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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第6節 「やりたいこと」と「やれること」

2011 Jリーグ Division 2
第6節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 1○水戸ホーリーホック
5位(勝点50)→5位(勝点50)

平日の寒い夜に水戸まではるばるお越し下さった皆さん、お疲れさまでした。僕も仕事を定時近くで終わらせて、クルマでびゅーんと行ってまいりました。地元ですからね。茨城県民としては、平日開催になってしまったことで、茨城のいいとこおいしいものをジェフサポの皆さんに堪能していただけなくなってしまったのが残念ではあるんですけど。

まぁしかしこれほどとは。身も心も冷え切るとはこういうことですよ。

スタメンです。GKは岡本。バックスには山口、竹内、青木良太、渡邊。今回は佐藤勇人マーク・ミリガンのダブルボランチ。右に伊藤、左に深井、トップ下に米倉。大島はワントップ。4-2-3-1にシステムが変わりました。

K'sスタのゴール裏は高さが全くないので、遠近感がまるでつかめず、反対側の様子もあんまり把握できません。それでも、ジェフと水戸ではやってるサッカーがまるで対照的だということは十分わかりました。ピッチをワイドに使い、サイドチェンジも的確に入れながらテンポよくボールを動かしている水戸。ジェフはボールの動きにまるでついていけず、翻弄されるばかりでした。相手のミスを突いてボールを奪っても、中盤省略のロングフィードは加藤にことごとく跳ね返されて大島は全く仕事ができず、米倉や深井が前に持ち上がってカウンターをしようとしても他の選手の出足が遅くて途中で止まってしまい、最後は突っかかってシュートを打てず。守備はスカスカだし攻撃は薄いし、どうやって攻めて守ってたのかをすっかり忘れてしまったみたい。

ボランチに入ったミリガンは明らかにやりづらそうでした。センターバックが本職の彼を真ん中において、アンカーの役割とハイボールの競り合いを任せたいという意図はわかります。わかりますけど、僕が見た3試合では実際うまくいってないですよ。ミリガンのプレースタイルでは、中盤のあの場所は狭すぎるんです。彼もそれを肌で感じていて、うまくいかないのにイライラしてプレーがラフになって、イエローを2枚くらってしまいました。右サイドにいた伊藤も、「自由にやれるように」というわりには目立てませんでした。彼は「周りを活かす」タイプの選手だから、サイドで「自分で何とかする」仕事は合ってないんじゃなかろうか。伊藤はボールを受けてワンステップで前を向いて、「スイッチを入れる」のが最大の魅力なんで、選択肢が少なくなるアウトサイドハーフではうまくいきません。

ミリガンや伊藤自身が悪いってわけじゃない。単に「与えられた役割」と「選手の武器・長所」がマッチしてない、と思うのです。

オランダ式のポジションサッカーは、スタート時にセットされた場所で与えられた役割をしっかりとこなすことを最も重要視します。ですが、それは「組織」を意識するあまり「個」を埋没させてしまうことにもつながるわけです。高度に熟成された組織的連携があれば成功するのかもしれませんが、それがない以上は個々のチャレンジをもっと押しだしていかなければならない。選手たちの判断でポジション変えたっていいですしね。ロングボールが相手に通じないのがわかったなら、遠目からでもガンガンミドルシュートを狙っていくとか、そういうことも模索しなけりゃ。本間を脅かすミドルを打つまでに89分もかかってるようでは、サッカーでは勝てない。

僕はたまにエールディヴィジの試合も見たりするんですが、ホントにジェフや浦和と似たり寄ったりのサッカーしてるんですよ。どのチームにも個性が感じられない。活躍しているのは強烈な個性と個人で打開できる力を持った選手ばかりです。宮市亮が昨シーズンあれだけ活躍できたのは、左ウィングの位置で彼の武器を存分に活かすことができたから。浦和でも強みを発揮できているのは、強い個人技を持っている原口元気ただ一人です。型にはまったサッカーだけじゃなく、個人のチャレンジ、とにかく走ってボールを追いかける姿勢、そういうのは絶対に必要なんですよ。

5連戦の真っただ中、次は中3日で栃木とのアウェイゲームです。ここからの3つ、栃木、鳥栖、徳島は、昇格を争う直接のライバル。鳥栖には行けませんが、週末のゲームは行きますよ。なんとか食らいついて、追いついて追い越さなきゃな。

[J'sGOAL]【J2:第6節 水戸 vs 千葉】レポート