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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第8節 これがウチの"守り方"

2010 Jリーグ Division 2
第8節 ジェフユナイテッド市原・千葉○2 - 0●FC岐阜
4位(勝点13)→2位(勝点16)

サポミでもダンマクでも「熊谷の悪夢を吹き飛ばせ!」が盛んに叫ばれた岐阜戦でした。僕自身は熊谷云々をさほど意識することは実際なくて、ホームはまず勝たなきゃいけない、それに先週負けてしまった、もうひとつも落とせないのだ、という気持ちでした。必ず勝つ。それはいつもと同じ思いで。

スタメンを振り返ります。GKは櫛野。DFは変わらず、鎌田、茶野、ミリガン、渡辺。アンカーに今回は中後雅喜。工藤と佐藤のダブルボランチ。右ワイドにアレックス、左に倉田、頂点にネット。岡山戦の敗戦を受けて、というよりは、来るべき連戦に備えての変更という感じです。ベンチには坂本、谷澤、巻が控えます。

前半にやろうとしていたのは、右サイドで細かくパスを回してビルドアップし、左サイドにできた大きなスペースにボールを一気に展開して、渡辺の攻撃参加や倉田の個人技を活かそうというもの。アレックスに加えて、今回は中後というフィードにはとても定評のあるキッカーがいて、展開そのものは回数も多くて、うまくいっていました。ただ、その先が良くなかった。渡辺はちょっとミスが多かったかなと思います。展開して、そこから少ないプレー数で組み立てたかったと思うんですけど、展開の数に比してボックス内にボールが入った回数が少なかったことは否めません。チャンスまで持っていけないというのは、ちょっともったいない。

岡山戦のときも書きましたし、「犬の生活」で西部さんも書かれていることですが、試合を自分たちのものにするには、何よりも早い時間帯での先制点が必要です。結果的には21分に、倉田の個人技からアレックスが詰めてジェフが先制。これで流れをぐっと引き寄せることができましたが、その前、15分くらいにあった岐阜の大チャンスで決められていたら、果たしてどうなっていたことか!肝を冷やしました。これは渡辺があがった後ろのスペースを狙われたものでした。こういうリスクがあるのを承知で攻めているということ。チャレンジそのものはどんどんしていくべきでしょうね。

7試合も鉄板の構成だった中盤は、今回は中後がアンカーに。昨シーズンも「守備の下村、攻撃の中後」とイメージされていたように、中後は攻撃により力を発揮するタイプです。事実、右サイドからのパスを受けて、シンプルに前に送る、逆サイドへ展開する、2列目を追い越してミドルシュートも打つといった、積極的な攻撃姿勢を多く出せていました。一方で、守備にも大きく貢献。アンカーとして岐阜の攻撃の芽を摘んでいました。山口は遅らせる、中後は攻撃を断ち切るというふうに、守り方が全然違いますがアンカーとして実戦でも十分通用するということを示してくれました。これから5月半ばまで連戦になるので、こうして戦力が増えることは歓迎すべきことです。

山口がいないことで守備に不安が出るのかな、と若干不安にも思ったのですが、これをカバーしたのは茶野でした。今季チーム最年長のセンターバックは、これまで山口が担当していた「ガッチリ押さえつけて、攻撃を遅らせる」仕事をきっちりこなしていました。鎌田がオーバーラップした際にもその穴をしっかり埋めて、決定的なチャンスを多く作らせませんでした。

茶野とミリガンのセンターバックは、ここ数試合とても高い安定感を感じさせてくれています。2人のプレースタイルが、昨シーズンまでのセンターバック(ボスナー、福元、斉藤、池田)の誰とも違うもので、はじめのうちは見慣れませんでした。なので、どうも浮ついた感じがしていたんですが、実はミリガンも茶野も、両サイドバックとアンカー、キーパーまで見て、うまーくバランスを取っているんですね。そのバランスが絶妙なんです。自分が当たりに行くことはもちろんあるけど、バランスを取って周りをしっかり見ることを優先する。それが、この2人のコンビの守り方なんです。

頂点に入った2人。ネットのフリーキックは見事でした。北九州戦の2点目につながったフリーキックで、これは大きな武器になるなと、あの弾道と威力であれば、枠にさえ飛べばゴールに直結すると感じてはいましたが、今度は直接ぶち込みました。ほぼ同じ場所での2度目のキックはミスになってしまいましたが、またも"大砲"の登場です。「数ある武器の一つ」として、うまく使ってほしい。交代で入った巻は、しかし思ったように動けなかったかもしれません。見事なサイドチェンジとか、深い位置でのクロス、オフサイドになってしまった飛び出しなど、いろいろとトライしています。けど、まだ周りとうまくマッチしていないように見えます。もう少しだと思うんですけどねぇ。早く巻ゴールが見たいよ。みんな待ってるよ。

いよいよ連戦がスタートしました。次はアウェイの栃木。ようやく関東でのアウェイ戦で、ジェフサポも多く駆けつけることでしょう。今季はアウェイで1勝1分2敗と苦しい状況が続いていますが、とにかくここも勝たないと。僕らもしっかりコンディションを整えて、連戦に備えましょう。

[J'sGOAL]【J2:第8節 千葉 vs 岐阜】レポート