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がんばりすぎずにあるこうや。

皇后杯準決勝 悔しさを力に変えて

第36回皇后杯 全日本女子サッカー選手権
準決勝 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース●1 - 3○浦和レッドダイヤモンズレディース

レディースチームは2年ぶりに皇后杯でベスト4に進出しました。準決勝の舞台は西が丘サッカー場。実は西が丘に行くのは初めてでして、寒風吹きすさぶ中行ってまいりました。いつもはレディースの試合はメインスタンドから見ているんですが、今回は珍しくゴール裏から。勝つために少しでも後押しをしたかったんですけど、残念ながら及びませんでした。

試合のベースはジェフが握っていました。チームの心情である積極的なフォアチェックと連動したチャレンジ&カバーで、浦和に攻撃のリズムを与えず、中盤でボールを奪うと一気にポジションを上げて、カウンターで相手ゴールを強襲する。やり方はシンプルではっきりしていましたけど、センターラインにベストベンバーが揃わない浦和に対しては効果的に機能していました。圧倒的に攻めていたわけではないし、バックラインや山根さんの出番もそれなりにあったのでワンサイドゲームではありませんでしたが、速い攻撃から何度も決定機を作りました。その決定機のひとつでもモノにできていれば、試合の趨勢は変わっていた。それが成し得なかったことが、その一押しの手助けができなかったことが、悔しくて仕方ないです。

3失点は、セットプレーとカウンターが2発。ハイボールへの高さと、バックラインの裏を狙うスピード、現状のジェフレディースの弱点をものの見事に突かれた形になりました。判断ミスも絡んでいましたが、今季はやはり「60分以降」がどうしても良くなかった。そこにあって、優勝チームの決定力は脅威でした。失点からメンタルを持ち直そうとする暇もなく、立て続けの3失点。

やってきたことの成果として見せ場も作ったし、やれなかったことがそのまま敗因になってしまった。1年間が凝縮されたような90分でした。これが今のジェフレディースの立ち位置だということです。

試合後の挨拶で、深澤さんも真理さんも顔を上げられませんでした。美里さんはピッチに最後まで立ち尽くしていて、そのあと泣きはらした顔でゴール裏まで来てくれました。2年前の大宮では底抜けの明るさで場を和ませてくれた山根さんも、今年は違いました。悔しいよね。でも、その悔しさを忘れずに、次への力に変えて、今度は天辺まで駆け上がろう。まだまだ、強くなろう。

さて、ご贔屓の上野紗稀ちゃんです。

サイドバックでフル出場。藤枝で欠場したのはケガの影響だったそうで、しかしそれも軽度で済んで長引きはせず、準々決勝のINAC戦で無事復帰しました。この日も身体の状態を気にする様子はほとんどなく、プレー自体はいつもどおりにそつなくこなしていたように見えました。けど、それでもトップコンディションには程遠く。

リーグ戦で完封していた柴田が今回は中盤センターに下がっていて、斉藤あかねとのマッチアップ。単純な1対1では負けなかったし、ハイボールにも積極的にアタックしていました。守備面で今季成長した部分は存分に発揮して、浦和の右サイドから効果的な攻撃はさせませんでした。その意味では、当初与えられたミッションは十分果たしたはずでした。

後半に失点を喫してからは、攻撃にもエネルギーを割くようになってポジションをグイグイ上げていきました。アタッキングサードどころか、真ん中のボックス付近にまで顔を出して、ドリブルを仕掛けたりクロスを上げたりしました。でも残念ながら奏功せず、クロスボールを精度を欠き、積極性が空まわってしまった部分もありました。最後の最後で、不完全燃焼、だったかもしれません。

試合後に出待ちして、少し話をさせてもらいました。すごく悔しそうで、今にも泣き出しそうでした。「泣き虫上野」だからな、帰ってから思いっきり泣いたかもしれません。でもそれだけの思いを持ってジェフのために戦ってくれたってことで、それはとても嬉しいことです。
それから、「わたしシュート打ったんですよ。見てくれましたか?」って言ってくれた。攻撃面でなかなか強みを発揮できないシーズンでしたけど、でも自分の強みは忘れずに常に狙っているんだってことがわかって、とても嬉しかったです。初ゴールっていう目標は達成できなかったけど、意志を強く持っていれば必ず叶うはずです。

チームバスの中で最後のミーティングをして、解散。ジェフレディースもオフシーズンに入りました。躍進のシーズンでもあり、課題もたくさん見つかったシーズンでした。まずはゆっくりと身体を休めてもらって、また新しいシーズンに向けて鍛えていきましょう。

1年間お疲れさまでした。また来年、よろしくね。