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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第3節 遅かれ早かれ

2010 Jリーグ Division 2
第3節 ジェフユナイテッド市原・千葉●1 - 3○徳島ヴォルティス
4位(勝点4)→8位(勝点4)

徳島まで行かれた方々、お疲れさまでした。強風の影響で交通機関に不便がたくさん出て、現地入りをあきらめた方もいたと聞きます。これでせめてスカッと勝ってくれればよかったんでしょうけどねぇ。3連休、徳島・四国の街を楽しんでこられたなら、幸いではあります。

まーしかし、いいようにやられてしまった。90分間、ジェフの時間はほとんどありませんでしたね。ゲームを支配していたのは、圧倒的にヴォルティスでした。

ではまずスタメンを振り返ります。GKに岡本。右から坂本、茶野、ミリガン、アレックスの4バック。アンカーに山口、その前に佐藤と工藤。右に米倉、左に深井、センターに巻の3トップ。鳥栖戦とまったく同じラインナップです。ベンチメンバーも、福元が復帰して青木孝太が外れただけ。正直、これには僕は驚きを禁じえませんでした。

「勝ってるチームはいじらない」というのはサッカーの原則だと言われています。それはわかります。ただ、山口、佐藤、工藤の3人は、全員が割とセンターによってプレーするのがベースになる。それでアレックスのプレーエリアが広がって、サイドから攻撃をつくことができているわけですが、今回は同じサイドに津田と倉貫がいるわけです。右側も同じです。平繁と柿谷という超スピード系ウィングが並ぶ布陣に対しては、ボールを"持てる"選手が必要なんじゃないかと。で、僕としては、それは谷澤とか工藤なんじゃないかと思ってたので。試合が終わった後なので、後だしジャンケン的になってしまうのは自覚していますが、何にせよ「何も変わらない」のには「あれ?」と思いました。

さて試合です。前半から試合の主導権は徳島が握っていました。スカパーで解説した田渕龍二さんも言っていたように、まさに終始徳島ペース。ボランチの青山と濱田がセカンドボールをことごとく拾って、さらにスピードに乗って一気に前線に攻め上がってくる。山口や工藤がセンターを絞って、できたサイドのスペースに津田やら柿谷が待っている。完全にゲームを作られました。そして、このながれは基本90分間変わりませんでした。

前述のとおり、津田はアレックスが上がった裏のスペースをいいように使っていました。アレックスの攻撃参加は、今のジェフの大きなストロングポイントで、これによって中盤の工藤、佐藤、同サイドの深井、逆の米倉と、流動性のあるアクションサッカーが展開できています。熊本戦の倉田の得点、鳥栖戦の米倉の1点目などはいい例で、サイドバックから攻撃がスタートして、そこから非常に速いテンポでパスをつなぎ、最後はボックス内多くの人数をかけてフィニッシュまで持ち込む、というスタイル。これは江尻監督が目指すサッカーそのもので、それが戦術として徐々に浸透し始めているということなんだと思います。

ですが、このストロングポイントは、逆にウィークポイントにもなりえるということが今回よくわかりました。アンカーの山口を抑えられたこともあって、中盤、いわゆる「2列目」で全くボールを納められず、セカンドボールへのリアクションもうまくいきませんでした。ミドルサードからディフェンディングサードの両サイドを完全に掌握されてしまい、攻撃がスタートできない。ボールを奪った後の守備から攻撃への切り替えが遅かったとは思いませんが、速いテンポでのパスがうまくつながらず、しかもそれがプレーアウトではなく単純に徳島に奪われてしまうので、一気に攻め立てられてしまってました。中途半端に前がかりになっているところを狙われてしまって、守備もうまくできませんでした。

そういうわけで、中盤の山口を抑えられ、両ワイドの米倉、深井にうまくパスが散らせなかったこともあって、攻撃の形がほとんど作れませんでした。シュート9本はその結果。シュートの3本前で止められているので、チャンスというチャンスが作れなかったのです。そして、やはりセンタートップの巻が決定的な仕事ができないというのは大きな問題。ちばぎんカップ以降、リーグ戦が始まっても、ポストプレーをかなり意識してプレーしていることがわかりますが、その精度はお世辞にも良くない。周りとの位置関係も良くないし、後方から安心してボールを蹴れないし、前を向いてシュートを打つことができない。サイドからの鋭いクロスが皆無だということもあって、巻が全く活きていません。周りも巻の活かし方に迷っているようだし、巻自身、自分の役割に迷っているように思います。いろいろとやろうとしすぎなんではないかと。

交代で入ったネットは、ホールディングのファウルをやたら取られました。今季、手を使ったファウルを厳しくとるというのは、各チームに講習を通じて伝達されていることですけど、ちょっと厳しすぎやしないか、とここ何試合か見て(ジェフ以外の試合もスカパーの再放送で見ています)、すごく思います。ルールはルールだし、というのは簡単だけど、杓子定規すぎないかな。JAGSで野々村さんも言っていましたが、もうちょっと柔軟なジャッジをお願いしたいと、レフェリーもホールディングの事をちょっと意識しすぎじゃないか、とは思っています。一方で、ネットはネットでその癖は直さないと。競る時に手を広げるので、取られやすくなっていますよね。それは練習の中でしっかり直していかないといけません。チームのチャンスを潰してしまうことになる。

江尻監督の言うとおり「全員が悪かった」し、茶野の言うとおり自分たちの力を出さずに終わってしまった」。そして徳島にジェフの良いところを完全に消されたゲームでした。開幕3試合目でこういうゲームになってしまったことは、良かったのか悪かったのか。今回のゲームは、誰が悪かったとか、采配がどうとか、そういう話じゃないと思うんです。チームとして完全に負けたわけだから、チームとしてこれからどうするべきか、考えなきゃいけないと思う。勝利を願ってスタジアムまで駆けつけるサポータたちがこんなにいるということ、そのことを選手たちにはきちんと受け止めてほしいと思うのです。

次はホームで草津戦。今度こそ、相手を圧倒して、スカッと勝ちたい。

[J'sGOAL]【J2:第3節 徳島 vs 千葉】レポート