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がんばりすぎずにあるこうや。

ちばぎんカップ 個性派集団のお披露目

2013 Jリーグプレシーズンマッチ 千葉ダービーマッチ
第19回ちばぎんカップ ジェフユナイテッド市原・千葉○3 - 0●柏レイソル

いよいよちばぎんカップがやってまいりました。もうすっかり恒例で、今年は11000人以上も入って、なぜだか"世界三大カップ"の通称まで浸透してきてしまったようです。それだけ長いことつづけられているのは貴重なことですよ。これからも何十年と続けていきたいものです。

では、シーズン最初の公式ゲーム望む両チームのスタメンを振り返ります。まずホームの柏は、GKに菅野。バックスは3枚、鈴木大輔、増嶋、近藤直也。中盤はアンカーの位置に茨田、その前にレアンドロ・ドミンゲスと谷口を置く逆三角形のトレスボランチ。左右ウィングバックにキム・チャンスジョルジ・ワグネル。ツートップは工藤とクレオです。対するジェフは、GKは今年も岡本がファーストチョイス。4バックにキム・ヒョヌン、竹内、山口智、渡邊。ボランチの位置に佐藤勇人と兵働が入り、その前は米倉、ナム・スンウ、谷澤、ジャイールが並んだ正真正銘の"ゼロトップ"です。昨年のちばぎんカップではスタメン全員を"既存戦力"にしたネルシーニョさんですが、今年は新戦力を4人も入れてきました。鈴木淳さんも新加入の外国籍選手を3人入れて、自らのスタイルを実戦で定着させようという構え。両チームとも昨年と大きくサッカーが変わりましたが、現時点で上手くいっているのはジェフのほうでしたね。

とにかく目立ったのは、前線4人の好調ぶりです。米倉は昨年終盤のいいコンディションを維持したままここまできているようで、裏への飛び出しは言わずもがな、ハイボールに点で合わせる技術もかなり上達して、それを生かしての2得点。非常に充実しています。単純な動きでゴールを強襲できる"点取り屋"ってのが合ってるんでしょうねぇ。キレキレの状態を維持したままシーズンインしてもらって、右サイドをかきまわしてもらいたいところ。

左のジャイールは、なるほどブラジル人らしい個性のカタマリ。ボールを持つと、とにかく周りのことなんかお構いなしの自分のリズムだけでプレーしようとします。縦への推進力は見事なもので、一直線にゴールに向かって突き進んでいく姿勢は大きな武器になります。コンパクトなキックモーションから繰り出されるロングパスの精度もなかなかだし、逆脚もそれなりに使えそう。とはいえ、細かいステップワークを混ぜつつゴールを目指しても鈴木大輔に完全に対応されていたのも事実だし、連携面では周りを振り回すばかりでコミュニケーションがまるでできていないことが露呈していましたから、印象としてはもうひとつかなーといったところです。まぁ昨年のこの時期に「もうひとつかなー」だった藤田と佐藤健太郎がシーズンではあれだけの活躍をしたので、ジャイールにもそれを期待しています。目標の20得点を達成してもらいましょう。

センターのナム・スンウは驚きのスタメン起用でありましたが、これもなかなか面白い選手です。身のこなしが軽快で、細かいタッチでボールを運んで行ける選手。その上バランス感覚も良くて、ちょっと当たられたくらいではビクともしません。アタッカーでもフィニッシャーでもありませんが、自ら攻撃のリズムを作ってチャンスメイクできるスキルを持っています。この日は周りとのバランスを重視したようでややどっちつかずな印象もありましたが、動きの質に関してはとても高いものを感じました。今後チームにしっかりフィットすれば、あるいは大変な逸材になるやもしれません。

もう1人の韓国籍選手、右のサイドバックに入ったキム・ヒョヌンは、しかしサイドバックの選手ではありませんね。サイズが大きいし体を張れるし、ハイボールもきっちり跳ね返すし。反面攻撃時のオーバーラップやミドルサード以降のプレー判断には不満があって、やっぱりセンターバックが本職なんだなと。ただ淳さんはその部分をもっとブラッシュアップしてほしいようで、どうやらサイドバックとして大成させるつもりの様子。このチャレンジ、吉と出ますか凶と出ますか・・・・。

柏のほうは天皇杯をファイナルまで戦ったこともあって、始動も遅いしシステムも新しいしコンディションもまだまだというのがありありとうかがえました。新戦力については、強みを発揮できたのはキム・チャンスくらいではなかったかな。ガタイがいいくせに運動量が豊富で、あれもしかしてスタミナのカタマリだったりするのか。右サイドの守備は鈴木大輔と合わせて盤石な印象でした。ただし彼もクロッサーではなさそうなので、真ん中でのフィニッシュの部分では改善が必要でしょうね。ACLもあって時間はないですが、ネルシーニョさんはどうまとめますかね。

高橋峻希や大塚、町田、田中佑昌ケンペスは不出場だったし、深井や伊藤や佐藤健太郎も出場時間が短かったので、こういった戦力がさらにチームを底上げしてくれるとうれしいと思います。月曜日に行われた関東大学選抜Bとのトレーニングマッチは2-4で敗れてしまったようですが、リザーバーの奮起はチームとして強くなるうえで必須です。主力がサスペンションで出られなくなった途端にボロボロになってしまうんでは、これまで3年間の繰り返しになってしまいますから、その意識はより強く持ってもらいたい。3年間の屈辱を無題にしないためにも、全員がもう1段、2段と強くならなきゃいけません。

シーズンインに向けていい弾みがつきました。開幕まで2週間。苦手の札幌と初戦でやれるというのは、イコールコンディションという意味で良いことなのかもしれません。気負わず、意志を強く持って、今年子と笑ってシーズンを終わりたい。そのための最高を準備をして、フクアリに向かいましょう。

[J'sGOAL]【2013Jリーグプレシーズンマッチ 柏 vs 千葉】レポート