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がんばりすぎずにあるこうや。

J2第24節 タフなゲーム

2012 Jリーグ Division 2
第24節 ジェフユナイテッド市原・千葉○1 - 0●横浜FC
2位(勝点43)→1位(勝点46)

気温も湿度も上がりに上がった横浜でのアウェイゲーム。アウェイ自由席は前売りで完売になって、動員も三ツ沢の今季最多だったそうです。僕はメイン寄りのゴール裏で見ましたが、メインスタンドもバックスタンドも、水色と黄色で綺麗に染め分けられていて、とてもきれいでした。上空にもピッチ上にも強烈な風が吹き付けた厳しい環境でのゲームになりましたが、1-0で粘り勝ち。最後まで気の抜けない、しんどい試合でありました。

スタメンからおさらい。GKに岡本。バックラインは、大岩、竹内、山口智、武田。佐藤勇人佐藤健太郎のダブルボランチ。前節負傷した田中佑昌に代わって、右のサイドハーフには大塚翔平。左は兵働。前線は藤田と深井のツートップに再チャレンジです。荒田が草津戦以来2ヶ月ぶりのベンチ入りしました。田中佑昌はチームには帯同していたようで、ウォームアップをピッチサイドから眺めていました。ケガの具合はそれほど重くはなさそうです。登録外ではありましたが坂本と町田也真人も三ツ沢に来ていて、町田はそろそろもう一度チャンスをもらえるかもしれません。木山さんも、町田に期待するところは大きいでしょうからね。

フクアリでの完敗のあと、"ミスター・フリエ"山口素弘監督を招聘してにチーム再建に取り掛かった横浜は、20試合を経て非常に洗練されアグレッシヴなサッカーをするチームに生まれ変わりました。相手選手のポジションのギャップとスペースを意識してポジションをとり、常にプレーバランスを保ってテンポよくボールをまわして、プレーエリアをコンパクトに保つ。中盤の八角や高地をキーマンとして全体の統率を図り、前線のカイオと大久保の強さ・スピードをもってラッシュをかけて、相手のゴールを陥れようとする。フクアリでやったときとはまるで違うチームですよ。こういう相手のスタイルにお付き合いすることなく、ジェフも木山さんの標榜するサッカーをしっかり展開できるかどうかというのがカギになるわけですが、実のところどちらも主導権を譲らず、イニシアチブは行ったり来たりでした。第三者視点だとかなり面白いゲーム展開になったと思いますが、やってるこっちはドキドキだよ。まさに「やるかやられるか」という一進一退の状況がずっと続くわけで。

なので、「やられる前にやる」という先制点が奪えたのは大きかった。左サイドの攻防は反対側からはあまり確認できませんでしたが、しかし兵働の左脚のシュートは迫力満点。兵働と深井はこまめに位置をスイッチしてお互いを補いながらプレーしていて、左サイドをほぼ制圧しました。これは武田の負担を大きく軽減していて、攻撃参加から守備へのトランジションも余裕を持てていましたね。先制点を獲ったことで中盤の守備意識にも変化があったのか、両ボランチも我慢強く真ん中を締め、センターバックとのブロックでしっかりと守りとおしてくれました。ここ数試合パフォーマンスの上がらなかった佐藤勇人も、守備に散らしにとよくボールを動かしてその役割をやりきりました。ここが安定すると、やはり安心感がありますね。その結果が5試合ぶりの無失点。見事なものです。

右のアウトサイドハーフで先発した大塚は、やっぱり前節のゴールでひとつふっきれたんでしょう。ミドルサードから前で良く動いてボールをもらい、大岩ともうまく連携しながら攻撃の形を作っていました。大塚は田中と違って、ボールをある程度長い時間保持して仕掛けるタイプの選手です。大塚と大岩のところで形を作れるようになると、逆サイドの兵働の負担も減ってくる。何より、左右で攻撃のコントラストを持たせられることで相手の脅威にもなります。ようやくひとつ壁を破った大塚には、大いに期待せずにはいられない。もっともっと、やってやれよ。

後半の序盤15分くらいは、すンごいミドルとかもあって横浜に押し込まれましたが、ここを我慢したらまたこちらにペースが戻ってきました。交代出場の米倉は本当によくやってくれましたね。60分を過ぎてだんだん疲れが出てくる中で、あのフィジカルと運動量は相手にとっては脅威ですよ。倣うように大岩もゴール至近まで顔を出したし、なんとも良い具合に高め合っています。最終盤までああいうじりじりした展開だと、今までは追加タイムにポコンとやられてしまったもんですが、今回は守りを優先しつつも前への意識を高いレベルで維持したことで、逆に守りきれたんではないかな。そういう意味では、ラストカードが山口慶でなく伊藤大介だったのはいいチョイスでしたね。前節の反省が活かされているわけです。

首位の大分が敗れたので、これで首位です。とはいえヴェルディとは勝ち点が並んでいるし、いつまでたってもダンゴ状態。ダンゴ状態なのは「首位に立つと次に負ける」というジンクスのためですが、いい加減こういうのは打ち破ってしまわないと。お付き合いしてる場合じゃありません。次はまた徐々に調子を取り戻してきてる強敵・甲府。新戦力も起動しますし、なんといってもホームゲームですから、絶対に勝たなければね。

[J'sGOAL]【J2:第24節 横浜FC vs 千葉】レポート