J2第23節 今できるベストのことを
2010 Jリーグ Division 2
第23節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 1○F.C.岐阜
3位（勝点39）→3位（勝点39）
試合が終わった直後、twitterのクラッキーさんbotで「このプレーはお粗末ですねぇ。」というTweetが流れてきて、なんとも言えない気分になりました。まさにその通りの試合でしたからね。典型的な負けパターンで、昨年の熊谷での天皇杯をイヤでも思い出してしまいます。
スタメンを振り返ります。前節とメンバーは変わっていません。GKは櫛野。4バックには、青木良太、福元、茶野、アレックス。山口と佐藤のダブルボランチ。トップ下に谷澤、アウトサイドには、右に工藤、左に深井。ワントップにネットが張ります。ミリガンは出場停止が明けましたがメンバー入りせず。また中後も遠征に帯同しませんでした。一方で、ここのところTGでも調子を上げている林がベンチ入りし、FWは久々の2枚体制。村井も開幕戦以来のメンバー入りです。
試合が始まって20分間は、ジェフの時間帯が続いていました。効果的なサイドチェンジも多くありましたし、山口から工藤→谷澤、あるいはネットと、うまいことをボールをつないで、敵陣のバイタルエリアでプレーできていた。アレックスから谷澤につないで、ネットがDFの裏を取ることもできていたし、クロスからヘッドで狙うという場面もありました。思い切りワイドに展開するより、中央寄りでボールを持って、DFの裏へ通すというのは、このメンバーでやりたいサッカーのひとつなので、それができているうちは「これはイケそうだ」と思ったものです。
スカパーの解説をしていた大野聖吾さんはとてもシステマチックに解説をする人で、曰く「ジェフの時間帯では、アレックスへのファーストディフェンスに新井が行っている。ジェフのリズムが悪くなるときは、それを西川ができるようになっている」。アレックスのチェックに新井がいっていたということは、西川は中盤の佐藤・山口のケアでいっぱいいっぱいだったということです。やりたいことができているうちに、それを活かすことができなかった。毎度のことですが、それが命取りになるんです。それがプロのサッカーなんですよ。
岐阜の決勝ゴールは、右サイドに良いパスを放られて、嶋田がアレックスを翻弄してグラウンダーのクロス、佐藤がつぶれた先に西川がいた、というものでした。32分の失点なんで、「もうちょっとなんだけどなぁ！」と思っていた矢先なんですよね。フッと集中が途切れたりとか、少しセーブしようとしたとか、まぁいろいろあるんだと思うんです。
けど、ここからまだ60分あったわけですから、立て直さなきゃいけなかった。それが全然できませんでした。平面サッカーがうまくいかなくなっていたので、多少放り込むのもアリかなとは思ったんですが、でもそれもダメでしたね。ハイボールは常に吉本がはね返していて、ネットは全然競り勝てていませんでした。となると、交代策とかシステムチェンジとかで状況を妥協しなきゃいけないわけなんですけど、それすらもうまくいきませんでした。最後の15分間はセカンドボールも全部拾われてしまって、シュートすらまともに打てませんでした。
まぁ、ようは「走り負けた」ってことなんでしょう。僕もサッカーをやってますから、キックオフ時点でも30度を超える気候の中で「走るサッカー」をするのが、どれだけ大変なことかわかってるつもりですけど、でもそれは相手だって同じなわけで。常日頃から「走るサッカー」を標榜してるんなら、なおさら走り負けちゃいかんわけですよ。柏のような"一つ上の技術"も、甲府のような"分厚い攻撃陣"もないんだから、だったらひとりひとりがもう10％の力を出していくしかないと思うんです。
試合に負けると、決まって審判がどうだとか監督がどうだとか強化部がどうだとか、そういう声が聞かれるんですけど、もうそんなこと言ったってどうしようもないんですよ。移籍ウィンドウも閉まってるから、補強ももうできません。今ある環境で、ベストなゲームをする、それを目指していくしかないんです。サポーターだって、いい加減しっかりと「闘う覚悟」をして、このチームを応援するかしないってことを受け止めるべきです。罵声を浴びせたり物を投げ込んだり、そんなことをしているヒマはこれっぽっちもないんですよ。
勝たなきゃいけないゲームはたくさんあります。でも、必ず勝てるゲームはひとつもありません。シーズン半分を過ぎて、ジェフはJ2でも決して「強いチーム」ではないってことはよくわかったはず。だったら、今僕らがのやるべきことは、ジェフの「チャンスっぽい」を「チャンス」にできるように、「チャンス」を「ゴール」にできるように、歌と手拍子と拍手でもって、選手の背中を押してやること。それしかできることはないんですから、そこでベストを尽くすしかないですよ。「やるしかない」んだもの。
