stellacadente.blog

がんばりすぎずにあるこうや。

グランドスラムのランナー・アップ

2014 U.S. Open Tennis Championships 男子シングルス
決勝 錦織圭●0 (3-6, 3-6, 3-6) 3○マリン・チリッチ

日本人として初めてのグランドスラムファイナル進出に、日本中がお祭り騒ぎでした。24歳の錦織圭が、準々決勝で第3シードのワウリンカを、準決勝では第1シードのジョコビッチを破り、日本のテニスの歴史に新たな1ページを記したのが、土曜日の深夜。今月は僕もWOWOWに加入していたので、試合開始からたっぷり3時間見ていました。

準決勝は深夜でしたけど、ものすごく興奮しましたね。第2セットこそジョコビッチに完全に支配されましたが、第3セットで粘りに粘ってゲームとセットを奪い、第4セットの第1ゲームをブレークした時点で「これはいけるかもしれない」と。ジョコビッチは目に見えてナーバスになってましたし、錦織はコンディションがすごく良くて、ロングラリーで厳しいコースをよく狙えてました。最後のジョコビッチのフォアショットがベースラインを越えたときには、夜中なのに思わず叫んじゃいましたね。しばらくは震えが止まらなくて、すげぇすげぇとつぶやきながら何度も拍手してました。すごいことになったぞと。

決勝は火曜日の早朝でした。時間的に仕事が始まるまでに試合が終わるか微妙で、最悪フレックスをフル活用するつもりで、早起きしてテレビ前待機。わくわくしながら観戦していましたが、結果的にはストレート負け。試合時間も2時間強で、残念ながら完敗でした。

錦織自身が言ったように、相手がフェデラーではなくチリッチだったというのは、実際相当にやりづらかったと思います。メディアでは「通算で5勝2敗、ランキングも下位、これなら勝てる!」と散々煽られていましたけど、トップ10シード外の選手がファイナルまで上がってくるというのは、それだけコンディションが抜群に良いということです。錦織も第10シードでここまできたわけですからコンディションはかなりいいはずでしたが、調子がよく勢いに乗ってる相手と対戦するのは、相当に疲弊するもの。決勝ではそれがはっきり露呈した形になりました。残念な結果ですが、これは仕方ない。チリッチはめちゃくちゃ強かったです。

それでも大変な偉業であることは事実です。日本人としてだけでなく、アジア人として初めてのグランドスラム決勝進出だそうで。女子では中国のリ・ナが2011年のフレンチオープンと今年のオーストラリアンオープンを制して世界に衝撃を与えましたが、それに次ぐ快挙ということです。グランドスラムトーナメントというのは、数多あるテニスの国際大会の中でも別格の扱いがある大会ですから、その決勝に立つということは、サッカー日本代表がワールドカップの決勝に進むとか、日本人選手がゴルフのメジャー大会を勝つとか、それくらいすごいことです。僕もウィンブルドンを中心に長くテニスを見てますけど、ファイナルに日本人が立つということを想像したことすらありませんでした。すごい選手です。

まだ24歳です。NewYorkTimesは「BIG4時代の終焉」と報じたそうですが、それを確実なものにできるように、今年の残りの大会を良い形で締めくくって、来年につなげてほしいと思います。ATPランキングは8位まで上がりましたから、この位置をキープできれば1月のオーストラリアンオープンには有利な組み合わせで臨むことができます。次は初優勝へ。期待したいと思います。