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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第19節 着火セヨ

2013 Jリーグ Division 2
第19節 ジェフユナイテッド市原・千葉△1 - 1△横浜FC
6位(勝点28)→6位(勝点29)

昼に地元でフットサルをやっていたので、フクアリに着くのが試合開始直前になってしまいました。千葉は日中はけっこう土砂降りの雨も降ったようで、そんな天気でも1万人を超えるお客さんが集まりました。J1が中断しているので単純比較はできないかもしれませんが、それでも土曜開催の効果はかなり大きいんだと思いますよ。固定開催はやっぱり再考してもらいたいですねぇ。

スタメンです。GKは岡本。4バックは、米倉、竹内、山口智、レフトバックは前節から高橋峻希になっています。ボランチ佐藤勇人佐藤健太郎。2列目は右から、兵働、谷澤、田中佑昌。最前線にケンペスです。長崎戦、山形戦とあれだけボロボロのゲームになってなお、淳さんは大幅なメンバーの入れ替えをしていません。メンバーではなく戦い方を変えると、そういうことなのかもしれませんね。個人的にはなかなかモヤモヤしてはいるのですが。

とはいえ、横から見ている分には大変エキサイティングで面白い試合だったんじゃないかと思います。単純にショートパスのテンポが一段階上がり、加えてアタックハーフでのオフ・ザ・ボールの動き方が変わったことで、全体の動きがかなり活発になった印象ですね。これまではスカパーの解説陣(特に永井さん)に何度も指摘されているように、とにかく「止めてパス、止めてパス」というのがめちゃめちゃ多かった。これが動きながらパスを受けて、またマークを外してスペースに入ったところをちゃんと見てそこに出して、というのを繰り返すようになって、中盤でのビルドアップの精度が格段に上がったように思いました。

僕はプレミアリーグの試合もよく見るんですが、プレミアとJリーグではこの「前のスペースにパスをだし、動きながら受ける」という部分が大きく違います。それぞれに利点欠点があるでしょうが、アタッキングサードでの相手のプレスが非常に速いJ2では、止まってパスを受けるよりも、常に人を動かして相手に的を絞らせないやり方のほうが効果的だと思います。相手DFの裏を取る動きというのも基本的にはこれと同じなわけで、全体の意識をそこに持っていくことができれば、田中佑昌や谷澤、ケンペスのストロングポイントをもっと活かすこともできるはず。やり方を変えたことが率直に好影響を与えているというのは、非常に良いことですね。

佐藤勇人の負傷で早々から出番を得た伊藤大介は、見違えるほどにプレーが洗練されていました。自分のウィークポイントである守備の拙さがなるべく露呈しないように、球離れをよくすること、常にルックアップしてフリーの味方を探し続けることを意識して、中盤で立派にレジスタの役割をこなし切りました。今季は出番が大きく減り、せっかく得た数少ない出番でも致命的なミスを連発して信頼を失いかけていた伊藤ですが、今回のような働きが継続してできるのならば十分に戦力になってくれるはずです。

同じく交代出場の大塚も、小気味のいいステップと特徴的な動きで前線を活性化しました。大塚はチームのリズムを変えられる選手だし、それがちゃんとできたというのは、本人にも自信になるんじゃないかな。ジャイールが入って良さがつぶれてしまったのは残念ですが、光るポテンシャルの片鱗を見せてくれました。僕は大塚には本当に期待してるんでね、がんばっておくれよ。

そうはいうものの、横浜が松下と野上という守備の職人を2枚欠いていた上、試合の主導権はこちらにあったわけですから、この試合で勝てなかったというのはやはり反省すべきところだと思います。セットプレーでの失点が続いているし、リスクが大きいはずのGKへのバックパスがあまりにも安易だったりして、どうしても不安定さはぬぐえません。個人のストロングポイントを徐々に活かせるようになってはいるものの、やっぱり最後のところで「俺が決めてやる!」っていう気迫がどうしても足りない。積極性と冷静さは、相反するものではあるけど同居できないものじゃないので、どうにか最後の閉塞感を打破して、勢いでねじ込める力をつけてほしいものです。

でも、この試合での最大の収穫は、谷澤の同点ゴールが決まったときの、フクアリのあの大爆発ですよ。あの感じはひさしぶりでしたね。岡本のPKストップもあって、スタジアムが一体になって相手を打ち負かしてやろう、絶対に勝とうと前を向いている雰囲気に満ちたのは、なんだかすごく嬉しかったです。その勢いを結果につなげられずにドローで終わってしまったのは悔しいですが、でもようやく這い上がることを目指して動き出したんだと思いたい。1年半もの間まともにやれていなかった「円陣ダッシュ」も綺麗に決めてくれて、選手の意識も変わっていているようだし、この試合はひとつのターニングポイントにしないといけないでしょうね。

次は徳島とのアウェイゲームです。神戸に行けなかったので徳島行きも考えたんですが、4月に京都に行ったし、6月の週末はどうにも予定がみっちりで少し休まないと自分の体がもたなさそうなので、スカパー観戦することにしました。徳島は毎年タフなコンディションになっていますけど、今年は梅雨時だしどうなりますかね。浮上のきっかけを確かなものにできるようなゲームにしてくれればいいなと思ってます。

[J'sGOAL]【J2:第19節 千葉 vs 横浜FC】レポート