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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第22節 夏風邪

2012 Jリーグ Division 2
第22節 ジェフユナイテッド市原・千葉●0 - 1○ロアッソ熊本
2位(勝点40)→5位(勝点40)

この週末、九州は大変な暴風雨に見舞われたようです。前の日にあった鳥栖での試合もすごい雨の中での決戦でしたからね。湿度87%という劣悪なコンディションで行われた後半戦の初戦は、0-1で敗戦。酷いものでした。木山監督の言うように、今季のワーストゲームでしょうね。

スタメンです。GKに岡本。バックラインは大岩、竹内、山口智、武田。ボランチは今回も佐藤勇人伊藤大介の2人。両翼に田中佑昌と兵働、ツートップは藤田と米倉です。

ピッチコンディションの影響もあったんでしょうけど、試合は非常に単調なものに終始しました。熊本は自陣からロングボールを蹴って前線の武富と斎藤を走らせ、あとから養父と西森が追っかけてバイタルからゴールにアプローチする。ジェフは中盤を経由してワイドに展開し、カットインしてボックスに侵入するか、クロスを放りこむ。熊本の攻撃にはジェフの守備がある程度対応できて跳ね返せていたし、ジェフの攻撃は精度と厚みが足りなくてフィニッシュに持っていけない。最終的にシュートは8本づつ、コーナーやゴールキックも多くなくて、両チームともいかに攻撃に苦労したかがわかります。見ている側からすると、単純に「盛り上がりに欠ける」試合になっちゃいました。

ここ数試合、中盤から前線にかけての意思の合わなさはひどいものです。伊藤も佐藤勇人もボール捌きにいまひとつスピード感が感じられないし、両ワイドはショートパスがほとんど噛み合わない。兵働は明らかにコンディションを落としていて、加えて熊本がしっかりプレーエリアを塞いてきたので、仕事らしい仕事ができないままでした。サイドバックのオーバーラップもずいぶん減っています。それは中盤が安定せずに、ボールをロストして裏を使われてしまう可能性を恐れているからでしょう。武田や大岩の積極性が失われてしまうと、藤田や米倉の怖さも半減してしまうんですよね。さらに両サイドと中盤の中途半端な守備をカバーしようとして、センターバックの2人にも過剰な負担がいってしまう。岡本は相変わらず好調をキープして失点を低く抑えてくれていますが、しかし連鎖的にバランスが崩れてしまっているのは明らかです。4試合連続失点で、リーグ最少失点を誇れるほどの堅守はもうどこにもありません。

つまるところ、アンカーの位置できちんと相手の攻撃の起点を締めつける選手がいないからこうなっているんですよね。佐藤勇人と伊藤のセットは、イケイケの状態が保てる環境・相手であれば大きな攻撃力を発揮して相手を押し込めるだけのポテンシャルはありますが、バランスはよくありません。それよりは、佐藤健太郎やミリガンを置いて役割分担を明確にし、アンカーとセンターバック2枚のトライアングルで真ん中にどっしりと構えておく方が、チームの背骨が安定するはずです。最近は2人ともあまり出番がありませんけど、コンディションが上がっていないんだろうか。

相手に研究されているからというのももちろんあるんでしょうけど、最近の不調はこのチーム自らバランスを失って低迷しているものだと思っています。なので、チームの中でそのバランスや構造をきちんと見直してやることで、少なくとも今回みたいなボロボロの状態からは抜け出せるんじゃないでしょうか。気温が上がらない中でも後半にガクッと運動量が落ちてしまうのも、プレーバランスが崩れて変に消耗しているからだし、改善のしようはあるはずです。思い切った改革も必要かもしれません。治せない症状じゃないはずです。

最後に、町田也真人。非常に分かりやすい"戦犯"になってしまいましたね。試合が終わった直後には大泣きしていました。ショックだと思います。期待と責任を背負ってピッチでプレーすることの重さを痛感しているかもしれません。ただ、ここで潰れてほしくはない。ミスを悔やむより、次にミスをしないこと、それ以上のプレーでチームに貢献することのほうがよっぽど大事です。町田のプレーは数えるほどしか見られていませんが、そんな中でも、将来ジェフの大エースになれるだけのポテンシャルを持っている、その片鱗を僕は確かに見ました。だから必ず這いあがってこい。

[J'sGOAL]【J2:第22節 熊本 vs 千葉】レポート