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がんばりすぎずにあるこうや。

J1第29節 This is ダービーマッチ

2011 Jリーグ Division 1
第29節 浦和レッズ●0 - 1○大宮アルディージャ
浦和:15位(勝点29)→16位(勝点29)
大宮:14位(勝点32)→14位(勝点35)

今年2度目の埼玉スタジアムに行ってきました。今回のカードは「さいたまダービー」、またの名を"コバトンカップ"。コバトン閣下に謁見できるかと思って期待したんですが、雨の影響でイベントが中止になってしまいました。残念。いいもん、来年また来るから。

残留を争う戦いの中にいる両チームの決戦ですが、まずはスタメンから振り返ります。ホームの浦和は、GKに加藤順大。サスペンションの宇賀神に代わって右サイドバックには平川。濱田水輝永田充センターバック、左はここ最近スタメンに定着した野田紘史。ダブルボランチ鈴木啓太と柏木洋介。2列目は右から、マルシオ・リシャルデスエスクデロ・セルヒオ、そして梅崎司。最前線にランコ・デスポトビッチです。一方アウェイの大宮は、GKの北野以下、杉山、深谷、片岡、キム・ヨングンのバックス。青木拓矢上田康太ボランチ、ワイドは右に渡邉大剛、左に橋本。ラファエルと東慶悟のツートップ。こちらは4-4-2です。

セントジョージクロスに「PRIDE of URAWA」が浮かぶ自慢のコレオグラフィーで始まったさいたまダービーは、なんとも気迫にあふれた、ある意味殺伐とした雰囲気がありました。「同じ街にあるチーム」としてお互いの存在を("ライバル"ではなく"敵"として)かなり意識しているし、まして共に過酷な残留争いの渦中にいるチーム。試合前の時点で3ポイントの差で大宮がリードしていましたが、浦和は勝てば大宮に追いつけるし、大宮は残留争いを一歩リードできる。まして昼の試合で甲府セレッソに勝っていましたから、「負けられない」どころか「勝たなければならない」という思いが、埼玉スタジアムに詰まっていました。この状況で盛り上がらんわけがないわ。

ナビスコカップでファイナリストになった浦和は、カップ戦で大活躍した梅崎がこの日も躍動していました。普段は原口がいる左サイドで自信たっぷりに前を向いてプレーし、大宮のバックスを翻弄しました。逆サイドのマルシオ・リシャルデスと頻繁にポジションチェンジして左右の攻撃にコントラストをつけ、なんとかチャンスを演出しようと走り回っていましたよ。浦和のサポーターも梅崎にかける期待はかなり大きいようで、選手紹介でもひときわ大きな拍手を送っていたし、ゴールらからは何度も「ウメサキ!」コールが起こってしたし。

なんですけど、チームとしてはやはり最後のところで迫力を出すことができないのは相変わらずでした。ここ数試合で予想外にいいパフォーマンスを発揮しているエスクデロ・セルヒオは、ポイントポイントではフィジカルの強さやスピードを活かしていいプレーを出せていましたが、それがフィニッシュまでつながらない。ワントップに入ったデスポトビッチは、単純な高さしか戦う術を知らないかのようにポストプレーがどうもウマくない。北野と1対1になったシーンも、狙い澄ましたはずのシュートは北野の真正面。後半には原口と山田直輝の若いアタッカーを投入してゴールを狙いましたが、この2人もリズムを変えるほどの仕事はできませんでした。両サイドにボールが渡っても、そのあとどう組み立ててボールをゴールへ納めようとするのか、サイドバックのオーバーラップを待ってクロスか、カットインしてシュートを狙うか、あるいは中へ細かくパスをつないで裏を狙うか、そのアドリブにやたら時間がかかっていた。前を向くのはいいことですが、急ぎ過ぎて窮屈になってしまっていました。

逆に大宮は、ラファエルを中心に非常にはっきりとした攻撃の形を作り続けていましたね。高さに対しては永田もしっかり対応していましたが、ラファエルは高さに加えて巧みな足下のテクニックを持っている。低い位置までボールをもらいに行ったり、サイドに流れてゲームを作ろうとしたり、非常によく動きます。ショートパスのミスをほとんどないですしね。トップのもう一人、U-22代表の東慶悟は、ラファエルが低めに位置取ってできた裏のスペースを的確に突いて、浦和ゴールに迫りました。今回はオフサイドにかかることが多くて、今ひとつ本来のデキではなかったかなーという印象。前線の二人で十分形を作れるんで、その後ろにいる上田や橋本はそれをどう活かすか、というところに意識を置けばいい。ただ、ゴール前で一番怖さを出せるのはほかでもないラファエルなんで、やっぱりラファエルを真ん中に据えた状態でフィニッシュに持っていけるのが一番なんですよね。ゴールを決めたのもラファエルの完璧なヘッドだったし。「ゲームを作るのもラファエル、ゴールを決めるのもラファエル」という状況は、大宮はいまひとつ上に行けない要因なのかもしれません。前線の仕事も中盤の仕事もできるから、ややもすると頼りすぎちゃうんだわ。

浦和はついに降格圏の16位まで落ちてしまいましたが、しかしまだこれからでしょう。残り5試合はめちゃくちゃしんどい5試合になりますけど、15位とはわずかに1ポイントしか差がないですから。まぁその15位は僕が応援している甲府なのが複雑なところですけど。その上の大宮や新潟も、多少は慣れているとはいえ現段階ではまだ油断できないでしょう。どこも地力はあるはずのチームなんで、毎週一喜一憂することになると思います。ホントこの時期しんどいよね。吐きそうになるかと思うわ。

今回はバックのアッパースタンドから観戦しました。「いぬをおいかけて」のまわるさんもいらしていたようで、まわるさんのいたメインのアッパーは閑散としていたようですが、バックスタンドはそれなりに人が入って賑わっていました。すぐ後ろの席には小さな女の子サポーターもいて、懸命に「あれーあれーあれー うーらわー♪」と歌って、選手に勇気を与えていましたよ。埼スタの雰囲気はいいですね。「興奮と熱気渦巻く」ってのは、まさにここのことだなと思います。結局また「We are Diamonds.」が聞けなかったのは残念ですけど。

あー、でもひと言モノ申したいのは、スタグルメですよ。バックスタンドって結構距離あって遠くて、でもなんとかたどりついて、何か食べようと思って売店行ったら、カッチカチに冷えたお弁当しかないんですよ。しょうがないからそれ買って食べてたら、ビジョンに「ゴール裏ではこんなものが売ってます!」なんて美味しそうなものがわんさか紹介されてるでやんの。こういってはナンですが、ちょっと高めのお金払ってバクスタにいるのに、なんでグルメはこんなに差があるのだ!非道い!あんまりだ!僕だって温かいものが食べたい!

【J1:第29節 浦和 vs 大宮】浦和側レポート
【J1:第29節 浦和 vs 大宮】大宮側レポート