J2第5節 一歩前に出る勇気を
2013 Jリーグ Division 2
第5節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△ガンバ大阪
10位（勝点5）→11位（勝点6）
今シーズン最初の3連戦は、3引き分けという結果になりました。これで4試合負けなしだ！と手放しでは喜べないですね。ポイントを落としているのは事実だし、まだ気にする時期でないとはいえ順位もじりじりと下がっていますし。ただ、今回のドローは栃木戦や鳥取戦に比べるとかなりポジティブなものだろうなと思っています。ぜひとも浮上のきっかけにしてもらいたい。
スタメンには少し変更がありました。GKは岡本。4バックが、高橋峻希、竹内、山口智、レフトバックが今回は大岩です。インサイドハーフは佐藤勇人と佐藤健太郎。前線は、米倉、谷澤、ナム・スンウ、ジャイールの4人。頂点を置かないゼロトップですね。ケンペスとキム・ヒョヌンは今回はベンチスタート。ガンバ相手ということで、前線に動きをつけてバイタルをより引っ掻きまわしたいという意図があったようです。それから兵働がケガから復帰してベンチ入りしました。深井もベンチに復帰です。
見ていて面白い試合でした。がっぷり四つに組み合った試合ではありませんでしたが、お互いに今あるチームの強みを発揮して攻めて、それをバックスが体張って必死に守って、最終的には守備側がやや上回っての1-1。ガンバ対策として敷いた前線のシフトは、完璧に機能したわけではないにせよそれなりを効果を上げていました。人が動いて相手にチェックの的を絞らせず、隙あらばDFの裏を狙って抜け出そうという意図は明確に見えましたし、何度もオフサイドに引っかかってしまいましたけど、攻撃パターンがチームで共有されていたのは良いことです。いままでは「こうやって攻める」っていう共通認識があまりにも希薄だったんですよね。両サイドバックもポジションの上げ下げがスムーズになってきたし、攻撃に絡む回数も増えました。ガンバ相手にイニシアチブをとれる時間帯がある程度確保できたのは好材料ですね。
ジャイールはようやく一発目が出ました。ジャイールは左サイドに張っとけと指示されることが多いみたいですが、プレーエリアを絞らずもっと自由に動かしていいんじゃないかと思いますね。攻撃のリズムが良かったのはジャイールのポジションが流動的だった時間帯と割と重なっているので、強みを生かせるように個人技でゴリゴリやってもらっていいんじゃないかな。ちばぎんのときとか、今回のゴールシーンのような縦の推進力に光るものを持ってるわけだし、これは最大限生かさない手はないでしょ。
ゴールに迫る回数はずいぶん増えましたが、シュート数が増えていない。これは真ん中の押上げが弱いせいですね。前半に山口から右サイドにロングフィードが出て、高橋が藤春の裏を突いてカウンター気味に持ち上がったシーンがありましたが、あれも中央の人数がそろわなくて結局無理やりのシュートになってしまいました。ボランチの2人が守備にパワーを割いている分「攻→守」のトランジションはスムーズで、倉田や二川といったタレントを相手にしても決定的に崩されるシーンは多くありませんでしたが、反面「守→攻」のトランジションが遅くなっています。この切り替えが速くなると、先のシーンでも素早くマイナスのクロスを入れて1点、といくんですよね。マイボールになったときにもう1メートルでも全体を押し上げられれば。
いまは谷澤やスンウが下がってボールをもらいに来ていますが、それをぐっと我慢して、ボランチのところから縦に配球ができると、前にもっとパワーをかけられるはず。終盤に兵働が入ってからはそういうシーンがかなり増えて、明確に攻撃のスイッチが入るようになりました。あのセンスはすごいよな。ただ兵働も90分動けるまでに復調するかどうかわからないし、何より守備面での不安がぬぐえない。僕は、佐藤健太郎がもうちょっとゲームメイクできるようになる良いなと思うんですがね。それだけのポテンシャルは持っているはずの選手なので。でもあんまり役割を与えすぎて負担をかけても、結局中途半端になっちゃうしなぁ。
ラストプレーの山口のヘッドは、あれは本当に惜しかった。録画で何度も見返しましたが、あれ藤ヶ谷の手ではなくて、アタマにたまたま当たっちゃったような感じですね。悔しい。これは悔しいわ。ジェフが勝つにはああいう「ワンチャンス」を確実にモノにするしかなかったんでしょう。やっぱりガンバは強かった。
次はホームに戻って北九州戦です。昨シーズンは「10分で試合が終わった」んだったなー。監督も変わり選手もかなり入れ替わっているので、対策は取りづらいかもしれません。今度こそホームで勝利を挙げられるように、万全の準備をしてフクアリに向かうとしましょう。
