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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第23節 本能のままに

2012 Jリーグ Division 2
第23節 ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 2●京都サンガF.C.
5位(勝点40)→2位(勝点43)

開幕2戦目でけちょんけちょんにやられた京都相手のホームゲームは、久しぶりの3ゴールで勝ちました!「熨斗つけてキッチリ」とはいきませんでしたが、残り試合は少なくなれば1勝の重みは増すわけで、なにはなくとも勝ったことこそが重要ですよ。

スタメンを振り返ります。GKは岡本。大岩、竹内、山口智、武田の最終ライン。ボランチは今回は佐藤勇人佐藤健太郎のセット。2列目に田中佑昌、兵働、深井が並び、最前線に藤田が張る4-2-3-1でスタートです。開幕当初のシステムに戻した格好ですね。前節致命的なミスをしてしまった町田也真人は登録を外れました。それだけが理由というわけではないんでしょうが、メンタルも含めてコンディションが戻っていないんでしょう。

前半はまったくの凡戦。あまり前に出過ぎず、適度にサンガにボールを持たせて中盤から後ろをしっかり守り、ボールを奪ったら素早く前に預けてカウンターを狙うと、そういうサッカーに終始したようです。今回は勝つことこそが何よりも重要という考えは、木山さんにもあったということですね。こういう現実的なサッカーは、カウンターがハマれば見ごたえがあった面白いんですが、今回は真ん中の佐藤勇人と兵働のところがブレーキになってしまっていました。見積もりが甘いのか相手に見切られているのか、スペースにパスを出そうとしても京都のDFに引っ掛かってしまうことが多くて、リズムを掴めない。ここのラインで詰まってしまうと、京都はボールのまわりも速いし個々の能力も高いんで、一転大ピンチになってしまいます。ただ、京都の方も決して攻め切れてはいなくて、深いところまで持っていくけどボックスには侵入できず、外からミドルを撃たされるというパターンが多かった印象。お互いいまひとつノれないままに45分間が終わってしまいました。なかなか盛り上がらん。

でも木山監督としては、前半0-0というのはプラン通りだったかもしれません。後半はカウンターがけっこう面白いようにハマって、瞬く間に3得点。いずれも基点は兵働でした。前半は細かいパスのミスが目立っていましたが、広大なスペースを見つけてすかさずロングパスで味方を走らせるセンスはやはり一級品ですね。こういうパスが兵働だけでなくいろんな選手から数多く出てくるようになると、攻撃にもっと勢いがつくと思うんです。ここ最近は左のワイドに開いてのプレーが多かった兵働ですが、インサイドで周りを見ながら右にも左にも捌ける位置でのプレーで、後半は生き生きとしていたように見えました。スピード系のアタッカーが揃っているのも相性がいいんでしょうね。

そして、大塚翔平がついにゴールを決めました。やっと、ようやっとです。兵働からの長いスルーパスをコントロールして、今度はわき目も振らずゴールに突き刺しました。彼が結果を出してくれたことが本当にうれしい。ゴールしてあんなに前のめりになって叫びまくったの、けっこう久しぶりでした。高いポテンシャルを持っていることは誰にだってわかっていて、それなのにいまひとつ吹っ切れずに自分からその能力を抑えつけてしまっていた大塚。スマートにやろうとするあまり動作が遅れがちになって、相手の速いプレッシャーに引っ掛かってしまうことも多かったんですが、なんのことはない、難しいことは考えずに"本能"で身体を動かすのが一番いいんですよ。得点以降は目に見えて動きが良くなったし、プレーが洗練されたようです。ジェフにはアタッカーが多くいますが、みんなタイプが違うわけです。テクニシャンタイプのアタッカーも大塚の他にはいない。自分の武器を存分に発揮して、大活躍して期待に応えてもらいたい。頼むよ!

3点リードしたあとの2失点というのはなんともいただけない。コーナーからニアで合わされたものと追加タイムのパワープレーですから、気がゆるんでしまったというのが正直なところでしょう。山口慶を入れてクローズにシフトしたにも関わらず、バランスを崩しての失点ですから、猛省しなきゃいけません。京都のパス回しはスピードもテンポも超一流で、ものの見事に振り回されて全然ついていけていませんでしたが、岡本のスーパーセーブがあったり竹内が必死に走って食らいついたりで何とか食い止めていたわけなので、「試合の終わらせ方」という部分でもっと成熟が必要なんだろうな。前に身体を張れる米倉がいたし、とにかくどーんと大きく蹴ってしまっても良かったでしょうしね。

大混戦のJ2ですが、夏の入口にこうして白星を勝ち取ったことは大きい。例年この時期に崩れてしまうんで、なんとか堪えて秋のラストスパートに臨みたいところです。次は三ツ沢での横浜戦。先週の熊本戦の前に、町田と横浜のゲームを前半だけ見ましたが、もうとんでもなくいいチームに仕上がってます。ややもするとギッタンギッタンに打ちのめされてもおかしくないくらい、非常にバランスの取れて洗練されたサッカーをやってます。順位も7位まで上がってきてとても気持ちよくサッカーやってるところだと思いますが、こっちだって勝ち点を落とすわけにはいきません。全力で、勝ちにいきますよ!

[J'sGOAL]【J2:第23節 千葉 vs 京都】レポート