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がんばりすぎずにあるこうや。

プリンス1部第10節 "強く"なれ

高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プリンスリーグ関東1部
第10節 ジェフユナイテッド市原・千葉U-18●0 - 2○桐光学園高校
10位(勝点4)→10位(勝点4)

記事を書くのが遅くなってしまいましたが、三ツ沢での横浜FC戦の前に、日産スタジアム横の人工芝ピッチで行われたユースの試合を見てきました。朝早くに起きて横浜まで行って、気温の高い炎天下の中でずっと立ちっぱなしというのはなかなか堪えますな。普段からユースの試合を見に来られている周りのギャラリーの皆さんは、一様にしっかりディレクタチェアを準備していらして、座してじっくり観戦のご様子。うん、確かに必要だよね。僕も今度からはそうしようかな。

スタメンです。GKに林。最終ラインは、川口、秋山、豊川、奥野の4人。中盤は鳥海、高田のダブルボランチに、佐藤遵樹、仲村京雅、浦田樹が2列目に並ぶ形。最前線に今関という4-2-3-1でスタートです。

ゲームの主導権をどちらが握っていたかといえば、それは結局どちらでもなく、しかし「どちらもペースを掴み切れなかった」という消極的な展開の結果でしかありません。最終ラインでの横のパス回しと、楔を入れた途端のコントロールミスによるボールロストで、ボールがいっこうにミドルサードから外に出ない。ジェフのボランチ、高田と鳥海は共にディフェンスに力を発揮するタイプでゲームメーカーではないし、2列目の真ん中に位置した仲村はとにかく圧倒的に運動量が足りず、また相手のチェックに負けっぱなしで前を向いてプレーできません。サイドバックが高い位置をとってボールを呼び込もうとするも、センターからサイドへの展開を中継するところでミスが出てしまうので、結局反撃を恐れて徐々に消極的な位置取りになってしまいました。中盤でこれほどまでに落ち着かないと、前線はもうどうしようもない。

失点はいずれも後半。右サイドでプレスに負けてボールを掻っ攫われ、カウンター一発で流し込まれたものと、やはり右サイドのバックラインのギャップを突かれてのもの。GK林翔太は良いセーブをいくつか見せていたし、パフォーマンスは決して悪くありませんでしたが、失点シーンの1対1ではどうしようもありませんでした。ああも露骨に崩されてしまってはね。桐光もサイドへの展開のところでミスをしがちだったものの、「攻めきる」ということ、つまり変にロストしてカウンターを食らうのではなく、シュートなりタテへの鋭いパスなりでエンドラインまでボールを運ぶということに関しては、ジェフよりもずっとしっかりできていました。この「攻めきる」ということは実に大事で、次の守備に対応するための体勢を整える時間を作ったり、気持ちを切り替えたりできるわけです。これがないと、中途半端な体勢で守備をせざるを得ず、組織が崩されてしまう。そのあたりの意識も、桐光はよくできているように思いました。

前半早々に佐藤遵樹が接触プレーから負傷交代してしまい、前線のスピードが失われてしまったのは大きな痛手だったでしょう。しかしながら、それを差し引いてもアタッカー陣の迫力の無さはいかんともしがたいところです。中盤でボールが収まらないが故に前が活躍するシーンがほとんど作れなかったのは確かにそうなんですが、ワントップの今関はハイボールの競り合いにまったく勝てておらず、また中盤で攻撃のスイッチを入れる選手がいないので全体の意識が噛み合わなくて、思うように相手ゴールに迫れない。終盤、サイドバックの川口と奥野が、しびれを切らしたようにウイングを追い越して深い位置からカットインし、ボックス内へ侵入したシーンが何度かありましたが、正直この2人が一番攻撃らしい攻撃をできていたのではないでしょうか。そういうわけで、スリートップのふがいなさは推して知るべしという。

このチームには「強さ」がありません。センターバックからゲームをビルドアップするやり方は間違っていないと思いますが、それにしたって、前を向いて前にボールを運ばないことには、得点が奪えるはずもない。パスの最初の選択肢が後ろ、次の選択肢が横、というのでは、いつまでたっても攻めきれません。これでは相手は怖くないし、怖くないと分かれば全体をプッシュアップして押し込んできます。で、それを押し返せるほどの気力もない。パスを受けた際の間合いが相手と決定的に食い違っていて、ようはトラップの幅が大きすぎるのも気になります。誰か一人がと言うならまだしも、全員がそうなんですよね。

ユースチームは毎年選手が入れ替わる以上、チームとして安定した力を維持するのが簡単ではないことは承知しています。ですが、チーム全体としてここまで「強さ」が出てこない状況というのは、やはり何かがおかしいのではないかと思うのです。選手個々の問題か指導法の問題かは分かりませんが、意識改革なり構造改革なりがないと、この先浮上していけないのではないか。プリンスリーグ1部は、少なくとも下位2チームが2部に降格します。そういう部分を見据えて、あと半年でできることをしっかりとやっていただきたい。

彼らには未来があります。その未来は、僕らジェフサポが託す未来でもあります。このチームの未来のために、彼らには立派に力をつけて、トップに昇格して先輩たちを脅かす存在になってもらいたい。しっかり鍛えて強くなって、フクアリで僕らを驚かせてほしい。頼んだよ。