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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第38節 ジョーカーの仕事

2012 Jリーグ Division 2
第38節 ジェフユナイテッド市原・千葉●1 - 2○大分トリニータ
4位(勝点62)→5位(勝点62)

今年は「ここで勝てば!」っていうところでことごとく星を落としているジェフなんですが、例によって今回もそれにハマッてしまいました。なんだかなー。なんでこういうとこでことごとく負けちゃうのかね。ミッドウィークの天皇杯で、主力の代わりにリザーブチームが120分を戦いぬいてがんばったというのに、それがすっかり水の泡です。なんともかんとも。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。高橋峻希、大岩、竹内、渡邊圭二の最終ライン。佐藤勇人佐藤健太郎のダブルボランチに、田中佑昌、兵働、谷澤の2列目。ワントップに荒田です。前節の草津戦と同じメンバーですね。ベンチメンバーが幾分変わりましたが、基本的には草津戦でのやり方と大きくは変えないということです。

大分はスリーバックシステムですから、サイドアタックが非常に活きた前節の形がより効果的に働くと判断したんでしょう。実際に、当初のその判断自体は間違っていなかったと思います。レフトバックの渡邊圭二はその攻撃的センスを遺憾なく発揮して、谷澤とのコンビネーションからフリーでサイドの深い位置を抉り、鋭いクロスボールを何本もボックス内に送り込みました。右サイドでは田中佑昌高橋峻希のコンビで再三チャンスを演出し、先制点も田中の早く低いクロスに谷澤が見事なボレーで合わせたものでした。早い時間帯はこの形がハマりにハマッていて、リードしてなお、2点目、3点目、4点目と獲っていける雰囲気、それだけのチャンスがありました。ボランチの2人も中央でしっかりバランスを取って網を張り、大分にほとんど攻撃させないままに完全にゲームのリズムを掌握できていた。これはいけるぞと、今日は完璧な勝利をもって終わらせ、次節の湘南戦に乗り込むことができると半ば確信めいたものさえありましたからね。

問題はふたつ。ひとつは、効果的なサイドアタックに対応されたときのいわゆる「プランB」がなかったことですね。大分の田坂監督は、27分という早い段階でアンカーの松原に代えて快足アタッカーの木島を入れ、ポジションを少しいじって全体的にワイドに守備の網を張る形にシフトしました。これが大当たり。サイドでのプレッシャーが強くなってオーバーラップした味方へのスルーパスが通らなくなり、それまで通用していた攻撃の形が作れなくなってしまいました。また中途半端なところでボールをロストしてしまうので、守備の対応が後手後手になってセンターバックに負担がかかり、全体のポジション取りがやや消極的になってしまって、大分にペースを取り返されてしまった。リードしているのだからもう少し落ち着いてきちんきちんとボールをまわして、相手を前に引きずり出してバッと裏を狙うとか、大外一辺倒でなくて外・中・外とコントラストをつけてボールを運んでいくとかできればよかったんですが、2列目から前の選手も相手のハードなチャージに潰されてばかりで自分たちの間合いでボールを扱うことができませんでした。

同点ゴールは、森島の身のこなしも見事だったし振り向きざまのシュートはココしかないというコースに飛んでってしまったので、仕方ないといえば仕方ない。2失点目はそれこそなんでもないような凡ミスであって、もったいない失点でした。木島のスピードに気を取られて、みんな引っ張られてしまったんですね。真ん中には森島一人しかいなかったから、ここさえケアしておけば大事には至らなかったと思います。だからこそもったいないよね。

もうひとつの問題は、交代で出場した選手がほとんど仕事ができないこと。オーロイはその特性からその後の戦術がはっきりするし、オーロイ自身も周りとコンタクトを多く取ろうとしながらプレーしていたので、ある程度相手の脅威になったと思います。が、ロボと米倉に関しては、何を求められてピッチに入ったのか、自分の役割が何なのか、そういうことを意識したプレーが全く見られませんでした。負けてるんだから点を取らなきゃいけないのは当たり前で、そうじゃなくて点を取るために何をするのか、閉塞感の漂うリズムをどう打開するのかがはっきりしてないと、交代出場する意味がないわけです。木山監督は試合の状況に関わらずわりとワンパターンにロボと米倉を途中出場で送り出しますが、その効果というのは限定的です。スタメン出場の中で荒田や田中佑昌、兵働、谷澤といったバイタルで動き続ける選手はスタミナ的な問題があるし、ビハインドなら全体を押し上げるためにボランチを削るというのもわかるんですけど、その結果余計に停滞感が生まれてしまっては本末転倒。役割を理解して実直にそれを遂行できる選手をベンチに登録し、かつピッチに送り出すべきではないんですかね。要所要所でしっかり走りきれる、身体をぶつけられる、前を向ける、そういう選手が必要なんじゃないのかな。

他の上位勢が揃って星を落としているのが、救いというか惜しいというか。次は3ポイント差で追う湘南とのアウェイゲームです。とにかくこの正念場をきっちり乗り越えねばならぬ。残り1ヵ月をベストベストの状態で戦いぬいて、休みはそのあといくらでもあるんだから、いまはラストスパートかけて勝っていかねば。ね。

[J'sGOAL]【J2:第38節 千葉 vs 大分】レポート