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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第5節 攻めへの意識

2010 Jリーグ Division 2
第5節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 0●ギラヴァンツ北九州
6位(勝点7)→5位(勝点10)

事情は違えど、共に今年が「J2初挑戦」となるジェフと北九州。開幕前には、その成績は天と地ほどの差があったものですが、4節終えての状況はその予測を裏切るもの。まずまずのスタートを切った北九州と、いまいち調子に乗り切れないジェフ。とはいえ、ここはさすがにすっきりと勝ちたいところ。

スタメンを振り返ります。前節・草津戦でガラッと変わったスタメンですが、今回もGKには櫛野。右サイドバックは鎌田が移籍後初出場・初スタメンで、茶野、ミリガン、渡辺との4バック。中盤は変わらず、山口、佐藤、工藤。倉田とアレックスの両ワイドに、頂点にネット・バイアーノ。巻と太田は前節同様ベンチからのスタートです。

水戸やヴェルディ相手にも失点しなかった北九州のディフェンスを、中盤と3トップでどう崩していくか、というのがひとつのポイントでした。徳島戦、草津戦で、お世辞にも良いとは言えなかった攻撃の組み立てをどう改善していくのか。いかにしてシュートまで持っていくか。ここに注目していました。江尻監督は「15本のシュートが目標」だったようですが、それには前線だけでなく、中盤の積極的な攻撃参加とフィニッシュの意識が不可欠なわけで。

「フィニッシュの意識」という部分で立ち上がりから気を吐いたのは、2試合連続でスタメン出場のネット。開始4分で遠目からのロングシュート。これ以降も、ボックス内への選択肢が見つけられなければ、多少強引であってもシュートを打っていく、という姿勢を見せてくれました。先制点のシーンでも、変にボールを持たずに、パスを受けてすぐにファーに流し込みましたし、「ゴールを目指す」意志がはっきりと表れていました。

追従したのは倉田。サイドから中へ切り込んでのシュート、センターでパスを受けての反転シュートなど、バリエーション豊かに相手ゴールへ迫ります。2点目はネットの強烈なフリーキックを水原がはじいたところに、倉田が素早く反応してダイレクトで蹴り込みました。このあたりも「とにかくシュート!」という意識の表れ。決定的な場面をフイにしてしまったところもありましたが、ああいうところは今後修正してもらいましょう。

「中盤の攻撃参加」では、とにかく佐藤勇人が効いていました。先制点の場面では、相手のファウルを素早くリスタートして、左サイドへ展開。渡辺を経由して佐藤がボールを受け、素早く周囲の状況を見渡して飛び出すネットを見つけ、スルーパス。また3点目は、左サイドから倉田が内側へ切れ込み佐藤へ。自分でシュートを打つ選択もできたでしょうが、逆サイドでフリーだったアレックスへ非常に丁寧なグラウンダーのパス。鳥栖戦でも米倉のゴールを演出した見事なスルーパスがありましたが、前線との連携は見事なもので、攻撃の最後の一手をふるうのに最高のパフォーマンスを見せています。遠目からでもミドルシュートを狙っていく積極性も健在だし、持ち味の「大胆さ」が良い意味で発揮されています。個人的には、モヤモヤした気持ちがまだぬぐい切れていないのですが、もっともっと活躍して、そういう気分を吹き飛ばしてほしい。これからも頼むぞ、勇人!

佐藤が攻撃面で、そして山口が守備面で力を発揮する中で、最近その存在感が希薄になってしまっているのが、工藤です。サイドでのボール回しの絡んだり、中盤でのバランサーとしての仕事ができているのはわかります。が、工藤のストロングポイントである「ボールを納めること」「スペースを見つけて走り回ること」がなかなかできていないように見えるんです。ポジション的な制約もあるんでしょうが、これはとてももったいないな、と思うのです。それと、シュートへの積極性がすごく低い。今回もいくつかあったシュートチャンスで、一度もシュートしませんでした。「フィニッシュへの意識」を伝えられているのに、これではちょっと、ね。もっと「オレが決めてやる!」って思ってもいいと思う。今までその右足をいくつもゴールを奪ってきたじゃないか。もっと自信持ってほしい。

最終的に打ったシュートは、前半6本、後半は4本。後半は、最後の15分くらいは守備意識が高まったこともあって、あまりシュートがありませんでした。北九州にずいぶん攻められつつも、あまりシュートを打たせなかった(危険なシュートがあったことは事実ですが)こと、そして無失点に抑えたことは素晴らしいことです。櫛野も相手のコーナーキックからのピンチを救っていましたし、ミリガンはやっと日本の(というかJ2の)サッカーに慣れてきたようです。あとはセットプレーの守備がもっと安定すれば。

次はホームに帰って、横浜FCです。横浜FCとは2007年にJ1で戦って、このときは2戦2勝、5得点無失点でしたが、その時の横浜とは全然違うチームになっています。2連敗していて、この試合にかける気合の十分で乗り込んでくるでしょう。でも、勝たなきゃいけないのはこっちも同じ。相手がどこであろうと、どんな状態でこようと、負けるわけにはいかないのだ。

[J'sGOAL]【J2:第5節 北九州 vs 千葉】レポート