつ見つけて、ひとつひとつをモノにしていってほしい。僕も一生懸命応援します。だからみんなも、ジェフのためにできることをしてほしい。

がんばろう。がんばろう。

[J'sGOAL]【J2:第19節 柏 vs 千葉】千葉側レポート
[J'sGOAL]【J2:第19節 柏 vs 千葉】柏側レポート