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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第27節 監督の信頼度

2011 Jリーグ Division 2
第27節 ジェフユナイテッド市原・千葉△3 - 3△サガン鳥栖
4位(勝点40)→5位(勝点41)

ひどく後味の悪い試合になってしまいました。
岡本はこの試合、誰よりも機するものがあったはずです。恩師と呼べる眞田さんの訃報が届き、必ず完封して勝つと、そういう強い想いを持って試合に臨んだはずなんです。岡本が大好きなサポ仲間曰く、彼は3失点という結果を突き付けられただけなら、自分の責任であると背負ってしまう人間だということ。その彼が、あそこまで感情をあらわにした。よほどのことがあったんでしょう。大きな誓いを胸に臨んだ試合であったのに、結果が出なかったとはいえ罵声を浴びせられたら、そりゃ誰だってキレますよ。当たり前だよ。そんなん、サポートでも何でもないです。90分間必死に戦った選手にあんな思いをさせて、何がサポーターだ。バカか。

メンバーを振り返ります。GKはその岡本。バックラインは、山口、竹内、ミリガン、坂本といういつもの並びに戻りました。ファン・ゲッセル佐藤勇人のダブルボランチ。右サイドハーフに太田、左に村井。大島と深井のツートップです。負傷で長らく戦列を離れていた渡邊圭二が、1年3ヶ月ぶりのベンチ入り。DF4人、FW2人といういびつなベンチ構成になりました。この陣容も正直どうかと思いますけどね。

6月のホーム岐阜戦以来、およそ3カ月ぶりの3得点。攻撃に関しては及第点以上でしょう。深井がひさびさにキレキレで、素晴らしいゴールをそれも2発。通算12ゴールで再びリーディングスコアラーです。深井は大島や村井とよく連動して、前節に続いて活き活きとプレーしていました。しばらく見られなかったミドルレンジからのパワーショットも戻ってきましたしね。ボランチファン・ゲッセルも、左足の見事なダイレクトミドルでフクアリ初ゴール。この日のファン・ゲッセルはこれまでと比べて球離れもよく、またバックラインを高く設定して距離感が近くなったこともあって、うまくボールをさばけていました。ハイボールに対してポジショニングでことごとく負けていたのは気になりますが、最終ラインから前線まで、平面でのパス回しがしっかりできていたのは好印象。ゴラッソ3発とは言え、そういうゴールが生まれるってことは、攻撃のリズムが非常によかった証拠でもありますからね。

しかし素晴らしいゴールを3つ重ねても勝てないんじゃ、どうしようもないわなー。録画で見直しましたが、3失点とも岡本はノーチャンスです。木谷のキックは本当に見事だし、豊田との1対1を一度は防いでいるわけだし、国吉は落ち着き払って低い弾道で2発打ち抜いたし、ヨ・ソンヘのディフレクションはアンラッキー。岡本だけじゃなく、みんな体力的にめちゃくちゃキッツイなかで、ほとんど気力だけで必死にがんばってましたよ。正直、今回は選手を責める気には到底なれません。

たまたま僕はこの日の日中に、地元の草サッカーリーグで70分間プレーしていました。気温も湿度もものすごく高くて、給水タイムを含めてなんども水を飲みましたが、それでも最後はフラフラで頭がボーッとして、試合が終わったあとしばらくは動くことすら大変でした。夜になっても湿度はいっこうに下がらず、風もほとんどなくて、ゴール裏にいてさえしんどかった。ピッチにいて走り回った選手たちがどれほど消耗していたか、たぶん日中の僕以上だったろうと容易に想像できて、もう「走れ!」なんて言えませんでしたよ。なんとか持ってくれって、それだけだった。

そういう状況、フィジカルにダメージが蓄積して選手たちが走れなくなっている状況がスタンドからでさえ明らかだったのに、ピッチのすぐ横にいたドワイト監督は頑なに動こうとしなかったのです。ビハインドのユン・ジョンファン監督は、国吉、新居と次々に攻撃のカードを切って、前線のリズムを活性化しようと奮闘していたのに、ドワイト監督は頑としてベンチメンバーを呼ばなかった。83分を経過してようやく左ウィングの村井を渡邊に入れ替えましたが、渡邊がチャンスを演出しようとしても、周りがもう限界を超えてるからついてこられない。4点目を取れなくても、たとえば最前線に久保や青木孝太を入れてひたすらフォアチェックをしてもらって、鳥栖のバックスに数秒でも時間を使わせることができていたら、結果は違ったかもしれません。青木や久保は、スタミナが完全に切れて動けなくなっている選手より信頼できないんだろうか。じゃあ何のために彼らをベンチに入れてるんですか。7人の枠を埋めるためだけですか。そんなことのためにいるんじゃないでしょう、彼らは。

長らく勝利から遠ざかっているジェフにとって、何よりも必要なのは「勝つ」という結果です。そのための采配なら、どんなに泥臭くてもずる賢くても責めやしませんよ。ケガや警告累積でメンバーが揃わないのは、どのチームでも起こっていることです。それを言い訳にはできない。いま動ける選手と、それを引っ張る監督に託すしかないんです。頼むよ、頼みますよ、ボス。

順位表は、ジェフはまだまだ戦えると言っています。いまは我慢のとき、踏ん張りどき。がんばろう。がんばろう。

[J'sGOAL]【J2:第27節 千葉 vs 鳥栖】レポート